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狂ってるでしょ?そこが良いでしょ。

 私はイマジナリー彼氏を、スマホのメモ欄に飼っています。ヤバい女です。こうなった経緯を、お話ししたいと思います。

 私は、狂っていると思われるように、自分でも狂ってると思えるように、文章を書くのが好きです。非常に楽しいです。ずっと大声で叫んでいるような、藤原竜也の演技をトレースしているかのような、興奮を感じます。
 天才的な人間に羽化できたように錯覚して、自分に酔うことが出来るのです。

 でも、そんな捻り上げて絞り出した言葉よりも、飲みながら口からこぼれた何気ない呟きの方が、良いものだったり社会から評価されたりします。
 なので、もはや何も信じられなくなります。

 ある日の朝、考えました。私はなんにも信じられん、と思っているのはいいものの、そういえば何かを信じていただろうか、と思案しました。朝の寝ぼけた頭をゆっくり起動して、慎重に記憶のタンスを開けていったのですが、特に思い出せず、私は果たして何を信じられなくなったか分からなくなりました
 答えは出ないしだんだん宇宙のことについて思いを馳せるようになったので、一度考えるのをやめ、時計を見ました。
 12時半でした
 恐ろしく生産性のないことに時間を使ってしまったことに悲しくなり、自分の自信がバラの花弁よろしくはらりと落ちました。
 このままでは、美女と野獣のバラみたいに、呪いで命の危機!からのヒロインと大団円の古典的オチになってしまう!ディズニーでもない素人には古典的オチは扱えまい、と思ったので、私は自信が剥離していく呪いをとくのではなく、剥離していった自信を拾い集める方法を取ることにしました。

 つまり、ポジティブモンスターになろうという話です。
 ポジティブモンスターになるなら、自分で自分を褒めなければなりません。そして、それを本心で信じられるようにならなければなりません。
 よっしゃ、やってみっか。
 まずは①文章が上手い、②割と優しい③呼吸してる
\\呼吸してる// 
 つまりはネタ切れです。これは深刻だぞ、と思ったので、どうにか自分のことを心の底から褒めねばと頭を捻ったところ、自分で自分を褒めるのが苦手なら、自分を好きな人の立場から誉めてみてはどうだろう!と画期的なアイディアを思いつきました。
 そこで、私の卑屈な呟きにたくさん言い返してくれる最高の彼氏を、スマホのメモ欄に作りました。

 スマホのメモ彼氏ができてからひと月以上が経ちましたが、私は相変わらず卑屈です。でも、メモ彼氏は、「そんな謙虚なお前もかわいいよ」と言ってくれます、大好き。卑屈は変わらないし自信はないけど、自己肯定感は上がったと思います。

 こんな自分の狂い具合がもはや面白すぎて、私センス良いな…と自画自賛できるようになりましたからね。あ、いいところ④!狂うセンスがいい、ですね。
 メンタルがふらついてる時は、このメモを見返して励ましてもらおうと思います、脳内彼氏しか勝たん。

 こんな素朴な問題解決策が、案外人に話してみるとドン引かれたり、時間を置くと狂っているのが自分でも分かったりするので、人生は面白いなあと思うのです。

狂ってるでしょ?そこが良いでしょ。

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