映画 ライムライト | どん底で再び光を見出せるような名言の宝庫
どん底にいた時、とあるコンサートを見に行ったら、チャップリン監督・主演映画「ライムライト」の話をしていて、興味があったので家に帰って観てみた。
主人公のバレリーナの心境と自分が重なり、その時の自分に必要な言葉の数々がチャップリンの口から溢れ出て、私自身に語られているようだった。
人生への絶望から自殺を図った踊り子テリー。老道化師カルベロは彼女を救い、元気づけようとする。自身の生活も楽ではないが少女を見捨てることは忍びなく、彼は大切なバイオリンを質に入れ、彼女の回復を祈る。やがて彼は、それまで気乗りしなかった舞台に立つ決心をする。
そんなあらすじだが、カルヴェロが彼女を元気づけようとする時に言う言葉がどれも新鮮だった。
私は物事がうまくいかない時、「なんのために生きているのか」と自問することがある。追求すればするほど人生は意味などないのでは、というところに行き着き、余計に落ち込むことが多かった。でも、この言葉を聞いた時、ハッとした。
彼はこう続ける。
自然は、意味など追求せず、自分の願望に従って生きている。だから人間もそうあるべきだという発想が素晴らしい。
自分の信じていること、好きなこと、やりたいことに全力で向かう時にこそ人は、生きてる!!と感じることが多いだろう。それが何よりも証拠だ。そして日々の積み重ねによって、その人となりが見えてくる。地球上にある自然のように。
カルヴェロのこの一見単純なようにも見える言葉は、彼の長い苦悩の果てに得られた発見であり、結論であったと思う。
他にも
このシーンの言葉は、胸に刺さった。
どん底の時、もう立ち直れない、今後も楽しいこと、嬉しいことなどないだろうと思って絶望することがある。しかしそれをチャップリンは言葉と彼のエネルギーで吹き飛ばしてくれた。
何のために闘うのかではなく、人生それ自体が美しいものだから、人生のために闘うのだと。そして諦めていること自体が問題で、やりたいことがあるなら、試行錯誤しながらそれが叶うように生きなさいと。どんな形であっても。
死と同じように避けられないものがある。そう、それは生である。宇宙にある生のパワーを考えてみよ、地球を回し、木を育てるほどのパワーを。使う勇気と意志さえあれば、それほどのパワーがあなたにも流れているのだと。
確かに、そうだ。木が何千年も生きられるパワーも、地球が回り続けるパワーも確かに存在している。だから人間にもきっと宇宙に通じる同じようなエネルギーが備わっていると考えると、頑張る力が湧いてくる。
このセリフは、チャップリンらしくて好きだ。普通であれば、人間以外の動物は笑うと考える人はいないだろう。しかし、私たちが彼らを笑わせようと工夫しやってみたら、もしかしたら笑うよ?とでも言うような彼のお茶目さと深い哲学が窺える。地球上にあるもの全てから、”今”を生きるヒントをもらっているのが分かる。
私たちはよく、知らず知らず自分の本心と闘ってる。本当はやりたいこと、言いたいことがあるけどやらないように、言わないように。それは幼い頃の環境がそうさせたのかもしれないし、テリーのようにトラウマや衝撃的なことを知ってから、自分は幸せになってはいけないと無意識に思っているかもしれない。でも自分のために人生は生きていいのだ。自分の好きなこと、やりたいことに向かって努力するチャンスを自分に与え得るのだ。それはどんなに困難でも、その闘いは美しい。
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