理由があった!笑顔で混乱する発達障がい当事者の話
「笑顔で話しかけられるのがキツイんやよね」
事業所から帰宅した息子の言葉。
私は意味がわかりませんでした。
「笑顔が大事」
「笑顔で接しましょう」
この感覚が当たり前だった私にとって、
わが息子の放った言葉にビックリ!でした。
以前の私でしたら、
「そんな考えは間違ってる!」
と、頭から否定にかかっていましたが、今は違います。
「なんでそう思うん?」息子に聞いてみました。
息子は気持ちを言語化するのが難しい様子でした。
「なんか…嫌やねん」
この一言で、会話は終了しました(^_^;)
息子のことを知ろうと、あれこれ聞き出すのはNGです。
今後話をしなくなりますから。
あ!そういう理由だったのか
ある日、息子はちょっと不機嫌な顔で帰宅してきました。
「今日も、メッチャ笑顔で職員さんが話しかけてきたんやけど…」
息子:「僕の横に来て、『○○さん、ダイジョーブですかぁ?』って」
「いつもは『はい』って答えるんやけど、今日は初めて『しんどいです』って答えた。そしたら…」
私:「そしたら?」
息子:「ニコニコってまた笑顔を返されて、すぐに隣の席の人の所に行って、またその人にも『ダイジョーブですかぁ?』って言ってたわ」
私:「なんじゃそりゃ?」
「その人の『ダイジョーブ?』は『こんにちは!』ていう意味なんかな?」
発達障がい当事者に混乱を招く笑顔
心が伴わない笑顔
社会では決して不思議ではありません。
とにかく「笑え」みたいな…(?)
発達障がい当事者の多くは、
この「形ばかり」の行動が理解しにくいのです。表現と心が一致しないと、混乱したり、時には心の傷になる場合もあります。
発達障がいの特性は一人一人違います。
人の感情に鈍感な人もいますが、非常に敏感な人も少なくありません。
言語化が苦手な特性がある場合、一見、感じていないように見えます。
実は深いところまで相手を読んでいる人に、私はたくさん出会いました。
当事者の前では特に、作り笑顔をしたり、心にもないことは言わないようにしています。
ピュワーなままでは生きづらい
私:「もしかしてその職員さん、上司から『笑顔で対応しなさい』って言われてるんじゃないの?」
「マニュアル通りにやっているとかね」
息子:「そうかもしれんね。」
「違和感ない人が一人いるから、何かあったら、その人に話すわ」
息子が世の中を否定ばかりして、ツラい!苦しい!と過ごしてほしくありません。少しずつ、私との会話の中で学んでいってほしいと願っています。
私は、「自分はこう感じた」という、当事者の想いを大切にしたいと思います。その上で、気持ちの方向をどこに向けたら楽になるのか、話し合いたいと考えます。
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