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目標はタイトルが「失恋読書日記」から単なる「読書日記」になること。

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目標はタイトルが「失恋読書日記」から単なる「読書日記」になること。

最近の記事

アウトプット失恋読書日記28

砂の女 安部公房 外出自粛。 一人暮らしだと、下手したら誰とも喋らない、誰とも交流しない1日となってしまう。 急に不安感や閉塞感が増す。 そのため普段疎遠な人にも、元気ー?と手当たり次第連絡してしまう自分勝手な私。 しかし、彼に連絡するのは思いとどまっている。 まあもう彼には彼の生活ができてるだろうし、今更連絡したとこで会うこともないだろうし…特に今の状況では。 家にずっとこもっていると、この息苦しさ、砂の女の設定だ、と気付いた。 いつかこの生活にも慣れるし、馴染む。

    • アウトプット失恋読書日記27

      読書番外編 こんな毎日だと、人の優しさを忘れることがある。 いろんな人からのささいな親切、心遣い、差し出された手。 バファリンは優しさでできている、ならぬ、 人は周りから与えられた優しさでできている。 それは案外、もう二度と会えない人からの優しさだったりする。 寒い雨の中、落とし物を一緒に探してくれたお巡りさん 電車の中で、声をかけてくれたおばあさん(きっと死にそうな顔してたんだろう。何せ、不調が続いて巣鴨のとげ抜き地蔵にお参りに行く途中だったから) 知らない街で大学を

      • アウトプット失恋読書日記26

        花の降る午後 / 宮本輝 神戸のレストランオーナーであり、美しい未亡人が、若い画家の卵と恋に落ちる。  いいですね、昭和後期〜平成初期の香り。昼下りにゆっくり観る昔のドラマのよう。 大学生のころ、宮本輝の作品をいくつか読んだ。 市井に生きる人、街のざわめき、交差する人間模様。それゆえ俗っぽいと感じるところもあり、宮本輝の作品は純文学かどうなのか問題が生じることもある(どこで?) 好んで読んでいたくせに、私がずっと疑問に思っていたのは、どんな作品も、出てくるメインの女性像

        • アウトプット失恋読書日記25

          読書番外編 なんだか何もかもがうまくいかず爆発した。 ①いまだに考えてしまう彼との関係 ②春からの仕事体制。昇進したが、責任も伴う。 ③実家、家族のこと。 ④年相応の気力体力容姿頭の回転の衰え。そのかわり大人として何も得ていない焦り。 爆発の直接的な原因は③で、家族と口論した。しかしそれ以外のことでもずっとモヤモヤしていた。 私は自分勝手だ。 誰しも見えない部分で色々抱えているし、辛く、一生懸命なのである。 相手の表面的なところしか見ていない。 自分だけがキツいと不満を

        アウトプット失恋読書日記28

          アウトプット失恋読書日記24

          細雪 / 谷崎潤一郎 まだグズグズ失恋を引きずっていた頃、離れて暮らす妹もどうやら付き合っていた人と別れた、と聞いた。 妹は姉と比べて恋愛を真っ当に経験してきた子なので、何人か過去に付き合っては別れているようである。 最近の相手は、年も年なので、もしかしたら結婚するのかな?と思っていた。 うーむ、しかしうまくいかなかったか。 久しぶりに帰省して会った。妹は明るく、湿っぽいところを全く見せず、しっかりして見えた。妹ながら偉いなあ、と感心した。それに比べて私の不甲斐ないこと

          アウトプット失恋読書日記24

          アウトプット失恋読書日記23

          トカトントン / 太宰治 私は高校時代から太宰を偏愛していて、全作品を読んだし、一人で五所川原の斜陽館まで旅したこともある。 何がそんな魅力なのかと言われたら、まああの高い自意識と、それを恥じる羞恥心と、それらがゴッチャになって行ったり来たりしているところ。 ニヒリズムの人でもあるが、ものすごく俗っぽいところもある。 いくつかある好きな作品のうちの一つ。 誰しも聞こえませんか、あのトカトントンという音。 ようし、やるぞ!と熱意に燃えている時に、いきなり聞こえて来るあの音

          アウトプット失恋読書日記23

          アウトプット失恋読書日記22

          マチネの終わりに/ 平野啓一郎 数ヶ月ぶりに彼とLINEしたことで、やり直しという方向性があるのか考えてみた。 果たして、すれ違い、不快な思いをし、これはもう終わりだなと思った相手と、また繋がる、とはどういうことなのか? A 嫌なこともあったけど、それをなかったことにして、新しい二人としてやり直す(リセット) B まるで空白の期間がなかったかのように、これまでのやり取りを何事もなく続ける(一時停止→再生) また付き合うのであれば、わたしはAを望むのだが、どうやら彼はB

          アウトプット失恋読書日記22

          アウトプット失恋読書日記21

          銃・病原菌・鉄 / ジャレド・ダイアモンド 倉骨 彰=訳 大変なウイルス が蔓延している。今のところワクチンがなく、対症療法のみ。 このウイルスによって起こされている今の現状に対して、素人なので医学的、社会的、倫理的な観点からは何も言えない。感染された方の回復や、この流行の終息を心から願っている。自分ではできる範囲で自衛し生活していくのみである。 個人的にはちょっと咳をしただけで冷たく見られる雰囲気をなんとかして欲しい。 思い出してこの本を引っ張り出す。 現代世界の不

          アウトプット失恋読書日記21

          アウトプット失恋読書日記20

          以前貸した本について 先日、貸した本について、彼が連絡してきた。 あ、覚えてたんだ、と思う反面、なぜかイラッともした。 丁寧に本の感想も言ってくれた。(あまり趣向に合わなかった模様) 多分ヨリを戻すことはない。戻っても、同じことを繰り返すだろうし、未来もない。 相手もそれをわかってる。 しかし数カ月たちなぜわざわざ連絡してきたのか? 俺のこと忘れてないよね?というマーキング? それとも単純に、あまりにも本の内容が合わなくて、 どうしてもそのことを言いたかったのか? いず

          アウトプット失恋読書日記20

          アウトプット失恋読書日記19

          読書番外編 3.11震災と、福島原発事故のあと、初めて知った言葉や単語がいくつかあった。 メルトダウン、ガイガーカウンター、タービン建屋、帰宅難民、ハザードマップ、シェイクアウト訓練、計画停電、マイクロシーベルト、等々 急激に誰もがこれらを普通に使い始めた。1ヶ月前まで、ほとんど誰も知らない言葉だったのに。 商店街を歩いていると、店のおじさんがメルトダウンがさー、などと、生まれた時からこの単語知ってますという体で話していた。ものすごく違和感を感じたのを覚えている。 そ

          アウトプット失恋読書日記19

          アウトプット失恋読書日記18

          ガール・オン・ザ・トレイン / ポーラ・ホーキンズ コミュニケーションや自己分析、メンタルヘルスを学ぶとき、よく紹介されるジョハリの窓という考え方。 ①自分も他人も知っている自分の姿 ②自分では気付いていないが、他人が知っている自分の姿 ③他人は気付いていないが、自分が知っている自分の姿 ④他人も自分も気付いていない自分の姿 この四つの姿のズレや大小関係を認知し、自己理解、対人関係を高める。 親密な関係、特に恋愛をしていると否が応でも②を知ることが多い。ポジティブな情

          アウトプット失恋読書日記18

          アウトプット失恋読書日記17

          春の窓 / 安房直子 暖かくなってきたが、心浮き立つ春とは行かない雰囲気。 新しく何かを始めたくても、腰が重い。この新型ウイルスの流行が落ち着いてから。。と、何もかも後伸ばしにしてしまう。 何かをもらってしまうんでは、何かを誰かに移してしまうんではないか、とビクビク。 空想で花見をする。 空想で飲み会。 空想で新幹線にのり、旅行先で美味しいものを食べる。 空想でカラオケ、ライブ、ヨガ、、 空想で彼と濃厚接触←これは新型ウイルス の流行が終わっても実現しない。

          アウトプット失恋読書日記17

          アウトプット失恋読書日記16

          勝手にふるえてろ/ 綿矢りさ こう色々書いていると、わたしの恋は大人同士がお互いを尊重し、その結果美しく終わったかのような印象を与えるが、実際はむかつくことも山ほどあった。 具体的に書くほどのことでもないが、今思い返すと、彼は言うことが二転三転した(と感じた)し、まあまあ気分にむらっ気があり振り回された(と感じた)。 おそらく相手も、わたしに対してそう思っていた。 最後は、罵ったり、お互いの悪いところを言い連ねる、みたいな別れ方ができれば良かったが、それもできず。感

          アウトプット失恋読書日記16

          アウトプット失恋読書日記15

          ノンタンシリーズ / キヨノ サチコ 子供の頃、ノンタンという名の必ずそばに持っていたボロ布があった。世に言う「ライナスの毛布」。 名前の由来はこの絵本からなのだが、理由は不明。 一代目は薄いピンク色の枕カバー。旅行先にも持って行き、旅行先のホテルに置き忘れた。ショックで学校を休んだ。 二代目は、薄い藤色で花柄のタオルケット。定期的に洗濯はしていたので、だんだんすり減り、ぼろぼろになり、どこかに消えた。 しかしノンタンには大変助けられた。 どこの家でも大なり小なりあ

          アウトプット失恋読書日記15

          アウトプット失恋読書日記14

          ある男 / 平野啓一郎 ずいぶん、読み返した本。 読み物としてもミステリ調で引き込まれるが 今を生きる私と重なる空気や背景、社会問題。 そして愛と希望。 難しいテーマも取り扱っているので、すべてを理解するには知識、教養不足を実感するが。 わたしを定義づけるものはなんなのか今一度考えたくなる本。 そしてわたしはまだ知らないわたしにいくらでもなれる。 そのためにはまだ知らない人にたくさん出会わねば!

          アウトプット失恋読書日記14

          アウトプット失恋読書日記13

          三つの車両 / 中村文則 電車遅延の日。 ぎゅうぎゅうに人が溢れているホーム、なかなか来ない電車、まったく聞こえない駅のアナウンス。はい、はい、よろしくお願いします、と電話している人。ため息。 これ、暴動が起きて駅舎に火を付けられてもおかしくないぞ国によっては。 確実に遅刻だが、あの仕事誰かやってくれてるかな。 人身事故といっているが、自死だろうか。どんな気持ちで身を投じたんだろう。もう、なにも考えたり思い巡らすこともなくただただ無心で飛び込んだのか。 体を小さくし

          アウトプット失恋読書日記13