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アウトプット失恋読書日記15

ノンタンシリーズ / キヨノ サチコ

子供の頃、ノンタンという名の必ずそばに持っていたボロ布があった。世に言う「ライナスの毛布」。
名前の由来はこの絵本からなのだが、理由は不明。

一代目は薄いピンク色の枕カバー。旅行先にも持って行き、旅行先のホテルに置き忘れた。ショックで学校を休んだ。

二代目は、薄い藤色で花柄のタオルケット。定期的に洗濯はしていたので、だんだんすり減り、ぼろぼろになり、どこかに消えた。

しかしノンタンには大変助けられた。

どこの家でも大なり小なりある家族内の不和やトラブル。大したことはなくとも、子ども心にはストレスや不安を感じていたんだろう。
ノンタンのヒンヤリした感触や匂いが、心の安定剤だった。

大人になり、ノンタンのことなどすっかり忘れていたのだが、今大判のストールがその役目を担いつつある…。
彼と会う時よく巻いていた安物のストール。白やら青やらの柄物で、なかなかオシャレである。彼の匂いが染みついているような気がして、恋の始まり当時は会えない時のお守りのように巻いていた。

しかし恋も終わり、ストールもくたびれてきて、外に巻いていくのは憚られるボロ布となった。
さすがにもう彼を恋しい、と思うことも少なくなってきたが、三代目ノンタンをそばに置きながら眠りにつく。スベスベして気持ちがいいのだ。

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