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日本の国家安全保障90年代 62
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第9章 日本のテロ・ゲリラ・コマンド対処
第4節 自衛隊の対テロ作戦 1990年代
1999年3月の北朝鮮工作船事件を発端に、
対ゲリラ・コマンド特殊部隊「海上自衛隊特別警備隊」が発足した。
89式小銃、HK416ライフル、MP5機関拳銃(サブ・マシンガン)、SIG P226拳銃などを装備している。
イギリス海軍(ロイヤル・ネイヴィー)の特殊部隊・特殊舟艇部隊SBSに学んだ精鋭である。
陸上自衛隊特殊作戦群は2004年3月、千葉県・習志野駐屯地で正式に発足した。
陸上自衛隊特殊作戦群は対テロ、対ゲリラ、対コマンド/対特殊部隊を担当する陸上自衛隊最強の部隊である。陸上自衛隊特殊作戦群は戦闘部隊が200人、支援部隊が100人の300人と発表された。
陸上自衛隊特殊作戦群は当初、空挺レンジャー資格保有者、部隊レンジャー資格保有者を中心に選抜された。その後も空挺レンジャー資格保有者、部隊レンジャー資格保有者を中心に構成されるものの、レンジャー資格が無くても特殊作戦群のセレクションに呼ばれることがある。
米ソ東西冷戦時代にもテロ・ゲリラ・コマンド・特殊部隊の危機は存在していたのだが、テロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処には治安の要素があるため陸上自衛隊が任務とすることに警察庁の反対があった。
陸上自衛隊が特殊部隊を創設しテロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処を実施すると、左派マス・メディア、左派市民運動家、左派政治家が「国民に銃を向けるのか」、「戦争の準備をしている」、「市民が巻き込まれる」という反対の声を上げる可能鵜性が高かった。
陸上自衛隊がテロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処を本格化させること、特殊部隊を創設することは躊躇われてきた。
しかし、ソ連が崩壊し、機甲部隊の衝突の可能性が低くなったため、相対的にテロ対処・ゲリラ対処・特殊部隊/コマンド対処の比重は高まった。
また、1992年からはじまった北朝鮮による大量破壊兵器保有に対する国際的な制裁問題で、北朝鮮の暴発・崩壊の可能性が高まり、世界有数の特殊部隊・コマンド部隊、ゲリラ部隊・テロ部隊を有する北朝鮮の脅威が切迫したものとなった。
以前からソ連の日本進攻時に真っ先に投入されるソ連軍参謀総局特殊任務部隊(スペツナズ)を考慮はしていたが、こうした経緯で防衛庁、陸上自衛隊のなかでもゲリラ・コマンド対処の重要性が再認識された。
陸上自衛隊は第1空挺団にゲリラ・コマンド研究班を設立、合衆国陸軍特殊作戦コマンド、合衆国陸軍特殊部隊コマンド、合衆国陸軍特殊部隊群(グリーン・ベレー)、第1特殊部隊作戦分権隊D(デルタ・フォース)、ジョン・F・ケネディ特殊戦センター・アンド・スクールに要員を派遣し、部隊運用、作戦、訓練のノウハウを学んだ。
長期間の準備を経て遂に2004年3月、陸上自衛隊特殊作戦群が正式に発足した。
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