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妄想ショートショート: 価値創造のための妄想物語

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独自の商品やサービス企画創出、将来価値の探索のために 妄想力、空想力でショートショートを紡いでいきます。 呼吸をするように、日常の体験インプットから独創アウトプットを生み出す思考… もっと読む
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#空想

静かな楽園 : 妄想ショートショート024

静かな楽園 : 妄想ショートショート024

静かな楽園

西暦2078年、地球上の都市は静寂と平和に包まれていた。人々は遠隔で仕事をし、仮想リアリティでレジャーや文化的な暮らしを楽しんでいた。この静かで平和な世界での生活は、外出せずとも友人との交流や日常の散歩が可能であった。地球上の全ての人々が幸福で満足していた。

かつて人類は地球温暖化の予測を大きく見誤った。その教訓を胸に、新たな道を探求した。哲学者であり科学者のドクター・フェニックス

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逃走の軌跡 : 妄想ショートショート023

逃走の軌跡 : 妄想ショートショート023

逃走の軌跡 - アリアと移動体AI "ノマド"

西暦2078年。かつての緑豊かな地球は今や荒廃の地と化していた。環境汚染と資源の枯渇は、人々に定住の喜びを奪い、絶えず移動し続ける運命を与えていた。この厳しい世界で生き抜くため、人々は資源を求め、危機を避けるために日々移動を続けていた。

アリアは、この過酷な日常の中で仲間と共に移動を続ける若者の一人だった。彼らの移動を支えていたのは、高度に知能化

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ギャラクシービール : 妄想ショートショート015

ギャラクシービール : 妄想ショートショート015

ギャラクシービール

太陽が地平線に沈むことなく、星々がキラキラと輝く宇宙空間。それが今、ユウタの目の前の景色だった。彼は生まれて初めての宇宙旅行に挑戦していた。
ユウタは、地球での日常から逃れ、新しい体験を求めて宇宙旅行に参加した。彼が最も楽しみにしていたのは、宇宙空間での浮遊体験や星々を間近で見ることだった。

ユウタは興奮していた。彼が乗っている宇宙船が地球の大気圏を突破し、真の宇宙空間に入

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日替わり焼き魚定食 : 妄想ショートショート013

日替わり焼き魚定食 : 妄想ショートショート013

日替わり焼き魚定食

アキラは造園業者で、日々重い石や土を運ぶ仕事をしていた。彼の仕事は身体を酷使するため、お昼ごはんは彼にとって一日の大きな楽しみであり、エネルギーの補給源でもあった。出先の慣れない街で、お昼時になると、彼の胃袋はゴロゴロと鳴り始めた。
そんな時、彼は「山田食堂」という小さな定食屋を見つけた。店の外観は古びていたが、香ばしい匂いが鼻をくすぐった。アキラは腹ペコの状態で、迷わず店に

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ブレインモードチェンジマン : 空想ショートショート006

ブレインモードチェンジマン : 空想ショートショート006

「BRAIN WORKOUT:ブレインモードチェンジマン」

都市の中心、超高層ビルの一室で、シンジはデスクに向かって仕事をしていた。彼は特別な能力を持っていた。それは、6つの脳のモードを切り替えることができるというものだった。
運動モード:
人間が狩猟民族だった頃からの動物としての知能を活かすモード。体を動かすことで脳が活性化し、集中力や判断力が高まる。
睡眠モード:
地球上の多くの生物が持つバ

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「伝記自動車」:妄想ショートショート002

「伝記自動車」:妄想ショートショート002

伝記自動車

年は2090。新たなエネルギーとして「伝記」が注目されていた。伝記エネルギーとは、人々の生涯の物語やエピソード、人生の中のドラマや冒険からエネルギーを抽出する技術だった。感動的な瞬間や激しい経験、悲しい出来事や楽しい思い出まで、すべてが燃料として変わる。この伝記エネルギーは環境に優しく、走行するたびに自動車は輝きを放ち、周囲の人々にも喜びをもたらす。

市販されていた「伝記自動車」は

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腹筋が割れた男 : 妄想ショートショート001

腹筋が割れた男 : 妄想ショートショート001

富士五郎は40代半ば、人生の谷間に立っていた。手にしたビールの泡がメタボリックシンドロームと同じように膨らんでいるようで、ちょっとした悔しさを感じていた。

ある日、街で見かけた若者たちのシャツを腹で膨らませることなく着こなしている姿に刺激を受け、富士はダイエットに取り組むことを決意する。翌日から、ジムに通い、トレーニングに励む日々が始まった。

数か月経ったある日、富士のお腹は見事に腹筋6つに割

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