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捨てる勇気:「手放す」ことによって「新しいモノゴトがやってくる」

彫刻家の大黒貴之です。

今でこそ「断捨離」という言葉を見かけることが多くなりましたが、片付けることが苦手な人は多いのではないでしょうか。

片付けることの基本は、先ず「手放す」ことから始まるのではないかと僕は考えています。なぜなら空間が混乱しているときはたいてい、ものが多すぎることが原因だからです。ですので、先ず手放し、その空いたスペースを利用することが次のステップとなります。

あなたの周囲を見渡すといらないものが意外と多くはありませんか?

1年のうちに1度も使わなかったものはその後も95%以上の確率で使わないそうです。

「あっ、ひょっとしたら使うかも」

「とりあえず置いておこう」

そう思って、残すものは大抵が上の95%以上の確率で使わないものベストテンにランクインすることになります。

整理整頓ができていない一番のデメリットは「ものを探す時間」です。

例えば、モノを探している時間が、1日10分だとしても、それが1年になると3650分となり、約60時間のタイムロスとなります。7.5日分の労働時間と同じで、東京都の最低時給賃金1013円(2021年現在)として、60780円の損失となります。もしくはその60時間を他の時間にあてがうことができるようになります。

僕の祖父母は大東亜戦争を体験しています。

特に戦中、戦後は何もなかった時代でした。

ですから、モノをずっと大切に使い続けた世代の人たちだったのだと思います。僕の親が子どもだった頃は日本全体がまだ貧しい時代でしたし、彼らの親世代は先にも書いたように「もったいない」世代だったのできっとそういう行動を子ども時代に見てきていたのでしょう。

しかし、奇跡的な高度成長を成し遂げた日本にはもはやモノがありふれています。確かにものを大切に使い続けることはとても大切なことです。僕も何年も愛用しているモノはあります。しかし、その時の必要に駆られたり、人はつい何かを手に入れたくなるので、気がつけばモノは増えていくものなのです。

僕の実家には、祖父母の時代から

「たぶん、また使うだろう」

「とりあえず残しておこう」

が積もり積もって、多くのモノが家の中に残っていました。

父が他界した後、誰もいなくなった実家を見渡すと呆然している自分が立っていました。

「この残ったもの、いったいどうすればいいのだろう・・・?」

月に一度やってくる不燃ごみ回収なんかでは間に合わない処分品の量でした。

「これは、徹底的に捨てなければいけない」と思い、軽トラ満杯に捨てるモノを積んで、何度ゴミ処理場に持って行ったかわかりません。

捨てても捨てても出てくるのです。

その時、1つ習得したことがあります。

直観で捨てるか捨てないかを判断して、きっぱり捨てること。それは、捨てるか捨てないかを瞬時に判断することです。

「あっ、これいる。これ、いらないと」

最初はいちいち考えて「どうしようか、あ~、ひょっとしたら・・・」って考えながら振り分けをしていたのですが、それではとても追いつきません。

ですので、直観で判断することを覚えました。

言い方を変えれば、数をこなしていくうちに徐々に判別の仕方をアップデートできたのでしょう。

そのおかげもあってか、今ではほとんど迷うことなく、捨てる捨てないの判断を下すことができるようになりました。

最初にも書いたように、空間内がモノで一杯になるとそれ以上、何かが入ってくることはありません。そのキャパシティを超えてしまうとそれはいわゆるゴミ屋敷になってしまいます。

父が使っていた仕事道具や材料なども全てきれいに片付けました。それらを置いていた場所は今では新しい使い方ができるようになっています。

何かを手放すときは一抹の寂しさがあるのはとてもよくわかります。しかし「何かを手放すと何か新しいものが入ってくる」と僕は信じています。出会いがあれば、別れがあり、別れがあれば、また出会いがあるのと同じです。

ですので、1年に1度の大掃除のときや引っ越しの際、本当に必要だと直観的に感じるモノ以外はなるべく捨てるようにしましょう。

そうするとまた新しいものが入ってきます。

それは必ずしもモノだけとは限りません、新しい人との出会いや新しいコトの始まりとなってあなたのもとへやってきます。

本当にこれは置いておきたいと直観的に感じるものや大切な思い出のモノだけは、いつも目に触れる場所にそっと置いておきましょう。

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今日も穏やかな時間が流れますように。


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