私たちの先人が残してくれた3つのギフト
彫刻家の大黒貴之です。
僕は死んだら全てが無になると考えているのですが、死んでからもこの世にに残るものがあります。
しかし、その後世に残せるものは3つしかないと聞いたことがあります。
今回はこの3つの概念について考えてみたいと思います。
お金
流動資産となる現金や預金なども含めて、その人が積み上げてきた資産のことです。
お金は人が作り上げた資本主義の貨幣システムの中でのツールです。
鉄鋼王のカーネギーの莫大な遺産は、世界中に学校やコンサートホールなど様々な施設の建設などのために使われました。それらの施設で育った子どもや若者たちの可能性を推進することに成功した良い例だと思います。
また、何を残したのか?という世間の関心が最も高いのもこのお金です。
なぜかいうと数字で表せるとても分かりやすい指標になるからです。
「金は何かを可能にするための鍵のようなもので、そのために制作するようのものではない」と言ったのはイギリスを代表する現代アートの作家、ダミアン・ハーストです。
お金で愛は買えないというのは、人の心はお金では買えないということを示唆しているのでしょう。人には心がありますので、一定の幸せが満たされていればお金に操作される可能性は低いでしょう。一方で完全な自給自足というのは極めて困難なことで、お金は生活をする上で必ず必要なものであることは確かです。
よく勘違いしてしまうのは、お金を目標を達成するためのツールではなく、このツールを集めることが目標になってしまうことです。そうなってしまっては、本末転倒になってしまいます。
先のハーストの言葉を思い出してみましょう。
「お金は何かを可能にするための鍵」なのです。
いずれにしても大小かかわらず、その人のお金は誰かが引き継いでいくことになります。それは家族や親族、或いは税金というかたちで第三者が使用するためのツールとなっていきます。
技術
今、私たちがこのように生活をできているのは、先人たちが構築してきた技術のお蔭です。車、コンピューター、インターネット、交通網、インフラ、医療などそれらは各分野の技術の開発の結晶です。
その技術は今や宇宙にまで広がり、NASAの4KカメラやAIを搭載した無人探査機が火星に到着したことは昨今のニュースとして話題となりました。今後も人工知能やビッグデータなどのITが加速することによって、医療、建築に土木、農業など様々な分野で技術が開発されていくことになるでしょう。
将来ますます人類の生活は便利になっていくことでしょう。
それによって到達できなかった場所を発見し、その光景を目の当たりにすることができるようになっていくのです。
料理も技術になりますし、言葉や文字も自分の意志を伝えるための技術の1つになります。
思想或いは観念
宗教、哲学、芸術など人類は深く考え続けることによって様々な概念を導き出してきました。人が見ている世界はその人が持っている言葉やイメージの概念だと言えます。
Aさんにとっては見えないイメージでも、Bさんには見えているかもしれません。これは目前のコップや犬などのようなある物質を指しているのではなく
目には見えない「イメージ」のことです。
プラトンはそのことをイデアと呼びました。
ドイツ語ではIdee(イデー)英語ではIdea(アイデア)となります。
新しい概念は、当然のことながら最初は誰も持っていません。つまり、最初の人が持っているのは、その人の中にある「観念」と言えるでしょう。
最初にその観念を発見した人は、変人と言われるかもしれませんが、その観念が正しければ、何年か何十年後には概念となり当たり前になっていきます。
今では、自明のように生活で使っている自動車、飛行機、amazon、appleなども最初は、ライト兄弟やジョブスさんのイメージが原点になっています。それに先の技術とお金がリンクすることによって、そのイメージが具現化し世界中に広まりました。
思想や観念というと遠い存在に思えるかもしれませんが、親や恩師、友人、リスペクトしている人などが、生前に言っていたことであったり、彼女/彼らから影響を受けた言動など身近なところでも沢山あると思います。
この3つに共通しているのはいずれも「人の意志」だと僕は考えています。
これらの3つは自分の意識以外のところで残っていくものです。その意志が残された人の無意識に浸透し、それが後世の社会を形成していくのだと考えます。
現存する人の意志が無意識に変わり、それが後世では当たり前になっていく連鎖。そこに何か神秘的な生命賛歌のようなものを強烈に感じます。
同じ物事を残すのならハッピーなものを残したいものです。
あなたは後世に何を残したいですか?
・・・・・
このような関連記事も書いています。
・・・・・
こちらも運営中です。
記事がいいなと思ってくださった方は、「いいね」や「フォロー」してもらえるととても嬉しいです!
https://k-daikoku.net/
ホームページです。これまでに制作した作品や展覧会風景などを掲載しています。
https://www.instagram.com/takayuki_daikoku/
Instagram:【本体アカ】作品の写真をアップ中。「両義の間に発生する揺らぎ」のようなものを意識し、2次元と3次元、内と外、静と動、自然、文化、人の心理など、相反する二項の間で揺れ動いている関係性、「間–振動(かん-しんどう)」という観念を作品に転換しています。
https://www.instagram.com/art_studio_daikoku/
Instagram:【スタジオアカ】彫刻家、大黒貴之が運営するスタジオです。Art Studio DAIKOKUでの制作風景や作品など、その舞台裏を発信していきます。
https://www.youtube.com/channel/UCMIySMgSItrsbcL4_yb0Kkg
You Tube:作品、展覧会、制作風景などをアップしていきます。作品がどのように完成していくのかというプロセスも知っていただけたらと思っています。
今日も穏やかな時間が流れる一日となりますように。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?