『悪魔の手毬唄』 現実を忘れ、空想の世界に遊べ
『悪魔の手毬唄』
横溝 正史 著
角川文庫・昭和46年7月
推理小説を紹介するときには、ある種の難しさが付きまとう。それは、ネタバレがないよう十分に配慮した上で紹介しなければならないからである。
よく本の帯に書かれているような「二度読み必須」「衝撃の結末」といった文言でも、勘の良い読者であればネタバレに近いものを察してしまう。そのため、内容に踏み込み過ぎないためには細心の注意が必要となってくる。
推理小説の場合、ネタバレしてはいけない部分と小説の魅力が密接に関わりあってい