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人生で一番大切なことは、一番大切なことを一番大切にすること。

人生は、私たちにさまざまな出来事をもたらします。その中には、私たちに大切なことを気づかせてくれる瞬間が含まれています。今日は、人生で一番大切なことを静かに気づかさせてくれる、あるエピソードを紹介したいと思います。

作者不詳
人生で起こることは、
何か大切なことを気づかせてくれるために起こるようです。

人生で最も大切なことを両親から教えられました。
父も母も今はもういませんが、大切なことを教え残してくれました。

母は34歳の時に難病のベーチェット病が発症しました。
母がずっとつけていた日記には、ほとんど毎日のように微熱や頭痛があると書かれていました。
妹と一緒にその日記を見ていて辛くなりました。
無理をすると発症するからと医者には言われていたようです。

あれから数年が経ち、

桜が舞う季節。
病院主催のお花見会に参加するため、
小さくなった母を車椅子に乗せて、いっしょに近くの神社へ足を運びました。
神社には桜が舞っていて、ポカポカと暖かく気持ちが良いものでした。
看護師の方たちが おいしいおでんを振舞ってくれました。
よく煮込まれた大根はとろとろでした。
看護師さんからスプーンが手渡され、
今日は、母にもちょっとだけなら食べさせても良いと言ってもらえました。

だんだんと身体の動かなくなった母は、
必要な栄養を毎日3度の点滴で補うようになっていました。

「おでんが欲しい?」
と聞くと 食べたいという。
久しぶりに人間らしく口からおでんを 食べさせてあげられることに嬉しさを感じました。
おでんを小さく小さく刻んで、スプーンの上にのせ、ゆっくり口元に運んで食べさせました。
「おいしい」
母が本当においしそうに、嬉しそうにそう言うので、
自分も心から嬉しくなりました。 嬉しくて、嬉しくて涙が滲みました。

口元におでんを運ぶとき、 ふと、わたしが赤ちゃんだった頃に、
母もこうしてスプーンで口元に運んでくれたのだろうなと、感じ入るものがありました。

子を思う母の愛情がポンと心に入ってきて、時を越えて、母の愛を受け取った瞬間でした。
そこには、愛しかありませんでした。
子が存在しているだけで愛おしく感じる心。
自分のすべてを注ぎ込む愛情がそこにはありました。
母の無償の愛を感じて泣きたくなりました。

こんなにも愛されていたんだと思うと涙が止まりませんでした。
もっと親孝行すればよかった。
もっと作ってくれた料理をおいしいって言ってあげればよかった。
こんなにもこんなにも愛されていたんだ。
感謝の念があふれて止まりません。

「こんなに素晴らしい行事をしてくださり、本当にありがとうございました」
と感謝の手紙を院長先生宛に出しました。
心から接してくれる看護師さんたちを、院長先生に褒めていただきたかったのです。
『人には優しくしよう』 これが、母から学んだことです。

人生で一番大切なことは、 一番大切なことを 一番大切にすること。
好かれていない人のご機嫌を取るより、 自分を愛してくれている人のために時間をもっと使おう。
いつも見守ってくれている人が喜ぶことをするために時間をもっと使おう。
ありがとう、ごめんなさいがちゃんと言える人になろう。
人に迷惑だけはかけない人生にしよう。
嬉しいときには嬉しいとちゃんと伝えよう。
愛している人に愛しているとちゃんと伝えよう。

人生で一番大切なことだから、
親が子供に一番最初に教えることなんだと心に落ちます。


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