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コミュニティーを今の時代に再定義し編集する

佐渡島さんの、「WE ARE LONELY ,BUT NOT ALONE」を読んで感じたコトです。

実は、コミュニティーの編集はNPOが何年も前から実践しているコトです。
むしろ、それを専門としていることが多いと思う。社会課題を解決するためには、NPOのスタッフだけでは不十分。そこで、多くの人のチカラを借りることになる。「関心のない人」、「関心はあるがどうしていいかわからない人」、「イベントには参加する人」、「実際に担い手になる人」、「寄付をする人」など。
また、顧客マネジメントをしっかりしている企業でも実践しているコト。このようなNPOや企業と違うのは、この書ではインターネットというツールによって、コミュニティーがどう変わり、そしてどのように設計するかということが書かれている。

その中で特に、「安心・安全」に関することはぜひ読んでほしい。
昨今、グーグルの研究などから「心理的安全性」が注目されており、組織づくり・チームづくりにおいて重視している企業も多いと思う。僕もその一人。

創業してから数年は、社会に良いことをする、ベンチャーだから気合いで頑張る、困っている人のために、早く成果をあげる、というマインドが強く、かなり無理をしていたことが、今になると痛いほど分かる。

また、震災支援の団体でも似たようなもんだった。その結果、物凄く疲れる。長く続けるのがしんどい。このままじゃ続かないということが分かってくる。この書籍では、このように表現している。

・熱狂は太陽みたいなもの。遠くまでその熱を伝えることができる熱狂は、身近な人を焼き殺してしまう。

そうなんです。最初は熱狂的に活動をしても、続かない。そして、熱狂はやがて「燃え尽き」にもつながる。だからこそ、それぞれの人が関われる「役割」や、「安全で安心なコミュニティー」が重要。

そして、アフリカの有名なことわざでこういう言葉があります。

早く行くなら一人で行け、遠くに行くきたいならみんなで行け

そのためにも、「みんな」が意見を出し合い、納得できるチームを作ることが必要です。SVP東京の岡本さんものインタビューがありました。

ということで、コミュニティーに関わる全ての人に価値ある本だと思います。そして、とても読みやすいので、オススメです。
きっと、自分が言葉にできないことが、言葉になっていると思います。

この書籍の副題も、興味深いです。

現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニテイー

他にも、たくさん印象的な言葉がありましたが、こんなところ。
こんな事を考えながら、設計し仮説を検証し続けられたらすごい。

・分かりにくさとは、参加するための余白
・問題解決型から問題発見型へ
・僕たちは、役に立つものだけで心を満たすことができない。非論理的な、役似たないものの方が、心を満足させてくれる。
・元のメンバーが、新メンバーを積極的に受け入れているつもりだとしても、自分たちから話しかけないと、新メンバーは沈黙を拒絶と受け取ることがある。感情を表現しない元メンバーは、黙って存在するだけで、新メンバーの安全、安心を脅かすことがある。
コミュニティーは、拡大するたびに、新旧両方のメンバーの安心、安全が必ず脅かされる。そのことを理解して、拡大するたびに新旧両方の安全、安心の確保をする。
・『一回のコミュニケーションで完璧に』から『不完全な短いコミュニケーションを何度も』

そして、この書籍で嬉しいのは、巻末に参考書籍がそれぞれのジャンルごとに書いてあることです。

そして、また1から宇宙兄弟が読みたくなる。

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