One Beautiful Day
用事が僕を起こす
僕は用事に起こされる
それだけの一日のお話です
外に出ればそこにはゆったりとした幾千の人生が
街を埋め尽くしていた
トーキョーに出てきてから
しばらく嗅いでいなかった土の匂いに踊り
歩みを進める
ここに来るまで遠かった
太陽くんが大笑いしてご機嫌な頃の
ほとんど無人の電車に揺られて
遥々やってきた
月がひしゃげた顔で僕を見る
大丈夫 忘れてなんかいないさ
コトを済ませて気の許せる我が家に着く
ルーティンを済ませ
月が自分の出番を喜んでいるのを確認する
本当はこの頃合が僕の始まりの刻でもあるのに
疲れが僕をいじめる
月君ごめんね 今夜はお休み
月の笑顔は涙へ
次の朝は
用事も僕も眠っていた
目を覚ますのは
星降り月が踊りだす頃
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