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ガールズバンドクライ第10話感想…あなたならどうやって先へと進みますか

昨夜、ガールズバンドクライ第10話「ワンダーフォーゲル」がオンエアされ、終盤に向けた大きなドラマが話題になっています。

第10話「ワンダーフォーゲル」あらすじ

バンドとして活動を続ける仁菜のもとに、田舎から両親が訪れる。逃げ回る仁菜だったが、みんなに諭され渋々実家に戻る。父親と話をするものの、相変わらず理解してもらえない。翌日、仁菜が父親に連れていかれた場所は、かつて通っていた学校だった。(公式サイトより引用)

まず冒頭で、バンドの人気は上がってきてなんとスカウトまで来る、と順調そのものなトゲナシトゲアリの様子が描かれます。グッズの売れ行きはイマイチながら、ルパさんについた女性ファンは相当な数の模様です。

いやこのモブの子可愛いんですけど
ルパさん罪な女だこと

遂に、父親と対峙する娘の物語

しかし今回の本題はやはり、進学を辞めてバンド一本に絞って生きていく決意をした娘を案じる両親とのドラマです。
東京に来た親をスルーしながら結局自分が実家に一旦戻ることになる仁菜。なんとも交通費のムダだなぁと思いましたが(笑)、場合によっては戻らないリスクも秘めながら帰省を促す桃香さん、大人でしたね。ギターでの効果音は笑いました。本当に夫婦ですね仁菜桃。

父親に陽が当たり、仁菜は影に。
この画作りが心理描写も兼ねていますね

父親は娘を連れて学校へ。そこで学校側から仁菜が退学に至ったいじめ問題についての謝罪文を提出させます。ここで仁菜は「ふざけるな」と言わんばかりの態度を取る訳ですが、この場面を他の方はどう見ましたでしょうか。

私の感想記事なので、ズバリ個人的な意見を言いますと腹立たしくて仕方がなかった。紙切れ一枚とヘラヘラ謝罪。一応この場を作った父親は娘の味方として学校に苦言を吐きはしましたが、これら全て、

「大人の都合」

しか見えないんですよね。

実を言うと、私も小学生の頃いじめられっ子だったんですね。母親が味方になってくれた事と、「やられたらやり返せ」のお墨付きをくれたので、私はいじめてくる子に対して遠慮なく噛みつきにいきました。昭和の時代の学校あるあるで、「泣かせたら悪者」という暗黙のルールがあり、決して泣きマネではありませんが泣きながら殴り返すと、先生は自分の味方になってくれました。今思い返すと、なんとも短絡的だと思いますが。
いじめというのは、子供だけの話ではなく大人、社会人になってからも存在しますしより悪質になります。小さかった頃に「いじめには屈さない」人間になったことは大きなプラスだったと思っています。

話を戻しますと、仁菜は学校も親も味方になってくれず、遠い都会で活動するバンドの音楽が救いになっていた。放送室で「空の箱」を流すという行為、あれはぶっ飛んでいるようで私が泣きながらいじめる相手に頭から体当たりをしていたあの「反撃」そのものじゃないか、と思いました。目頭が熱くなったポイントです。
そんな仁菜が、地元を離れてバンドをやることになったその思いをお姉さんに語り涙を誘うシーン…良かったですね。
仁菜にとっては学校はもちろん、父親も「敵」だった…そんな風に序盤から思えていたこのアニメですが、本来ならまだ高校に通っている歳…親の援助があっての上京だった事を思えば、今回の腹を割っての話はどうしても必要だったのでしょうね。

最終的には娘の意志を尊重してくれる、良い家族ですね

おそらく仁菜の父親、高校を辞めるに至った原因が自分にもあるという負い目があったのでしょう、ただ嫌だ嫌だというだけの娘ならまだしも、仁菜は自分の判断で家を出て、自分の道を見つけるにまでになっている…ならば親として出来る事は、背中を押してやることだけ…そんなところに帰結した、ように思えた今エピソードでした。
自らの体裁のために娘を見殺しにした、下賤極まりない父親だと思っていましたが、少し違いましたね。自らの過ちを認められる人間には可能性があります。

とりあえず仁菜が心配していたように、タバコは減らした方がいいですね、お父さん。

毎回が濃密なドラマ

7話を最後に、3回ほどライブシーン無しで来ているこのガルクラですが、「今週も歌、ないのかよ」的な不満はほぼ聞きません。やはり8話から毎回、しっかりドラマが描かれていて満足度が高いからだと思います。
そもそもドラマとは「変化」である。とは脚本の学校でも教わったことですが、

・8話…桃香 ・9話…智 10話…仁菜

と、ここ3話でハッキリとキャラの抱える問題の解決、それによる変化が描かれているのがこの濃密さの理由です。
音楽ものではありますが、音楽に賭ける道を選んだ少女達の物語なので、これが正解なんですね。バンドを通じて、メンバー皆が成長していく。ルパさんだけはもう成熟しきっている感がありますが(笑)。
加えて、フェスという大きな目標とそこでライバル・ダイヤモンドダストとの対決といういわば「最終決戦」が控えているのでバンドものとしての見せ場が約束されてもいるわけです。これが面白くない訳がない。

このアニメ独自の表現である、トゲ。
フェスでのステージでは、これが大爆発するんでしょうね

振り返ればオーソドックスな家族ドラマだったこの第10話ですが、「音楽に救われ、本気でバンドをやっている」のがここまでの話で充分にわかっている井芹仁菜であるからこそ、大きな感動を生んだといえます。
何よりさりげない描写で、バンド仲間達の絆が深まっているところが覗くのがなんとも素晴らしい。言葉で説明せずともマブダチになっていっているのがわかる…見ごたえのある映像作品です。

残り話数も少なくなってきましたが、ここからの加速にも期待大、ですね!


これまでのガルクラ感想記事です。


私もルパさんに抱きつかれたい

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