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ガールズバンドクライ第8話感想…全てをさらけ出す、怒りも、愛も

昨晩、ガールズバンドクライ第8話「もしも君が泣くならば」が放送されましたね。予想通り、素晴らしい回でした。

高校生桃香さん、僅かなシーンで仲間に慕われてたのが伝わりましたね

第8話・あらすじ
ライブを経て、対立していた仁菜と桃香はさらにヒートアップ。お互いの想いをぶつけ合う2人。仁菜は本気でプロを目指すため退路を断つ。このままゴタゴタが続くようなら辞めると智は言う。そんな中、バイトを始めた仁菜のもとに桃香が訪れる。
(dアニメストアより引用)

この作品は仁菜と桃香の出会いから始まり、音楽を通じて人生観を描いている物語だと感じていました。単純に、「二人がどの方向に向かうのか」というのが大方の視聴者の関心だったと思います。

・家庭環境、人間関係を捨て去り新天地で見返そうとする仁菜
・挫折から都会を離れ、地元に帰ろうとしていた桃香

話の中心になる二人として境遇が対照的に見えますが、実は「負けたのでやり直し」をしようとしていた、という点では共通しておりそれが波長の合う関係になっていく所が序盤でした。
しかし今回、もっと根源的なぶつかり合いが待っていたんですね。

逃げる事=負ける事?

バンドを辞める
予備校を辞める
実は二人とも、仲間の中でもがいているのではないでしょうか

「逃げるな」「うるせーな」という喧嘩が続く序盤ですが、ここがまた面白い。私的にはやれやれといった感じで眺めるあとの3人も含め、もう答えが出ているんだよな、という場面に見えました。この二人に足りないのは、もっともっと、本音で語り合うことだったのだと思います。
この二人はお互いが、家族や仲間から逃げた過去がありその先で出会った理解者なんですね。替えられないものがあることは、1話、路上で「空の箱」を演った場面で出来上がっています。互いが、こういう相手を探していた訳です。

嫌いな相手とこんなに顔、近付けませんからね

桃香は仁菜だけでなく、あとの3人もまた理想的な仲間だからこそ戸惑っているのだと感じました。それゆえに前バンドの結果を繰り返したくはない。しかし仁菜は、それを過去の失敗から怯えているのだろう、と桃香を諫めている訳ですが…。

表面上に見えるものより、ずっと複雑な事情、感情が蠢いているのがこのアニメの凄いところです。
桃香さんは今回、冒頭でダイダスメンバーに高校中退を促した、中心人物が桃香だったことが語られてその後の経緯を含め
「また別のバンドでプロを目指す資格なんて、自分にある訳がない」
この気持ちの重みが今までで一番強く圧し掛かってきました。
実はトゲナシトゲアリの人気も着実に上がっていること、すばるちゃんに言われるまで知らなかったようなので本当にバンドの行く先から目を逸らしていたのが解ります。
これは、見方を変えると徹底的に仲間思いな優しさをも映しています。
だからこそ、「桃香さんに負けて欲しくない」という仁菜の気持ちに、こちらも強く乗っかっていけます。

決して悪くないですし、弱くもないんですね桃香さんは。
何故なら「辛いことを知っている人間の方が、それだけ人に優しくできる」からです。それは弱さとは違うと、別作品のキャラが言っていましたよね。

ダイダスのメンバーもヒナ以外は、桃香を慕っているのがわかりました
きっとここまで来られたのも彼女の手引きだと思っているんでしょうね
アイドル路線の桃香さんも、イケてたと思うんですけどね(笑)。
高橋留美子先生のように「世に受けるものが、私の描きたいもの」と言えれば
無敵だと思いますが、それは難しい永遠のジレンマなんですね…

ただの世間知らずじゃない、人生綱渡り娘

今回、仁菜は桃香の二度目のバンド脱退を思いとどまらせるために全力でぶつかっていきます。予備校は本当に辞めて、桃香のぶんギターを練習し始めていたりとその「本気度」は計り知れませんでした。

ギターを始め、バイトも始めた仁菜。
しかしどちらも、適性は感じられませんでしたね(笑)

吉野家でのシーンで、ルパさんの音楽をやる理由が仄めかされたのも衝撃的でしたよね。智ちゃんとの「また終わりね」「始まりですよ(笑顔)」というやり取りには途方もない器の大きさも感じましたし、この場面で仁菜が吐露した過去の心の傷は、桃香を押し返す迫力がありました。
本当に、キャラクターの厚みがある作品です。
…とことんフォローに回ってるすばるちゃん、幸せになって欲しい(笑)。

今回の後半は、もうアレコレ言う必要も無い圧巻の展開でした。
仁菜にとって桃香が、桃香の作ったダイヤモンドダストの音楽がどういう物だったのか、それを守るためなら死んだって構わない。この8話まで描いてきた各々の激情を、因縁の現・ダイダスの前でぶつけ合うという…

見方によってはまさに「決戦前夜!」のBパートだったんですね。
下手なバトル物より、よっぽど熾烈な戦いでした。

どちらかが逃げようとすれば引き留める。
お互いが助けを求めているみたいです
今も昔も、学校におけるいじめ問題はさまざまな人間の闇市ですね
私もそれを作品に描きました、トップページに貼ってある作品です
誇張ではなく、「命を救われた」
憧れの人に直接言えるのは幸せだとも思います
人生の分岐点でこの二人が出会った事実、ひたすらに美しいですね



バンドアニメで出る絵じゃないですよねコレ
仁菜が超怪力でワゴン車を投げ飛ばした、ワケではありません

あとの三人を置いておいて、今回は主役2人にフォーカスしてひたすら思いをほとばしらせた…そんな「もしも君が泣くならば」、最終的には2人とも泣きましたね。タイトル回収も、まとめ方も見事でした。
それは…

気丈に振舞ってきた桃香さん、
仁菜から愛の言葉をかけられ、ついに涙腺決壊です

締めが、仁菜のストレートな「愛の告白」だったことです。
なんとここまで来て、音楽や人生すら超越して「好き」で終わらせてしまいました。実は桃香さん、ずっと孤独を感じていて一番欲しい言葉だったのでは…と感じました。

最初から思っていましたし、アチコチで言われていることですが
「仁菜を音楽に引きずり込んだのは桃香だから、責任を取るべき」という考えがまず、ありますよね。
しかし今回のエピソードで、
「桃香の心を奪ってしまった仁菜も、責任を取るべき」に変わった…のではなく、追加されました(笑)。
もうシェアハウスで二人で住むべきでしょう。


ぼざろもそうでしたが、バンドアニメの8話は神回の法則があるんでしょうか。
いよいよ終盤に入っていきますが、この支え合う上京姉妹に幸あれ!という気持ちで「応援」していこうと思っています。
期待を裏切らないどころか越えてくるこの作品、熱いです!


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