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ガールズバンドクライ第7話感想…欠けたまま、前に進む5人のはぐれ者
昨晩、ガールズバンドクライ第七話「名前をつけてやる」を観て昂ったので、それを綴ろうと思います。
これまで、奇数回はライブシーンで締める、というのが続いていて今回もそうだったのですが、この7話のライブが最もロックしていて曲と違うところが面白いな、と感じました。
「危なさ」が面白さ
何度か記事にしていますが、私は90年代からX JAPANファンであります。2008年の復活公演、東京ドーム3Daysに3日とも参戦しました。もう四半世紀以上のファン歴がある訳ですが、このバンドについては「安心出来た」時期がほぼありません。常に「大丈夫なのかな」と思い続けています。
それについては別の記事で触れていますが、今現在もその大丈夫かという思いの真っ只中にあります。なので、長年ファンでいる身として「早く安心したい」という気持ちよりも、こういうグループだから受け入れるしかない、と思うようになっています。
今回のガルクラ7話で、改めて「プロを目指すか否か」で不和が生まれ、舞い込んだライブの機会の意味が変わってしまう…という様子が描かれ、
「こいつらX JAPANみたいだな、まさにロックバンドだ」
と思ったんですね。
ファンの間では有名な話ですが、X JAPANの最初のバンド名は「X」でした。正式な名前が決まるまでの(仮)としてXにしていたのですが、一文字だと目立つからこれでいいんじゃね、とそのまま行ったそうです。
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桃香への怒りがハッキリと出ていますね
バンド名を即興で、目についた観客のTシャツからそのまま取って決めてしまうといういい加減さ、でも振り返るとロックバンドってそんなもんかと思ってしまう謎の説得力。
5話のライブでは笑顔で弾いていた桃香が俯き、仁菜や他のメンバーと目を合わせないように弾いているバンド内の不協和音。勢いでライブ自体は盛り上がっているけれど、この5人の演奏には少し触ると崩れてしまいそうな脆さを感じる…。なかなか、バンドものアニメでこの「危うさ」を描いたものは無いのではないかと思い、それは何年もそんなバンドを観て来た私自身に強く共感をもたらすものでした。
ある意味非常にストレスがかかるのですが、そこから生まれる音には強烈に惹きつけられたりもします。音楽にはそんな性質(タチ)もあるんですね。
新メンバーの過去が、これまたロック
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お前のような吉野家店員がいるか
前回、二人で仲間入りしたキーボードの智ちゃん、ベースのルパさんですが、今回移動中のシーンで過去が語られ相当に重いものを背負っている事が判りました。二人が音楽に賭けていることが充分すぎるほど伝わったんですね。この二人に「一緒にやりたい」と思わせた仁菜たちのライブパフォーマンスも相当なものだったんだなと感じさせますが、キッカケになった桃香があまりにアクティブな4人の仲間に戸惑っている…そんな感じです。
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ルパさんは最年長らしい役回りです
遅れて入った二人ですが、その境遇からこのバンドにメチャクチャマッチしているな、と感じさせる第七話でしたね。智ちゃんには親を見返して欲しいし、ルパさんはバンドのファンを増やして欲しい。そして、吉野家バイトも続けて欲しい(笑)。
改めて感じる、音楽ものの熱さ
90年代に、あるビジュアル系のボーカリストが言っていた言葉に
「バンドの仕事はライブだ。CDを出す事じゃない」
というものがあります。
そのバンドはCDも売れていた有名バンドですが、ライブでの演奏のみでレコーディングされていない曲もいくつかありました。CDよりも、ライブに重きを置いていたことが解ります。私の友人もまた、別のバンドのファンでしたが
「ライブに行ったら、もうCDじゃ物足りなくなる」
と言っていました、これは90年代の話です。
ご存じのように、インターネットが普及していなかった90年代はCDセールスの全盛期で毎月の様にミリオンヒットが出ていました。なので、ライブよりもレコーディング重視、CDを売る事がメインのアーティストもいました。「スタジオバンド」などと、揶揄されていたこともあります。やがてネットが浸透しCD販売に陰りが見え始めると音楽を生業とする人達はライブ・コンサートを活動の軸に据え始めます。「スタジオバンド」の時代が終わったんですね。
しかし上の話の様に90年代に「生演奏」が下火だった訳でもなく、結局どんな時代でも「ライブ」の魅力は変わらないというのを感じています。
今、新進気鋭のアーティスト、Adoのファンでもある私ですが、彼女も元々自宅で録音するスタイルで世に出てきた存在でありながら、メジャーデビュー後は精力的にライブを行っています。
「歌って生きていくなら、お客さんの前で歌ってナンボ」
という意識があるのだ、と感じますね。
話をガルクラに戻すと、このアニメは特にライブシーンで曲を聴かせるだけでなく、キャラクターの感情を表現している「音楽アニメ」だと思っています。「3DCGでライブシーンを格好良く描きました」という領域を超えて「彼女たちを見て!」という熱さを感じるんですね。これは元々このプロジェクトがトゲナシトゲアリという現実のバンドから始まっていて、アニメが副次的な存在であることも手伝っていると思いますが、
ライブは自己表現であり、自分を伝える絶対の手段
だと実感出来る作品です、本当に毎回面白い!
次回、8話は仁菜の決断もあり絶対に一悶着あるドラマ回になりそうですが、まさに「目が離せない」ですね。
楽しみです!
6話までの感想も書いています。
「逃げてもいいんだよ」と言いがちな今の世の中に、中指立てていますよね。この青臭さ、愛おしいです。
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