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ガールズバンドクライ・前半感想…生き方に迷う女子達が奏でる「ライブアニメ」

この春、視聴している唯一のアニメ「ガールズバンドクライ」ですが、折り返し?とも言える6話までが放送されましたね。

ちなみに私も初めて都会に出てきた時、24時間営業の牛丼屋に衝撃を
受けました。仁菜ちゃんが吉野家にハマるのもわかります

遂に揃った、川崎の問題児たち

6話にて、吉野家バイトの智、ルパの二人が仁菜たちのバンドに興味を持っていたことを打ち明け、音合わせへと繋がります。これにてオープニングに集まっていた5人が揃い、「トゲナシトゲアリ」の形が出来上がりました(バンド名はまだですが)。

吉野家コンビも、桃香と似たような状況だったのですね

これまでは、それぞれに事情アリの三人がドタバタしながらもバンドの形になっていく…な話でしたが、今回でメンバーが揃い第5話で明確に提示された目標、桃香の古巣である「ダイヤモンドダストに勝つ」に向かい動き出す感じです。キャラの描き方が上手く、ここまでのドタバタもかなり面白かったのですが。

やはり仁菜の荒ぶるキャラ、仁菜の姉役桃香、その二人の間でバランスを取るすばる…と衝突を描きながらその立ち位置がハッキリしているのがキャラの魅力を引き立て、物語の推進力にもなっているかと思いますね。4話のすばる祖母回では、「やりたくはない女優だけど、おばあちゃんを喜ばせたい」というすばるの事情が、見る角度を変えるとバンドにのめり込んでいく性格も表現しており見事でした。

「好きなこと」へのスタンス

しかしここで、
「バンドでプロになり、成功することを目指すのか」
と、
「ただ自己表現のために楽器を鳴らすのか」
という相反する方針が課題として鮮明になってきました。これは、決して憎かったわけではない仲間と決別した桃香の話で、彼女が年長者でバンドのリーダー的存在であるからこそ、5人であるならば足並みを揃えなければいけない部分でもあるんですね。

ルパの台詞が、今回は一番響きました

吉野家コンビも同じ問題と向き合っており、本心を表に出さながちの智に対しルパが

「損するくらいなら、今のままでいい。辛い思いするくらいなら、今のままでいい。それは決して悪い考えではないと思います。ただ、それなら、あれは剥がしてください。滑稽です」

と、目標・武道館を掲げた写真に向け言い放ちます。
ここに、この作品のメインテーマが詰まっている気がしました。仁菜は個人的怨恨から突っ走りそうな雰囲気ですが、やはり桃香のギターなくして彼女も歌えないと思うので、最重要課題ですね。

闘牛士桃香がカッコいいですね

おそらくこの作品は、「失敗、判断ミスをものともしない主人公」と「過去の事に引っ張られ迷うもう一人の主人公」がお互いを救い合う物語なのではないかと、個人的に感じました。
自分の音楽で救われたという生粋のファンによって、音楽での道を見失っていたギタリストが立ち直る。この先の着地点として、私はそれを期待しています。ダイヤモンドダストは宿敵ではありますが悪事を働いているわけではないので、どういう落としどころになるかは注目ですね。

効果的な3D⇔2D

今回、「制服着てみるか?」という人気の為の桃香の提案で一瞬だけイメージ映像になりますが、そこだけがCGから手書きでした。確か前回も男性バンドマンが手書きだったと思います。このアニメ、基本的にはずっとCGですがたまにこうして普通のアニメな絵を入れてきて少し驚かせても来ます。つまりフルCGアニメですよ、という点をウリにしているのではなく、キャラを魅力的に見せるためには両方使っていきます、というスタンスの作品なのだろうと思われます。CGにしているのはライブシーンのカメラワークに柔軟性を持たせるためだと思いますが、それ以外のシーンでも細やかな動きにCGの持ち味が見て取れたりもします。ライブハウスの店長に向けて仁菜が小指を立てる場面、動きが面白かったですね。

仁菜の破壊衝動を表現するのに、CGは適正ですね

そういう感じでやはりキャラが良く、テーマもあって面白いバンドアニメ。
ガルクラは今後ますます楽しみですね。
ともかく桃香さん、仁菜にロックを叩き込んだ張本人ですからちゃんと責任を取って、最後まで面倒を見てあげて欲しいです(笑)。

バンドアニメの肝、楽曲のクオリティも高く毎週ライブシーンが楽しみでもあります。

1話では路上でほぼ直立不動で歌っていた仁菜が、すっかりロックボーカルの風格を持ってフロントマンを務めています。
とにかく動きが格好良い!

仁菜&すばるは、桃香にとって最高の仲間なのでしょうね
それゆえに、彼女の心は揺れているのかもしれません


ここから後半に入っていくガルクラ、ますます楽しみですね!

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