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ガールズバンドクライ第9話感想…エアコンも、心の壁も壊していく

昨晩、ガールズバンドクライ第9話「欠けた月が出ていた」が放送されました。まさにロックバンド、という感じのこれまた名エピソードだったと思います。

親からの仕送りを切り、預金通帳まで返した直後の予告冒頭のこのカット。
これだけで全てが察せるのが凄すぎると思いませんか

ようやく見つけた戦闘集団

第9話あらすじ
過去の経験から、思ったことを口にするのが怖くなっている智は、バンドのメンバーに対してもなかなか本音を言えずにいた。ギターを練習中の仁菜に意見を求められ、ついキツイことを言ってしまうが、あきらめない仁菜を見て智の心境が変化していく。(公式サイトより引用)

今回のメインはキーボードの智ちゃんで、過去にバンドメンバーと衝突して喧嘩別れしてしまった経験から自分の意見を押し殺すようになってしまった彼女の悩みからスタートします。それが真にプロを目指す仁菜によって変わっていく…という物語でした。

いきなり総括してしまうと、トゲナシトゲアリのメンバーこそ、智ちゃんが探していた「一緒にプロを目指せる仲間」だったんだな、という話であり後から入った吉野家組の二人と、先の三人の距離が縮まったエピソードでしたね。

ちなみに私も昔、冷房のない家に住んでいて夏は避暑地を求め外を彷徨っていました
仁菜への共感ポイントは毎回のように出てきます
むしろ訪ねるあてが複数あるだけ仁菜は恵まれていると思うのですが
一人、お金持ちもいますしね
「酒キャラ」な桃香さんですがまだ二十歳なんですよね
おおっぴらには言えないんでしょうが結構前から飲んでいたように思えます

Aパートのドタバタ劇は夏の話あるあるでしたが、ルパさんの蹴りが見事でした。彼女の武器はヒップアタックだけでは無かったか。
うちのエアコンも壊れやしないかと心配になってしまったので、罪な作品です(笑)。

今回、智ちゃんが絶対音感を持っている(っぽい)台詞などがあり、彼女の音楽面での実力、それゆえに妥協できない性格などキャラクター性がより濃く見えてきました。と、同時に他のメンバーが「強い」ということも見えましたよね。

・元プロで挫折も知り、曲作り、ギター担当のリーダー桃香
・幼少期から芸能界を知り、厳しさを知るすばる
・音楽で命を救われているので、全てを賭けられる仁菜

・なんか知らんけど無敵のルパ

バンドの難しいところは、厳しい山を登っていくのに足並みを揃えなければいけないところで、2,3人でも難しいところを5人となればなかなかまとまらないのが普通ですね。紅ショウガという智ちゃんの前のバンド、ルパさん以外はそこまでの覚悟がなかったのだと想像出来ます。
そしてその「覚悟」というのは、キツいことを耐えられるか否か…ではなく、

「上手くいかないことを、楽しめるかどうか」

なんじゃないかと、今回の話で感じました。
あるベテラン俳優の方の言葉で、「人生、思い通りにいくことなんて2割くらい」というものもありました。芸の世界で生きている人ゆえに真に迫る言葉だと感じたんですね。そうすると、8割は我慢ってことになりますが、それはあまりにもしんどい話です。
プロの世界に挑むのであれば、思い通りにいかないから面白い、とまで感じられないと続けられない…それを共有できる仲間が必要だったんだな、というリアルなエピソードだと思いましたね。

ヘビを飼っているというのも、過酷な家庭環境から来る
独特の仲間意識の暗喩かもしれません

仁菜はギターの腕について苦言を言われても「本音を言ってくれた」と嬉しそうでしたし、桃香は曲について意見され笑顔で「だよな」と返しました。二人とも智ちゃんの実力を知っているからこそ、一緒に音楽を創る仲間として信頼されたことが喜ばしかったのだと思います。

前回の壮絶なぶつかり合いを経て、さらに今回で3+2だったバンドがはっきり「5」になった…そんな回でしたね。

連想されるのは、現実のロックな人達

今回のエピソードで私が思い出したのは、やはりこの人達です。

JAPANが付く前、です

X JAPAN、ではなくX、ですね。
ファンであれば知っていることですが、この人達、デビュー前は頻繁にメンバーチェンジを繰り返していました。プロ志向のYOSHIKIさんと温度差があったのでは、と想像できますが単純にあまりに破天荒だったのでついて行ける人がいなかった、というのも実情じゃないかと思っています。

先日、X JAPANに改名後のベーシストだったHEATHさんが亡くなりましたが、前任のベーシスト、TAIJIさんも13年前にこの世を去っています。

実力、ルックス共に唯一無二のベーシストでした

Xのセカンドアルバムまで、リーダーYOSHIKIさんに次いで曲作りに関わっていたのがTAIJIさんです。ベースの腕もさることながら、作曲センスがズバ抜けていたことが過去のアルバムからわかります。

個人的にTAIJIさん作曲で一番好きな曲は、コレです。
ベース担当ながらギタリストの二人に「俺には弾けない」と言わしめたTAIJIさんのギターがとても美しい、名曲です。

TAIJIさんは92年にXを脱退、真相は明かされていませんがメンバー間のトラブルだったことが断片的に語られています。
何が言いたいのかと言いますと、才能に溢れた人間が一緒にやっていくことは必ずどこかで衝突が生まれますし、またそれがないとワンマンバンドになりこれもまた上手くいかない。それはこのバンドの現状が指し示していると思うんですね。

そのバンドのリアルをしっかり描いたこのガールズバンドクライは、やはり根っから音楽が好きな、音楽をよく知る人達による作品なんだなと実感できた、それがこの第9話でした。

最強のメンバー5人が揃ったトゲトゲの行く先が、楽しみになりましたね!


ここまでのガルクラ感想記事です。


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