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小説・イラスト

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湖霧どどめが書いた小説とイラスト(たまに犬飼しじま名義もあるかも)。 湖霧どどめ作品については、最後あたりはnoteで購入かアルファポリスものなら飛べば読めます。 アルファポリス…
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#オリジナル小説

セルフコミカライズ1

セルフコミカライズ1

「どうか僕のいないところで幸せになりませんように。」
というタイトルの誰もかも不幸になるタイプのオリジナル小説を出したんですけど、深夜テンションでどうしても描きたくなって。
実はこの作品ゴリゴリの叙述トリックもので、このシーンなんかバチクソネタバレなんですよね。

それでもあえて言いますね。

次の文フリ(受かれば香川、落ちれば大阪)でも売るからぜひ買ってくれよな!!

水と怪物 第三部・後

水と怪物 第三部・後

 そうだ、まだ二日しか経っていないのだ。それなのにどこか冷静にはなっていて、少し不気味にすら感じる。これも、二日とはいえ時間が経ったからなのか。
 三宅さんは新しく届いた生春巻きに箸を伸ばした。それを、僕の小皿に乗せる。
「彼氏? は、どんな男なんよ。会ったことは?」
「無いです。写真は見た事あるんですけど、結構若そうな……多分僕の方が歳は近いんじゃないかなって」
 二つ目の生春巻きを僕の皿によそ

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水と怪物 第三部・前

水と怪物 第三部・前

第三部

 暗闇の中で、音が鳴り響いている。大きなその音は、どこか懐かしい気すらした。嫌な響きのはずなのに、鼓膜からそこへと引き込まれるようだった。引き込まれる、というより音に呑まれる、という方が正しいか、
「胎内記憶の一種やろね、それ」
 僕の感傷じみてすらいた吐露に、彼女は応えるかのように呟いた。その声はどこか掠れているけれど、比較的高めな……どこか、金属音のような印象だった。
「どういう事で

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水と怪物 第二部

水と怪物 第二部

第二部

 しんと静まり返っている、けれど清潔な部屋に通された。防音なのか、窓すら無い。
「いやあ、暑いですね。七月にもなると」
「ええ、ほんまに」
 椅子をすすめられ、腰かける。それを確認して、紳士はボイスレコーダーを起動させた。その辺りに関しては、事前に説明を受けていたのでさして気にもしない。
「この度はご足労頂きありがとうございます。ああ、お飲み物はどうしましょう。紅茶か、コーヒーか」
「じ

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