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moridonqui
2024年6月2日 23:42
急逝されたコンマスの代理も決まり、お嬢様の妹さまの参加となる。ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、さらにホルンもサポートメンバーが加わり、本番前日のゲネプロは実に重厚な音が構築された。特にティンパニとトランペットは、ベートーヴェンならではの音を創り出していた。そこまで冷静でいられたわけではなかったが、音の厚みで少し気楽に弾けたのかもしれない。迷ったり立ち止まったりして、ここはもっとできるな、と
2024年5月5日 15:27
3月最初の合奏練習直前、委員長からメールが届いた。2日前の夜だから当日の注意事項か、次回の演目が決まっていないからアンケートくらいに思って気軽に開いてみたら、目を疑うような知らせだ。コンサート・マスターが、突然亡くなられた、とご家族から連絡があったという。2週間前の練習には、もちろん普通にお元気に参加して、いつものように僕たちをリードしてくださっていた。まるで当たり前のように、そこにいる彼を、み
2024年4月24日 01:04
2月には僕が入団して初めてのパート練があった。チェロパートは6人で、僕が一番の駆け出しだ。自分の音に自信がない。せめてもの救いは、午前中に合奏練があってから、午後にパート練だったことだ。パート練の先生が指摘することで最もヤバいと思ったのは、右腕、つまり運弓だった。僕のような合奏初心者はどうしても音程を気にしてしまう。音は左手が大事だという思い込みが染み着いていた。それが、違うらしい。オケでは
2024年4月18日 00:03
1月、いよいよ本格的に合奏練習が始まる。指揮者からキツく言われたのは、強弱の次にリズムだ。駆け出しの僕からすれば、第3楽章から第4楽章が、早くてオロオロするところが多いのだが、第1楽章のリズムは、プロでも難しいのだとか。3拍子がどうしても2拍子になりやすい。メトロノームを使って毎日練習を、と言われても。ただ第7番をよく聴いてきたからこそ、指揮者の言ってることがわかる。それだけでも、相当なアドバ
2024年4月6日 11:51
12月の定期演奏会を無事に乗り切り、次回半年後はいよいよベートーヴェン交響曲第7番、となった。練習日程が発表され、年内に初めての合奏練習があった。もちろん、自分なりに準備はしたが、弾けないところが多くて落胆。それでも今まで指揮者からはモーツァルトの話ばかりだったので、ベートーヴェンの話は新鮮で衝撃だった。弾けるかどうかよりも、初めて知ることばかりで楽しかった。それはパート譜を見た時から、
2024年3月26日 09:47
僕がご縁をいただいたアマオケに入団したのがおよそ一年前。お誘いを受けた2022年12月の定期演奏会で、ベートーヴェン交響曲第2番を聴いたのがきっかけだった。ベートーヴェンの交響曲9作品の中で、第2番はマイナーでありながら、革新的な第3番『英雄』が生まれる直前に位置する、意義深い作品だと思う。古典派の演奏を主流とするこのアマオケでは、ロマン派の演奏は常に議論の的だ。定期演奏会の演目決めは、センシ
2024年3月24日 21:50
ベートーヴェン交響曲第7番イ長調作品92。次回の定期演奏会のメイン曲。この半年間、練習するたびに、ベートーヴェンの魂に触れ、生きている喜びを実感する。出会いは『のだめカンタービレ』のはるか前、1989年頃のことだ。浪人していた僕は、予備校に行く間も勉強する間も、ウォークマンを手放さなかった。当時はアップルミュージックもスポティファイも無く、たまたまいつもと違う曲が聞きたくて、たぶんNHK