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現代長歌

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「現代長歌」
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2021年5月の記事一覧

日輪の沈黙 11

日輪の沈黙 11

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

第四章 おい鐘が鳴っているぞ
 「ペンテコステ」

青天の下に芽吹いた夏の葉を抱えてペンテコステの日本

日輪の沈黙 10

日輪の沈黙 10

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

鼓動
 許されない過去があるから許したいこころの鎖我が身を縛る

 震えれば記憶にすめる幾とせの寒さに耐えて咲く花のある

日輪の沈黙 9

日輪の沈黙 9

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

第四章 おい鐘が鳴ってるぞ
 暁鐘
陽に染まり寄せくる波は弱々と岩に砕かれ白波となる

日輪の沈黙 8

日輪の沈黙 8

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

第三章 水死
 神の紐帯
  「女として股を開いて死ぬなんてできませんわ」帯紐を固く結んで我々は船から落ちた
  ・・・・・・
  反歌
  ・・・・・・
  反詩
  ・・・・・・
  反歌
  解けえぬ神の紐帯我々の秘した接吻の生死の彼岸

日輪の沈黙 7

日輪の沈黙 7

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

花と魚(花)
 「かたち(創世記一章二十七節)」

 ひととせは死者の上にて実りゆく行きつつかむろは火を灯す
 ・・・・・・
 ひねもすは生者の内で満たされず空きつつかむろは水を汲む
 ・・・・・・
  反歌
 ほととぎす鳴きつる方の月影の濁りも酔い明けたちゆく紫煙

日輪の沈黙 6

日輪の沈黙 6

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

花と魚(花)
 「天晴れ」

 御世新たに高御座よりお言葉を賜いたりし
 万歳の三唱は晴れ諸国の前我ら
 天皇陛下は日本国象徴にして御立ち遊ばす
 ・・・・・・
  反歌
 ・・・・・・

日輪の沈黙 5

日輪の沈黙 5

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

花と魚(花)
 「立ち経て生き在る」

 雨後の道紅立葵が露を今一つ二つと落としゆく
 「神とは何かを考えた事はあるかい?」
 ・・・・・・
  反歌
 全くに分からんと我が脳髄に「YHWH(聖四文字)」が爪先より立つ

日輪の沈黙 4

日輪の沈黙 4

【続報】
『日輪の沈黙』上梓致しました。

花と魚(花)
 「二〇一八年十二月二十三日」

 頭にしたたる水の感触を確かめる
 然り然りと胸の内神は赦された我が罪は
 ・・・・・・
  反歌
 ひとときに命の全てを神により祝福さるる嗚呼我はクリスチャン

日輪の沈黙 3

日輪の沈黙 3

【続報】
 『日輪の沈黙』上梓致しました。

花と魚(花)
 「荒魂」
 ・・・・・・
 森が揺れ伊勢の百舌鳥の森が揺れ揺れる揺れる
 すめらぎの御魂輝いて我独り涙とむすびを食んで佇む
  反歌
 喫んだ焔は身を滅ぼした嗚呼けぶり血のなき肉から幕屋より立つ

日輪の沈黙 2

日輪の沈黙 2

【続報】
『日輪の沈黙』上梓しました。

花と魚(花)
 「あめつち」
影法師闇夜の中で曼珠沙華を
刈り入れ地には幾本かの花弁が落ちる
・・・・・・
 反歌
皇紀ニ六七九年の春御世の残りも朝の御光

日輪の沈黙

日輪の沈黙

【目次】
 第一章 死者の埋葬
  第二章 花と魚(花)
   第三章 水死
    第四章 おい鐘が鳴ってるぞ
   第五章 火の説教
  第六章 花と魚(魚)
 第七章 日輪の沈黙

【現代長歌】
  「こんな時にあなたは煙草を吸うのね」と
  火葬場の雪、火種の赤、白いけむりに横顔の
  「煙草ぐらいは好きに、いや」
  灰皿に押し付けて消しーーシュポッと時が訪れて
  「気を落とすなよ。君

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ポケットに書を【息遣い】

「ねぇ肺が・良ければ走ると・いうことを・してみたいわ・」物語を・取り込んでいく・
「俺はさぁ、・煙草をやめたのは・二十歳なんだ」と・痕(やけど)を見せて・君は誇る・
文庫本を・ポケットに入れ・「100万だと?・悪友にしては・安いじゃないか(笑)」・
肺胞は・怠惰の記憶を・残していて・「今じゃ息子が・隠れながら・吸っているよ」と・
冗談と・受け取って「じゃあ・これを息子さんに」と・ーー
漱石の・「こ

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ポケットに書を

「ねぇ肺が良ければ走るということをしてみたいわ」物語を取り込んでいく
「俺はさぁ、煙草をやめたのは二十歳なんだ」と痕(やけど)を見せて君は誇る
文庫本をポケットに入れ「100万だと?悪友にしては安いじゃないか(笑)」
肺胞は怠惰の記憶を残していて「今じゃ息子が隠れながら吸っているよ」と
冗談と受け取って「じゃあこれを息子さんに」とーー
漱石の「こころ」を渡す「先生」のように人は罪人なのだ

反歌

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