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「損害賠償責任」が生じたら・・


|損害賠償責任って・・・

「損害賠償責任」ということを耳にしますが・・・

損害賠償責任は、不法行為を理由にその発生した損害について加害者・原因者に損害の賠償を求めることですね。言い換えると人に怪我をさせたり,迷惑をかけた場合、そこに発生した損害を相手方の要求に基づき賠償しなければならないというものです。

|被害は救済(補償)して欲しいよね

TVニュースでも、交通事故や飲食店等での迷惑動画を上げる行為をした事例が報道されていますよね。
そして、刑事事件として捜査し、検挙されたということも報道されていますが、このような事案では、被害者もしくは迷惑を受けて損害が生じた人は、加害者に生じた損害を賠償して欲しいですよね。

|民法の規定では

このような事案などに対応するため、民法では「不法行為責任」(第709条)について、「故意または過失によって、他人の権利や法律上保護される利益を違法に侵害した場合、その損害を賠償する責任を負う。」ということを規定しています。

(筆者撮影)

つまり、不法行為を行った者の責任として、生じた損害を賠償しなければならないのです。

この不法行為のなかには、交通事故やケンカなどのように刑事事件として問議される事案もありますが、損害賠償責任は刑事事件になった行為だけではなく、何らかの不法行為により被害を与え、もしくは迷惑をかけてしまった場合には生じた損害を賠償しなければなりません。

たとえば、
・役所に営業許可の営業許可更新申請書類の提出を頼まれた人が、提出するのを忘れてしまい、その結果、依頼主(依頼した人)が受けている許可の更新申請手続きが期限に間に合わず許可が更新されず営業ができなくなった。という場合、依頼主としては大きな損害が生じますよね。

忘れたということは過失かもしれないですが、迷惑をかけ損害を発生させてしまったわけなので刑事事件ではないが損害を賠償することになります。

|損害賠償責任は金銭で行う

民法の規定(第722条、第417条)では、不法行為による損害賠償は、損害を金銭に評価して賠償する金銭賠償を原則とします(同722条①、417条)。
ただし名誉毀損については、裁判所は被害者の請求により損害賠償に代えて、または損害賠償とともに名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができるとの例外規定があります(同723条)。

(筆者撮影)

|損害賠償の対象は誰?

一般的には加害者、つまり損害を与えた者が被害者に対してその損害を賠償することになります。

加害者になり得るのは、個人と法人があります。
個人であれば本人、法人(会社)の従業員が業務に関して行った不法行為の場合には本人及び法人や内容によっては役員等監督責任を有する者も対象になります。

 |未成年者の場合には

未成年者本人はもちろんですが、その保護者、親権者などが損害賠償責任を負うこともあります。一般的には未成年者が行った不法行為に対しては,未成年者本人と親権者などが裁判も訴訟の対象になったり,親の責任として連帯して補償する場合があります。

民法(第714条)では、未成年者自身が責任能力を欠き不法行為責任を負わない場合には,その親などが監督義務者等として損害賠償責任を負うことになります。
これは,発生した損害の公平な分担の理念から当該未成年者に責任を追及できない被害者の救済を図るために,監督義務者である親などの責任を加重して責任を問えるようにしたものです。
また、 連帯保証人などがいる場合には、その保証人にも賠償責任が及ぶことも。

|損害賠償額はどう決める

損害賠償額は,民事裁判により賠償(補償)額を確定させる方法と両者が話って和解合意(示談)する方法があります。
任意による示談や和解を行う場合に、損害の対象とする項目(物の破損修理等の実質的な被害金額のほか、慰謝料、迷惑料など)の算出などでの両者の意見や見解の相違などにより、個人間ではかなり困難であろうと思います。
弁護士などによる示談交渉や、和解示談が成立しない場合には訴訟(民事裁判により確定させることになります。 

(筆者撮影)

|まとめ

損害賠償は、交通事故や権利の侵害、迷惑行為などによって日常的に発生する可能性が高いです。

自動車による交通事故は自賠責保険や任意保険に加入することで、自転車事故などは自転車損害賠償保険(いわゆる自転車保険)や個人(日常)賠償責任保険などに加入することで万が一損害賠償責任が生じた場合に対応することができるものがあるので、自分や家族が不法行為責任を負わないように生活するよう心がけるとともに、万が一のために損害を賠償する保険の加入をしておくべきですね。

サイクル安心保険より



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