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ウェールズでの半年。

皆さんは半年前、何をしていましたか?

上半期が終わったわけでもないのにこの質問をした理由は僕がウェールズに来てから半年が経ったからです。
半年って短いようで長いようで、でも人が成長するには十分な時間だと思うし、同じ学年での自分の立ち位置とか、みんなのキャラクターとかをほとんど理解してる頃だと思います。

そんな中、僕は、成長できてるのか?
ということで今回は僕自身の振り返りをしたいと思います。

9月に始まった1学年も4月中旬が期限のレポートが終われば終了である。コーチングの授業や、アナリシスの授業など、サッカーに関する様々なことを学んできた。ただこの業界で活躍するためには絶対に経験が必要である。そんな経験を積むために多くのクラスメイトたちがプレイスメント(インターンのようなもの)を授業外で行っている。コーチとしてのプレイスメントをする人もいれば、分析官としてのプレイスメントをする人もいる。育成年代を担当する人もいれば、女子チームをする人もいる。ここでのアクティブさでなんとなくその人達の能力だったり、本気度がわかる。

プレイスメント

僕はPontypridd United academy(ウェールズ一部)へのプレイスメントを11月からしている。
仕事内容は週末の試合での分析官がメインで、さらに週2回のトレーニングでのアシスタントコーチを行っている。僕はU14とU15の担当である。 
U14は全ての試合で勝つことが前提であるくらい強いチームで、3-0で前半を終えたハーフタイムに俺たちのスタンダードには程遠いパフォーマンスだ!とコーチが喝を入れることもあった。U15は僕が担当し始めた直後に監督が移籍してしまい、そこから年始までは後任が決まらず、宙ぶらりんな状態であった。順位も下から2番目という状況で、立て直しが新監督の元で始まった。こんな対照的な2チームを経験できてラッキーなのかもしれないなと感じています。

分析


分析官としての仕事は試合日の撮影、試合中、試合後のフィードバックがメインである。
Focusというソフトウェアを使い、データやクリップを撮っている。そこでとったデータをExcelやTableau(※)を使い視覚化し、PowerPointにクリップと組み合わせてプレゼンを作る。コーチが試合後、ここがダメだったと言っていたことも、データ化してみるとそこまで悪くないなんてこともあるので面白い。
U14ではデータはあまり使わず、シンプルなクリップとコーチの解説がメインのフィードバックであることが多い。対してU15ではデータを使い、試合の流れやプレーの傾向を解説し、そこからそれに関連するクリップでのフィードバックを行う。僕としては後者の方が質の高いフィードバックだと思うが、選手の年齢や関心などを考慮して、フィードバックを構築するべきだと思う。

(※)Tableau データの可視化に特化したアプリ。

U14用のクリップ

アシスタントコーチ


週に90分を2回×2年代ということで360分、僕は選手の練習に帯同している。
ただ僕がコーチとして働いているのはその20%もないだろう。ほとんどボール拾い要員である。これは僕の消極性と役割が原因である。英語でのコーチングにはまだ不慣れで、13-15歳が相手ではあるが、なかなか声をかけれないことが多々あった。また基本的に僕の役割はリードコーチではなく、アシスタントコーチなので、全体を見て練習を仕切ったり、指示を出すわけではなく、練習がうまく回るようにセットアップを手伝ったり、玉拾い、球出しをしている。中高部活出身の僕にとっては得意分野である。ただこんな単純作業を繰り返している間にも、リードコーチとして経験を積んでいる人たちはいるわけで、どこかこれでいいのかと感じていた。

分析官とコーチング

U15では選手へのフィードバックの頻度と質をあげることを目標にUnit analysisという、ポジションごとの分析が始まった。監督から大まかなトピックが与えられ、それに関するデータやクリップを作成し、ポジションごとの分析セッションを行う。この分析セッションではコーチ陣、僕、選手が自由に意見交換をする場としている。クリップを流し、該当する選手になぜこのプレー選択をしたのかを解説させたりすることで、コーチや分析官が常に主導するわけではなく、選手主導と組み合わせたセッションになっている。このセッションでは選手からの質問であったり、選手へ質問したりと、全体への分析よりも双方向の露出が多く、消極的になりがちな自分や、控えめな選手も自然と口数が増える。またこのセッションは練習の直前に行われるので、改善点を伸ばそうとする選手の姿勢が直後の練習で見れたりもする。僕にとってもコーチとしてその日の練習で何に注目してコーチングをするかが明確になり、消極的だった僕もこのセッションが始まってからは、練習中に個々にコーチングする機会が増えた。最近はこのセッション中に選手に練習中でのチャレンジを伝えて、それに対して練習中にフィードバックするやり方が自分の中で良い形だなと感じている。中盤のセッションがあった時には、プレミアリーグの選手達のデータを参考に、10秒間で5回以上はスキャンをすること、また体の向きの改善を分析セッションで伝え、練習中に計測をしてフィードバックをした。その日の練習では選手達が顔を上げるように意識している姿が見れた。そしてこれが僕なりの分析官としてのコーチングかなと思えるようになった。

プレミアリーグの選手達の首振り頻度

番外編

ウェールズの天気

皆さんはイギリス、ウェールズにどんな印象がありますか?
雨、ご飯が美味しくないなどなどネガティブな印象がある方も多いかもしれません。
実際、天気は良くないし、ご飯は美味しくない上に高いです。自炊力は日本人がメンタルを保つためにも、経済的にもかなり重要だと思います。
イギリスで自炊をする上で不便なことは薄切り肉が普通のスーパーには売っていないということです。半冷凍したお肉を薄くスライスすればそれっぽくはなります。なので野菜炒めや生姜焼き、あとは焼肉とかは自炊メニューからは消えます。小麦粉系のものは日本と比べると比較的安いかなという印象です。
僕は元から料理が得意ではありますが、この半年間、一日3食の料理をしてきたので手際、あとは節約術を身につけることができました。
そんな僕が頻繁に食べているのは親子丼です。卵、鶏肉、玉ねぎは全世界どこにでも売っています。あとは醤油、みりん、砂糖、出汁をお好みの分量でタレを作れば10分もしないうちに安心できる日本の優しい味に!安い早い美味しいを兼ね備えた一品。 留学する皆さん、己の親子丼を確立してから旅立ちましょう。

醤油はテスコというコンビニ的なとこに売ってます。£7(1200円)くらいです。

こんな感じでだいぶ緩い記事でしたが、
読んでくださった皆さんありがとうございます。
周りの人たちは一つ目のプレイスメントでの人脈をもとに、二つ目、三つ目と数を増やしているので、少し焦っています。
これからはもっと積極的に、向上心をもって日々を過ごしていきます。
一年の振り返りではもっと濃い記事を書けたらいいな。
それではまた。

須藤優哉


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