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内水面漁業の活性化提言←川釣りはもっと注目されてもいいはず、という話

一般社団法人ClearWaterProject代表の瀬川と言います。
2013年に立ち上げて、最初IT×水辺、ということで色々水環境に関わる社会課題解決を目指してきました(経緯や何故?は別場所に譲ります)。

その一つの枠組みとして、インターネットやアプリで川・湖等の内水面(後述)で釣りをする場合に必要な電子遊漁券を購入できる「つりチケ」というサービスを展開し、組織としてはそれこそ内水面漁協に述べ1000回以上は訪問してきたかと。

その結果の実感値と分析から、内水面の釣りや現状の漁業・地域を変えるには法律含む制度変えるしかない、というのが結論で、変えるためのアクション始めました。


そもそも内水面って何?

まず。多くの人にとって、そもそも内水面って何?というところからかと。

「内水面」とは「海面」との対比で、陸地内の河川や沼、湖のことをまとめて「内水面」と言っています。(一般の方の感覚だと川、湖、沼を、一緒くたにする言葉ないと思うので、この後は「内水面」を使います)。
「内水面漁業」というと、河川・池・沼の淡水における漁業のこと。
海にある漁協=漁業協同組合とは別に、河川・沼・湖にも魚等生き物を獲る権利を持つ漁協があるのです。

で、内水面漁業はあくまで「漁業」で、川で魚などを生計や食として、漁 として獲る活動。
一方で、釣り(=漁業との対比語としては「遊漁」)というレジャー・観光に分類される活動もある。(研究としての生物採捕は主軸でもなく量も多くないので今は置いておく)。
ここでは、あくまで海の話でなく、「内水面」に限定の話として見てください。

内水面環境のどんなところが問題?

以下、アップした添付資料にもポイント記載していますが

  • 釣り業界の釣り人口は右肩下がり。釣り市場全般は2011年からしばらく上がっていたが2019年頃で頭打ち感(参照:https://baysidecouncil.net/archives/5183)(ただし海と内水両方入っている情報。また市場として考えたときに、単価向上により一定期間市場成長は可能なのでその効果もありそう。)。

  • 川釣りは遊漁券販売枚数ベースだと、5年毎に1割以上源(漁協が減った、販売店減った等もあるため人口減少のみではないが、現場の感覚値としては川釣り人口減で一致)

  • 漁協数や漁協組合員数は右肩下がり

  • ただし、日本の人口減少より明らかに減少幅が大きい。

ということで、川含む内水面の漁業も釣りは衰退し続けている、という状況。(細かく言うとワカサギや渓流と、鮎はまた違ったり、ふな、こい、うなぎ等も異なってきますが全般として)。

一般の釣り人から見た場合は、魚が釣れない環境が増える、地域の住んでいる方とのトラブル増える、それらで敬遠して釣りに行きたくなくなる。
釣り業界から見ると、市場が縮小する。
(事実そうなり続けている。)

ただ、この問題、自身・また弊社団としては
■漁業法規定の内水面漁協に対する「増殖目標」「都道府県知事による認可」「組合制度」「都道府県知事が権限持ってるようで主体的でないこと多い」等いくつかのポイントになる法・制度の問題。
■そもそも漁業法に「遊漁」「観光・レジャー」の概念がない(「漁業」法ですしね。)
■水産と経営の両方の観点が必要な漁場管理に、その場を良くするインセンティブ無い組合員に任せている状態。
 個人的には、①増殖目標という名のほぼ実質的な義務放流量=決められた生産活動あり ②遊漁料徴収権はあるが遊漁料は自由に設定できない=市場調整出来ない販売問題 ③組合員にその場を良くするインセンティブは無い(自分に返ってくる利益は無く公共のため) の3点セットは、「これ、過去に崩壊したソ連の社会主義制度そのままやん!」と思ってます。

という根本的な点に問題あり、と結論しています。

地域資源としての川の魚、を松茸生えている山を共同管理したように共同管理してきた文化を、漁業協同組合として明治に海の漁協と合わせて制度化した流れから始まり、1949年の当時の想定から組み立てた漁業法の視点が組み込まれたまま運営され続けてきた、制度疲労の極致の一つではないかと(たぶん行政が深くかかわる農林水産や教育分野等でも似たような問題内包していると感じてますが、その点はまた別機会)。
ただ、地域資源がその近隣住民に優先され活用されるべきなのは確かなので、共有財産としての管理される部分は重要で残されるべきだと考えてます。

川含む内水面は、生物資源(人間が対象に捕獲する魚等)が海より容易に減って無くなるため、資源管理する主体が必須である。
 →資源管理を、その地域で魚を取っていた人たち=内水面漁協に任せてきたが、環境要因変化とそれに対応しない制度及びその制度運営疲労により資源管理出来なくなっているところが大部分になっている。(地域の善意で成り立っているところが多い)。
  →新たな資源管理主体・方法に切り替え出来るよう整備することが必須。これの具体策は要検討ながら、A)漁協から経営感覚が必要な点(増殖目標と遊漁料徴収)を切り離せるようにする B)遊漁を漁業法と切り離す C)既存法のポイントとなる一部を修正し、水産庁・都道府県解釈も合わせて柔軟化 あたりが必要だと考えています。

問題解決のためにどんなことやってるの?

現在、水産庁、水産研究・教育機構、全国内水面漁業連合会、都道府県、釣り市場業界(メディアや釣具メーカー、販売店等)、国会議員等様々にあたっているところです。
ただ、一通り当たった感触では、「自分達以外がどう言うか」という、問題意識は持ちつつも対応主体でないため簡単には動かせなさそうと皆感じていました。特に制度運営主体になる行政や議会においては、社会で問題だと認識され議論されている状態であることが動くにも重要、と意識されてました。
そんな意識を一通り確認したので、「社会で課題として議論されている状態」を作るために、第一弾として本記事アップしました(ほぼ言いたいことは資料に書いています)。

今後、資料の中身をそれぞれ文字化していきたいと思いますが、まずは発信していく必要があると考えて記載しておきます。

今後の具体的に必要な事としては

  • 学会等研究の場での具体的な問題点の事実提示と共有

  • 雑誌や新聞、記事等一般認知度の高い媒体で課題を取り上げてもらう

  • その状態を増やすために、多くの人にこの課題と解決案を知ってもらう(少なくとも可能性無いと思っている人が多いのでは、と感じる。けど個人的には解決できる問題認識)

  • この活動するために資金(寄付)集める(今は弊社団が、自分達で稼いだ金でやっている。)

  • 最終的には法律変更、国/都道府県レベルの解釈変更及び運用変更が必要なので、その提案して組み込み出来る研究会を立ち上げる。

  • 内水面漁業に関しては、内水面振興議連、全国と都道府県の内水面漁業連合会、水産庁、水産研究所(今名前違う)、都道府県水産行政、があるので少なくともそこには研究会の結果を認めてもらう形が必要そう。

という想定でそれらを目指して動いています。
一人でも無理だし、弊社団だけでも無理なので、どうにかしたいと考えてくれている方は是非一緒にやっていきましょう。

もし本件質問、意見、一緒に活動したい等々ありましたら、ClearWaterProjectお問い合わせ でお問い合わせ項目「内水面再活性化提言活動について」を選択し、 瀬川 宛にご連絡ください。(他手段でも全然ウェルカムです)。
Twitterアカウントも作りました。こちら連絡でもOKです。@cwptsurichange

ちなみに、この一連の記事の目的は、法、制度、法解釈、行政運用を変えることなので、是非是非

①スキ を押してもらって注目度を上げてもらう
②twitterなどでシェアしてもらう。有名な新聞、雑誌等で取り上げてもらえるようプッシュしてもらう、紹介してもらう。
③実際の法、制度、法解釈、行政運用をやっている担当者や議員に伝えてもらう、紹介してもらう

といったアクションも合わせてお願いします!!

また、以下pdfは自由に共有頂いて結構ですが、もし他に共有される場合は、出来れば上記お問い合わせや他連絡で、こういったところに共有するよ、と一言お伝え頂けると嬉しいです。

(2023/12/28 資料修正)


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