川や湖(内水面)の制度変えよう@せがわ(つりチケ中の人)

川や湖(内水面)の制度変えよう@せがわ(つりチケ中の人)

最近の記事

内水面漁協の組合員制度はすでに崩壊済み?| つりチケ内水面漁協向けアンケート1

前回の記事で、内水面漁協対象の制度面に関するアンケート結果をアップしましたが、この記事以降は、各質問項目chapter毎に、詳細見て行きたいと思います。 chapter1は、「組合員について」。 ■chapter1. 質問項目と回答結果一覧 質問項目は以下の通り。 回答結果は以下の通り ■法通り認定出来る組合員ってそんなにいないんです!? その中で、一番の回答ポイントは設問1-1かな、と思っています。 この質問は、行政内部の人には出来ない質問。 何故なら、内水面

    • 内水面漁協の大部分が未来に希望を持っていない現状。では誰が川の魚を管理してくれるのか?|つりチケ内水面漁協向けアンケート0

      前の記事までで内水面制度の各議論ポイントを記載していましたが、ちょっと間を挟んで。 昨年、つりチケ導入漁協や、営業訪問した漁協にお願いして、アンケートに応えてもらいました。実施時期は2022年。 アンケートの基本議題は、以下の通り、組合員制度、増殖制度、遊漁料、漁協の役割、漁協の事務作業について、と私たちが色々回って関わってきた中で、課題だと感じている各制度面について、ぶっちゃけどうですか?という話を聞いてみたかったので聞いてみました。 最終的には内水面の制度・運用・法

      • 内水面制度改革の各議論ポイント:漁協の新規立ち上げ要件の緩和(案)

        前回の記事では、目標増殖量の見直し、という提案を書きました。 ちょうどこの2023年2月に、北海道大学の研究成果で、放流しても魚が増えない~放流は河川の魚類群集に長期的な悪影響をもたらすことを解明~(地球環境科学研究院 助教 先崎理之) という結果を全道の保護水面河川における過去21年の魚類群集データによる実証分析より明らかにしました。 増殖目標=積極的増殖での対応=大部分が継代養殖漁の河川環境キャパを超えた放流、が結果全体の生物個体群を減らす悪影響をもたらすことを解明しまし

        • 内水面制度改革の各議論ポイント:目標増殖量という考え自体の見直し(案)

          前回の記事以降は、各ポイントに絞った案の検討をしてます。 本記事も、前回に引き続き、内水面漁協の運営に関連して。 目標増殖量とその問題点 川や湖の魚を獲ったら当然減ります。 ただ、日本の川や湖は海より明らかに生息環境が小さく、人間の量に比べるとすぐに獲りつくされてしまいます。(霞ヶ浦、北浦、琵琶湖は海面扱いです)。 そのため、内水面漁協には、その許可された区域で対象魚種を獲る権利を得ると同時に、獲るならきちんと増やすこともしてください=「増殖義務」 が課されています。 以

        内水面漁協の組合員制度はすでに崩壊済み?| つりチケ内水面漁協向けアンケート1

          内水面制度改革の各議論ポイント:遊漁料設定(案)

          前回の記事で、制度改革の基本骨子として漁協+民間組織、をやりやすい形にする提案をしました。 これは「専業漁師でなく個々人の生計には関係ない(海や農業と異なる)」組合員で構成された、内水面の漁業協同「組合」では、リスクをとれない(①必死でやるインセンティブや切迫感がない ②複数人の合意制で地域対立起こしてまでやらない)という根本原因があると考えているためです。 ただ、これ以外にも既存制度で問題だと思うことが複数あるので、ここで記載していきます。 遊漁料の設定が制限大きすぎる

          内水面制度改革の各議論ポイント:遊漁料設定(案)

          内水面制度改革の基本骨子(案)

          前の記事までで内水面の釣り(≒川釣り)の現状やその背景等追っていきました。 結論としては、「このまま根本変えなければ既存内水面漁業・川釣りは衰退するしかない」です。 全部内水面漁協(以下漁協)が無くなるかと言えば、たぶんそうではなくダム補償や大手漁協でうまく管理出来ているところは残りますが、それ以外はほとんど漁協がなくなるだろう、と。でも中途半端に漁協残ることで逆に現状制度が根本変わらず引きずられていくのではないか、と考えます。その場合、実質管理されていない河川が広域に残る

          内水面漁業制度制定の背景

          前回の記事で、内水面=川・湖・沼の資源管理主体である内水面漁業協同組合=漁協が、金が回る体制でもないし、そもそも未来への投資的な判断もやりにくいし、法律も川釣り=観光・レジャーの観点の法がない、と制度問題だらけ、という記事を書きました。そもそも制度おかしいのでは? ただ、今の法制度や運用になった背景があるはずです。超優秀な官僚や政治家の皆さんが作ってきたものなので。 ということで、今のような制度になった背景を追ってみたいと思います。 魚を獲る権利について定めている「漁業法

          内水面の制度問題とは??

          前回の記事で、内水面の釣り(川釣り)の可能性は十分高い、釣り人も増えるし、環境もよくできる、という話を書きましたが、実際そのポテンシャルが発揮できていません。 いちばん最初の記事で、内水面(川、湖、沼。この後は内水面、または川でまとめてしまいます。)は資源管理が必須、という話書きました。 人間の数が増えて技術も上がったので、制限つけたり増やしたりする努力しないと、すぐ魚いなくなっちゃうよ、という話です。 いまや海でも資源管理の必要性が言われ、まずマグロの釣りに関して規制がか

          内水面の釣り・遊漁(川釣り)の可能性は?

          前回の記事で、内水面遊漁=川釣りの落ち込み具合を書かせてもらいました。 ただ、川釣り全体が今後も落ち込んでいくわけではなく、やり方次第で可能性は十分あると思います、という話を書いていきたいと思います。 川釣り人が増える可能性は? まず、コロナ禍で関東の小売店ベースでは2021年は川釣り用品が前年比10~15%ぐらい売れているとの話あり(どこまでソースを公開すべきか悩みますが、とりあえず信用できる業界関係者より)。特に初心者セットが売れているようです。コロナの3密回避で川

          内水面の釣り・遊漁(川釣り)の可能性は?

          内水面の釣り(川釣り)は何故落ち込んでいるのか?

          前の記事で、内水面の釣りの現況について記載してみました。 この記事では、何故内水面の釣り(内水面漁協も合わせて)が落ち込んでいるのか、その原因考察をしたいと思います。 川をとりまく環境 まず、川の環境条件を見てみます。 (主にアユと渓流釣りに関して見て行きます。ワカサギ、ブラックバス、フナ、コイ、雑魚等は正直わからないところがあり別扱いとさせてもらいます)。 以下は、主に内水面漁協 が厳しいよ、という話のために書いた図です。 環境条件としては、ダム、落差工、堰堤等河川構

          内水面の釣り(川釣り)は何故落ち込んでいるのか?

          内水面の釣り(主に川釣り)の現況を見てみる

          最初の記事で、内水面の釣りも、漁業も、地域にとっても、良い状況に出来るけど、それには法・制度変更必要、という話書きました。これ以降はそれぞれの項目に分けて記事を書いていきたいと思います。 2022年現在、川の釣りは高齢化が進み、釣り人が減っている、業界としては市場が縮小している、という話を多く耳にします。 一方で、コロナ以降3密回避の流れから、アウトドア人気がより上昇し、釣りもその恩恵に預かっており、小売店ベースでは2021年度は川釣りの道具が10~15%伸びたところも、と

          内水面の釣り(主に川釣り)の現況を見てみる

          内水面漁業の活性化提言←川釣りはもっと注目されてもいいはず、という話

          一般社団法人ClearWaterProject代表の瀬川と言います。 2013年に立ち上げて、最初IT×水辺、ということで色々水環境に関わる社会課題解決を目指してきました(経緯や何故?は別場所に譲ります)。 その一つの枠組みとして、インターネットやアプリで川・湖等の内水面(後述)で釣りをする場合に必要な電子遊漁券を購入できる「つりチケ」というサービスを展開し、組織としてはそれこそ内水面漁協に述べ1000回以上は訪問してきたかと。 その結果の実感値と分析から、内水面の釣りや

          内水面漁業の活性化提言←川釣りはもっと注目されてもいいはず、という話