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【超短編小説】まとめました。

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自作の短いお話たち。それらをまとめておきます。
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2023年11月の記事一覧

【超短編小説】同窓会での再会

 20歳の同窓会。  高校の時の同窓生たちが集まる。  みんなどんなふうになっているかな…

竹久写楽
9か月前
11

【超短編小説】天才とカンニング

 顔だけはいい僕である。  だが成績は下の下。毎回赤点をくらって、補習授業を受けさせられ…

竹久写楽
9か月前
6

【超短編小説】とんだバカ者

 それは思いつめての犯行だった。  バイト先の高嶺の花。僕の事など振り向いてくれるわけが…

竹久写楽
9か月前
6

【超短編小説】ヤマアラシのジレンマ

 その島を出入りするには、私たちが運行するフェリーを使うしかない。  そのため使用する人…

竹久写楽
9か月前
8

【超短編小説】5年ぶりの帰郷

 忙しかった。  それが言い訳にならない事はわかっているけれど、5年実家に帰らないというの…

竹久写楽
9か月前
7

【超短編小説】初登頂失敗の思い出

 僕の初めての本格登山の思い出を語ろう。  結果から言うと失敗した。  9合目あたりまで登…

竹久写楽
9か月前
6

【超短編小説】私の彼はどんな彼?

 それはまだお見合い結婚が普通だった頃の話。  紹介された人の話を皆に聞くと、口をそろえて明るい太陽の様な人だよと答えた。  写真を見ると眩しい笑顔で笑っている。  一目で気に入ってしまった。  両親に、 「私、絶対この人と結婚する!」  そう宣言した。  両親もそれがいい。家柄も立派で非の打ち所がないという話になった。  初めて会った日。  ドキドキしながら彼の前に座っていると、ボソボソと小さな声で挨拶された。  ご趣味は? などと聞いても、特にないとそっけない。  聞い

【180字小説】未練残さず、去る事

 それは月さえ出ていない夜だった。  お互いの顔さえ見えない中での、最後のお別れ。 「いま…

竹久写楽
9か月前
7

【超短編小説?】価値観の違い

「世界一の景色をみせてやるよ!」  彼は彼女に言う。 「明日はとうとう俺の武道館ライブだ。…

竹久写楽
9か月前
1

【超短編小説】ストリートミュージシャン

 そいつを見かけたのはもう一年も前のことになるか。  別に珍しくもないストリートミュージ…

竹久写楽
9か月前
6

【超短編パロディ童話】白雪姫

 昔々あるところに美しい王妃様がいました。王妃様はご自身の美しさをとても誇りに思っていま…

竹久写楽
9か月前
2

【超短編小説】いつも家族が

 最近部下のミスが目立つ。  いらだち気味な自分を会社では必死に抑え、家ではずいぶんとピ…

竹久写楽
9か月前
3

【超短編小説】焼きそばが食べたい(家族バージョン)

 妻が子どもたちに聞いている。 「今日のお夕飯なんにしょっか?」  6歳と4歳の二人の息子…

竹久写楽
9か月前
7

【超短編小説】焼きそばが食べたい

 うちの奥さんが聞いてきた。 「ねえ、今日の夕飯なにが食べたい?」  僕はうーん、とちょっと考えて 「焼きそば! 今日は完全に焼きそばの日だ!」  そう答える。  それに、奥さんは、 「あら、じゃあ今日は唐揚げにしましょうね」  と。 「いや! いじわる? 焼きそばの日だってば。それ以外考えられないよ」  そう抗議するが、奥さんはふふ、と笑ってキッチンへと向かう。  夕食ができて、唐揚げが出る。  食べる。  カリカリの食感。ジュワッと広がる肉汁。  僕は、あ・・・とつぶや