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【超短編小説】初登頂失敗の思い出

 僕の初めての本格登山の思い出を語ろう。
 結果から言うと失敗した。
 9合目あたりまで登ったから、本当にあとちょっとだったんだけど。
 失敗してしまった。

 なぜかって?
 たまに登山を終えて下山してくる人がいたのだけど、その中に理想的な美人を見つけちゃったんだ。
 山頂まであと少しなんて事吹っ飛んでしまって、Uターン。
 しつこくしつこく、ナンパしてしまったよ。
 もちろん上手くいくわけがない。
「神聖な山をなんだと思ってるんですか!」
 って怒られて、しおしおで下山した。もう一度登ろうなんて気力はなかったね。

 そんなくだらない話さ。
 もちろんその彼女ともそれっきりだしね。
 あーあ。

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