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【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする

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恋愛小説です。  過去の傷からクラスメイトに心を閉ざした嫌われ者が、新しい恋によって前を向こうとする痛々しい青春模様を書いている…つもりです。  春…起承転結でいう「起」のパート…
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#初恋の人

【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第52話-春、修学旅行3日目〜紗霧の朝

 朝風呂は6時から入れるらしい。修学旅行の間、紗霧の朝は風呂の解禁とともに始まっていた。
 割り当てられた風呂の時間に入浴しない旨は、教師たちに事前に報告してある。同級生たちに体を見られないようにするためだった。
 
 湯船に体を沈める。周りに人がいないため、眼鏡を外して素顔をさらすことへの恐怖心は薄れていた。元々彼女の視力は悪くない。むしろ眼鏡は邪魔なくらいだ。
 幼さは抜けていて、気品があるの

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【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第50話-春、修学旅行3日目〜女子部屋の朝

 眠い…。河口湖の水面に昇る朝日を眺めながら、瑞穂は両目をこすっていた。まるで猫のようなその仕草だけを見ると、男子たちは、あまりのかわいらしさに魅了されていたことだろう。あいにくここは女子部屋で、男子はいない。
 そして瑞穂は2日間に渡る睡眠不足で驚くほどやつれた顔をしていた。目は腫れ、大きなクマができている。
「ふわあああ!」
 大きな欠伸とともに大きく伸びをする。

 瑞穂のあくびの声に刺激さ

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【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第49話-春、修学旅行2日目〜理美④

理美は膝をついて泣きじゃくっている。
 貴志の心を奪った坂木紗霧が憎かった。
 貴志の隣は、誰もが羨んでいた特等席。それを手に入れた、坂木紗霧に嫉妬した。
 そして紗霧がいなくなり、貴志の心は壊れてしまった。
 いくら泣いたところで、それは何の解決にもならない。それがわかっていても、泣きながら謝ることしか出来ない。
 出来ないのだ。
 理美は泣きながら謝ることしか出来ない。貴志が、2年近く

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【連続小説】初恋の痛みが消えないまま俺はまた恋をする第31話-春、修学旅行1日目〜理美③

「瑞穂ちゃんたち、なんかトレンド入りしてるっぽいよ」
 理美が横浜中華街で検索をかけると、見慣れた制服の後ろ姿が引っかかった。どうやらゲームセンターでとんでもない快進撃を展開しているらしい。
 あの二人がガンシューティングなんかしたら、そうなるだろうな。一心不乱にゲームをしている二人を想像したら、自然と笑みがこぼれてくる。
「油断しすぎだよ、貴志くん。
 今、普通に笑ってる」
 理美の指摘で初めて

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