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中高生探究コンテスト2024 最優秀賞受賞者インタビュー

中高生探究コンテスト2024について

中高生探究コンテストは全国の中高生が学校で取り組んだ探究内容について発表し競うコンテストです。2021年度より、一般財団法人ビジネス・プラットホームと株式会社CURIO SCHOOLが、コンテストの開催・運営を行っています。

※中高生探究コンテストの詳細はこちらをご覧ください。

応募部門は自分の好きなこと・ワクワクを究めた「好き部門」、身の回りや社会の困りごとと向き合った「困りごと部門」の2部門あります。中高生たちは探究活動のテーマに則した部門を選び、エントリーします。

審査項目は各部門 4つずつ設定しています。書類審査、動画審査、最終審査会では、各段階の審査員が提出資料をもとに項目ごとに審査します。

◼︎好き部門
⑴ 着眼点:自分なりの問いを立てることが、できているか?
⑵ 試行錯誤:問いに対して、試行錯誤を繰り返しているか?
⑶ 示唆:この探究から得られた示唆が明確になっているか?
⑷ 熱量:テーマに対する探究をどれだけ熱く表現できているか?

◼︎困りごと部門
⑴ 着眼点:自分なりの問いを立てることが、できているか?
⑵ 試行錯誤:問いに対して、試行錯誤を繰り返しているか?
⑶ 社会的インパクト:どれだけ社会にインパクトをもたらすプロジェクトか?
⑷ 持続可能性:課題解決の持続可能性を検討できているか?

3年目を迎えた中高生探究コンテスト2024は全国208校から1857件の応募がありました。昨年を上回る倍率54.7倍の書類審査を経てセミファイナリストが 34組選出されました。さらに動画審査を経て10組(「好き部門」「困りごと部門」それぞれ5組ずつ)がファイナリストとして選出されました。

2月17日(土)には十文字中学校・高等学校にて最終審査会が行われました。最終審査会では、ファイナリストたちが第一線で探究活動を続ける審査員たちに探究活動の成果を発表し合いました。審査員が各部門4つの観点から審査をし、最終優秀賞・優秀賞が選ばれました。

最終審査会での発表の様子

審査結果

好き部門

 最優秀賞 
 和菓子を世界へ伝えたい to Africa
 雲雀丘学園高等学校 松山桜子さん

 優秀賞  
 魚鱗の輝きは群れ形成にどのような影響を与えるのか?
 佼成学園高等学校 小竹智人さん

困りごと部門

 最優秀賞 
 プロジェクト「クラゲアラート」
 鎌倉学園高等学校 小畑洲士さん

 優秀賞 
 生理の講座で創る他者尊重社会
 品川女子学院高等部 臼井愛奈さん/伊勢日向乃さん/守谷百々花さん

※審査結果の詳細はWebページをご覧ください。

「好き部門」最優秀賞の松山桜子さん(雲雀丘学園高等学校)はアフリカの食材を使った和菓子を開発しました。さらに在大阪コンゴ民主共和国名誉領事館へ赴き、アイデアをプレゼンしました。

「困りごと部門」最優秀賞の小畑洲士さん(鎌倉学園高等学校)はカツオノエボシによる被害を削減するために、漂着を警告するシステムを構築しました。現在は、SNSを使いシステムを運用しています。

最優秀賞受賞者インタビュー

最終審査会終了後に最優秀賞受賞者の松山桜子さんと小畑洲士さんに公開インタビューを行いました。

インタビューの様子

角田:最優秀賞受賞おめでとうございます!受賞された感想を一言ずつお願いします。

松山さん:最優秀賞を取れると思っていなかったので、本当に嬉しく思います。この場をお借りして、私の活動に関わってくださったアフリカの方々、雲雀丘学園の先生方に感謝申し上げたいと思います。

小畑さん:この研究は趣味みたいな感じで始めたので、こうして評価していただいてとても嬉しく思います。システム自体はそんな難しいものではありませんが、皆さんにとっては見たことないようなものがいっぱい並んでたと思います。今日わかりやすく発表できてよかったです。

角田:試行錯誤を繰り返して探究活動を進める中、モチベーションはどのように維持してましたか?

松山さん私はとりあえず壁に当たったら何か動いてみる、他のことをしてみるという精神で、ひたすら行動し続けました。行動すれば課題点も良いテーマも見つかると思ったので、行動し続けることを重要視してきました。

小畑さん:私はすごいモチベーションがあったわけではありません。ミスはたくさんしてますし、それこそシステムエラーばっかりだったので、直すのにとても苦労しました。モチベーションとしては見てくださる方を助けたいとか、助けられられればいいな、みたいな感じで考えていたので、最終的にやりたい形にできてよかったです。

角田:1人でプロジェクトを進めていく中で、周りの人を巻き込んでいくことや協力を得るときのコツを教えてください。

松山さん何度もお願いする、ということですね。やはり粘り強くアタックすれば、向こうにも熱意が伝わって受け入れられやすくなるのではないかなと思います。

小畑さん:中学生、高校生としてプロジェクトを進める中で、大人の方に協力を求めるのはごく自然なことだと思います。僕も見ず知らずの方に「高校生です」とメールを送って、情報提供していただきました。その際に、ちゃんと高校生らしく振る舞うというか、 相手に対して敬意を持って熱意を伝えることが大事かなと思います。

領事館の方との対談について話す松山さん

角田:以降会場参加者からの質問も受け付けます。質問したい方はいらっしゃいますか?

会場参加者:私たちも普段の探究活動の成果を中高生探究コンテストに提出し、特に行動力が足りないことに気がつきました。どうやったら大使館の方と連絡を取るなどの行動力がつくのでしょうか?

松山さん:私の性格もあるかもしれませんが、とりあえず後先考えずやる、ですかね。ちょっと答えになってるかわからないですけど。

小畑さん:行動力がつくというよりか、自分がどれくらいやりたいって思うかによると思います。決意を持ってずっとやり続けられるんだったら、それが行動力になるような気がします。

会場参加者:探究活動をやっていて楽しかったことやテンション上がったことがあれば教えてください。

松山さん:自分で実際にお菓子を作ることは非常に楽しかったです。また、アフリカの方とコミュニケーションをとることがすごく楽しくて…やっぱり会ってみないとわからない情報を得られたのがすごく楽しかったです。

小畑さん:一番楽しかったのは、システムを順番に組み立てて、最終的に求める結果が出た瞬間ですかね。作るのが大変だったので、完成した嬉しさもありますが、プロジェクトを進められて楽しかったなって思える瞬間があったのが、1番大きな楽しみでした。

審査員からの質問に答える小畑さん

会場参加者:先生たちに「こんなことやりたいです!」と自分から言い出したのか、先生からの刺激があってやってみようと思ったのかを教えて欲しいです。

松山さん:私は学校の支えが大きかったというか、探究を始めるきっかけになりました。私の学校では探究プロジェクトというものがあって、プロジェクトごとにプログラミングや和菓子といったテーマに取り組みます。私はたまたまプログラムで日本食について学んでいました。プロジェクトの中で、発見した課題を先生方にお伝えしたら、こうしたらいいんじゃないかと言っていただきました。先生から刺激をもらっていました。

小畑さん:僕は探究を始めたのはすごく個人的な動機で、カツオノエボシの被害のニュースを見て、やってみようかなと思ったのがきっかけでした。探究活動を進めていく中で、何のシステム使えばいいか、どういうサービス使えばいいかは結構迷ったので、色んな方に聞きました。学校の情報の先生が色々話してくださる方だったので、質問していましたね。先生に「それでいいじゃん」と言われてやってみるという感じです。学校に刺激されたというわけではなく、自分で始めようと思ったことが、学校での探究にもつながりました。刺激を与えてくれた情報の先生にとても感謝しています。

会場参加者:学校の枠を飛び越えるのは結構勇気が必要だと思います。外部に連絡してみよう、と最初の第一歩を踏み出した時、どんな気持ちでしたか?エピソードがあれば教えてください。

松山さん私は失敗してもいいからやる。行動することにすごい意味があると思っているんです。とりあえずやる。本当にやってみなはれ精神です。

小畑さん:僕も松山さんとほとんど同じです。高校生だからってなんでも許容されるわけではないですが、大人に対しても法律上も、まだあまり責任がない世代です。とりあえずやってみて何か怒られたらすみませんと謝ればいいかなと思って、とりあえずやってみようと行動しています。

表彰状授与の様子

角田:ありがとうございます。探究活動や探究プロジェクトを通して感じた価値があれば教えてください。

松山さん探究するには知識が必要だというのをすごく感じました。やはり知識や考え方の弱い部分があったので、もっと勉強しないといけないなと再確認できました。

小畑さん今後も継続していく形になったところに価値あると思っています。今回、地域課題に対する対処法として、ちゃんとした形にすることができました。地元に海水浴で来られる方々が、クラゲに刺される危険性があることを理解した上で、「じゃあ今日は、クラゲがいるのかな」と自分の行動を決める上で、クラゲアラートを重要な判断材料として使っていただければいいなと思っています。今回それが評価されて嬉しく思いますし、持続的にクラゲアラートを使ってもらえることが価値になります。

角田:最後に、来年度中高生探究コンテストにエントリーされる生徒さんに向けて一言お願いします!

松山さん:やはり熱意・好きという気持ちを重要視しながら探究してほしいです。 好きなものなら行動力も飛躍的に上がるのではないかと思うので、本当に好きを探究してほしいなと思っています。

小畑さん:同じことを考えていたので、あえて別のことを言います。スライドなどを作成する際には、完成したと思っても、大人の方や同級生に1回みてもらってください。客観的な評価をもらうことで、じゃあこうしたいと変えていくのが大事だと思います

最終審査会後での懇親会での集合写真

中高生探究コンテストは来年度も開催予定です。
今後も多くの中高生の探究活動の成果をお待ちしています!

(インタビュー・記事:角田・田中・内野)

CURIO SCHOOL探究プログラムやインタビューの詳細は、弊社担当までお問い合わせください。
・探究コンテスト https://contest.sbplatform.jp/
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