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朝の鯛茶漬け〜わたしの好きな器その2


(片口)

写真は我が家の朝の定番、鯛茶漬けです。

鯛の頭やあらで出汁を仕立て、
すりごまと純米酒ののち醤油に漬けた残り物の刺身や、あらからこそいだむき身をごはんにのせ、鯛出汁を注いでサラサラと。

それに欠かせない器が、片口です。

いくつも揃えて、サイズによって変わる多彩な用途を楽しんでいます。
内側がすり鉢になっているものはより身近かもしれません。

ご覧の通り、片方に注ぎ口がついているのが、片口。
深いものはそばつゆなどの汁次や酒器などに便利ですが、それより浅い鉢の大小、皿型のものなどもあり、料理にフルーツに花に、と用途の広い器です。
古くは縄文時代や弥生時代の土器にも見つかっているそうですが、日々使えば使うほど、何千年もの長い間にわたり親しまれてきたのも必然だ、とわかってきました。
とりわけ、道具と器としての魅力を併せ持つところに、とりこになっています。

この、円という完全形を一か所崩している部分があるおかげで、器の中はもちろん、食卓のしつらえ全体にも動きをもたらします。
丸い皿ばかりの食卓だとしてもそこに片口をポン、と並べると、規則的な並びに一石を投じるように、ぐっと雰囲気がしまるのです。

サイズによって、使いみちも色々。
また、磁器や陶器、漆器、ガラスなど、質感によってがらりと雰囲気が変わるので、ついつい、あれこれとほしくなり、どうしても我慢できません。
なかでも、注ぎ口がちょん、と小さめなものが、特に料理には向くと感じます。

片口皿はご飯料理に、素朴な煮っころがしに、野菜料理や季節のフルーツにと、とにかく使いやすく、毎日手に取るほどに愛用しています。

浅めの中鉢は、向付(刺身用)の器としても、余白を作ってすっきり盛ることができるのに、
メキシコ料理の野菜をザクザク混ぜたサルサソースをたっぷり入れても似合います。

ふちが少しすぼまった深めの中型で、美しい白磁の焼き締め(釉薬をかけず高温で焼いているもの)のものは頂きものです。その底知れない白の深みに、盛るときもぴりっと気が引き締まりますが、いざ盛ってみるとどんな料理にも合い、どこか愛らしくなる、許容範囲の広い器です。

また、ごく小さいミルクピッチャーのようなものも、我が家には欠かせません。
薬味や辛味だれ、スパイスに酒肴なども、普通の小鉢や豆皿に盛るのと趣が違い、リズミカルな雰囲気に。
その小ささを活かして、皿の端にのせて使うことも多いです。
長皿に並べた肉料理の傍らに、よく合うスパイスや辛味、ソースを入れた片口を置いてみたり、丸いプレートにのせたパンケーキの横にはちみつ漬けのナッツを添えて、など。

また、ガラスのものも中が見えて、眺めが良いものです。
ガラスの片口といえば、花を活けることも。
漆器の片口に野の花や蔓を活けるのも良いですよ。
器自体の佇まいから、どこか端正な生け花のようにも映ります。

片口に料理を盛るときは、気持ち少なめに。
お酒なら、好きなだけたっぷりと。


◦片口に盛りたい料理
深型…菊の酒・いろいろ豆の八角風味コンポート
中鉢…3種ベリーのカクテル・かわはぎの肝和え・フムス
深皿…干物寿司・手羽先のスパイス揚げ
小型…梅みょうが・酒盗・ナッツのはちみつ漬け
漆器…黒豆、野の花やぶどうの蔓(生け花として)

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