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【2022.10】今月良かった曲20選レビュー

 どうもです。

 月末恒例、音楽紹介記事の10月分です。今月もリリースされた楽曲(アルバム、EP、シングルetc…)を対象に、良かった楽曲を紹介していきます。読んでくださった方に1曲でも良き出逢いがあります様に!ではどうぞー。



#1『Journey』/ DECO*27

 ボーカロイド"初音ミク"を中心としたメディアミックスプロジェクトである"プロセカ"こと、『プロジェクトセカイ』の2周年アニバーサリーソングとして書き下ろされた、DECO*27さんによる新曲の音源がようやくリリース。編曲はお馴染みRockwellさんが担当。
 馬鹿みたいに良い、名曲。僕はプロセカに触れてこなかった身ですが、それでもこのアニメMVと曲調だけで未来へ踏み出す一歩を応援する様な力強い曲である事は充分に感じられます。なので、キャラやストーリーに思い入れがあるファンからしたら発狂モノソングである事も想像に難くないです。どこか懐かしさを覚えるメロディ、DECO*27さんらしいリズムの取り方、ポップスかと思いきやロックへの流動的展開、転調付き二段構えサビ。相変わらずドラムとベースが良すぎて好き。一回ハマると無限リピート必至。


#2『In My Dreams』/ Taken By Tides

 アメリカはテキサス州サンアントニオ出身のポストハードコアバンド。デビューシングルをリリース。
 解る人には解ると思いますが、MV見るとボーカルのヘアスタイルやパフォーマンスがエモボーイのソレなので音楽性もそっち系。でも、僕もこの手のジャンルが好きだから、今でも新しく産まれているのが嬉しくて何か堪らなかった。最近新曲出したIf I Were Youとか、Drug Me Outの新譜とか好きなので。クリーンはギターも務めているパート(2:38~)もあったので、今後ツインボーカルスタイルが映える楽曲とかもありそうで楽しみです。


#3『Eden(feat. Moon Jelly)』/ Kotori

 ワシントン州シアトルを拠点とするフィリピン系アメリカ人のベースミュージック・プロデューサーKotori。今年4曲目となる新曲をリリース。ゲストにはボーカル・アート・歌詞・映像全てを自身で手掛けるソロプロジェクトの活動をしているMoon Jellyさんがゲスト参加。
 今回も裏切らないですね。メロディック・ダブステップな仕上がりで、ビルドアップで昂まってからのドロップ(0:54~)が気持ち良すぎて…。Moon Jellyさんの柔らかく滑らかな歌声も素晴らしく、壮大な響き中で儚げな美しさを感じさせます。1:58~のドラムも堪らん。


#4『想いのち晴れ/扉を開けてベルを鳴らそう』/ あおい(CV.井口裕香), ひなた(CV.阿澄佳奈)

 現在放送中のTVアニメ『ヤマノススメ Next Summit』のOPテーマとEDテーマを収録したシングルがリリース。メインキャラである、あおい(CV.井口裕香)、ひなた(CV.阿澄佳奈)が歌唱するキャラクターソングです。
 OP「想いのち晴れ」は弾けるサウンドと、リズムがひたすら楽しい1曲。基本インドアな自分ですが、外に出掛けたくなる。2人の掛け合う様な歌唱も最高です。一方、ED「扉を開けてベルを鳴らそう」は化ける奴だと確信しています。速攻二段構えサビが来る構成でこのメロディはダメだって。"大丈夫!(大丈夫!) 頑張ってみたいよ(信じてるよ) ずっと隣で"の歌詞とかもムリ。最終話辺り内容と合わせて聴いたら絶対どっかで泣きますね…。そして、「はなうた*ステップ」はイチバンキャラソン感あって好き、オタクが発狂するタイプ。ヤマノススメに纏わる歌詞もオタク心を刺しに来てるとしかw
 今月2日にヤマノススメイベントに参加し聖地巡礼もしてきたガチオタクなので想い出補正が無いと言ったら嘘になりますが、3曲とも聴く価値はあると思います。因みにヤマノススメの楽曲結構あるんですが、「色違いの翼」はアニソン史に残る名曲なので頼むから聴きやがれください。


#5『Immensity』/ Sympuls-E

 ロシアはリャザン出身のモダンメロデスバンド。4枚目となるアルバムをリリース。9曲中7曲は新曲なのも新鮮で嬉しい。
 文句無し名盤でした。普段メロデスはそこまで聴かないんですけど、2nd以降徐々にメタルコアへの接近が目立ってきたので聴けちゃう。本作もかなりメタルコアなアプローチに刺激されまくりました。他にも壮大な盛り上がりに一役買ってるシンフォニック要素や、ギターに絡ませてくるキラキラシンセの使い方も巧みでオペラティック。王道メロデスを貫いてきた最高品質のメロディはどの楽曲でも担保されており、聞き惚れる事間違いなし。
 ガチで全曲良かったんすが、キラキラ浮遊感による緩急が素晴らしいTr.1「The Pathfinder」、ファンタジックなメタルコアサウンドがクソイケてるTr.2「Alone with the Dark」、流麗なボーカルラインと交錯する天才ツインリードが気持ち良すぎるTr.4「Infinity Around」、本作屈指の感動曲で光に包み込まれる様な感覚になるTr.8「Light Years Away」が特に好き。


#6『Hateful Failures』/ Survive Said The Prophet

 昨年で結成10周年を迎えた、東京を拠点に活動するオルタナティブ・ロックバンド。通称サバプロ。昨年ベースYudaiが脱退し、新体制となって初のアルバムをリリースしました。通算6枚目のフルアルバムです。
 昔からのファンとしては新体制は少しだけ不安もあったんですが、取り敢えず止まらなかったのが本当に嬉しくて。シングルカットされた曲もそんな不安を吹き飛ばしてくれる位に良かったです。“嫌悪”を人間性の一部として受け入れる事で生み出されたと云う楽曲達、確かにコ〇ナ禍での出来事も含めバンドとしてもメンバー個人としてもかなり向き合って答えを出してきたなと云うか、どこか原点回帰みもあり、新たな決意を感じる1枚でした。
 サバプロはネガティブで病んでる感情や経験をパーソナルじゃない、外向きの楽曲へと昇華させるのが個人的には上手だと思っていて。リリックを中心にそれは強く感じましたし、Tr.4「Beauty Queen」なんかは特にサバプロ節炸裂で、それでいて新鮮さもあり一番好きな曲です。そして、Tr.10「Prayer」は初めて聴いた時ガチで涙が流れた。名曲「Follow」の進化系と云うか、まさかのスタジアムバラード。ボーカルYoshさんは基本何でも歌えて好きだけど、真価が出るのはやっぱこーゆー曲なのよ。圧倒的スケール感なのに寄り添ってくる泣きメロ、問いかけてくる歌詞が素晴らしい。
 10月21日よりツアー中の彼ら、自分もツアーファイナルのチケットが取れたので今から楽しみです。確で泣く。


#7『Pain Remains』/ Lorna Shore

 アメリカ合衆国ニュージャージー州ウォーレン出身のブラッケンド・デスコアバンド。昨年に4代目新ボーカリストWill Ramos (ex-A WAKE IN PROVIDENCE)と、ベーシストもMichael Yagerを迎えた彼ら。自分の記事でも度々紹介してきましたが、ガチ全世界待望の4thアルバムをリリース。
 名盤超えて神盤。シーンでは他の追随を許さない、別次元よ。視聴前からそうなるだろうとは思ってたけど、ちゃんとハードル超えてきた永遠に語り継がれるべき神盤でした。最大級の感謝を。
 全10曲で総再生時間はまさかの1時間強。開幕Tr.1「Welcome Back, O' Sleeping Dreamer」から7分半で初見笑ったもん、しかも聴いててエグすぎてまた笑った。処理しきれなくて本能すらパンク状態。これまで体験した事ない感覚に襲われる事間違いなしです。
 全編通してこんなに凶悪なのに美しいと感じてしまうのは何なんでしょうね(急な問いかけ)。美しさと狂気は紙一重とか、怒りと悲しみは表裏一体とか言いますが、やっぱりその辺りの哲学的問いを何とか音楽として成立させてる様に感じます。答えが無い≒終りが無い。この一枚を永遠に聴いていたくなる魅力を纏っていますし、デスコアって個人的に"聴き疲れ"してしまうのに、本作はそれがないのがガチで強いなと。意味が分からないのに納得感ある曲構成、人外じみたテクニック、そして稀有なる才能と技術を披露しまくるWillの強烈なボーカルワーク。これらを支え包み込むオペラやオーケストラによる装飾は聴く者を劇場に誘うかの様です。
 中でもTr.8~Tr.10の20分を超える組曲「Pain Remains I~III」は怒涛の展開でここだけは曲順通り聴く以外はあり得ない。言葉で言い表すのも難しいんですが、凄く凄く"感動"できます。色んな意味で。
 2010年の結成以来、数多の経験をしてきた彼らからすれば再出発の内の一つに過ぎない訳ですが、だからこそこんな世の中でもチャンスは…希望はあるよ。と証明してみせた1枚だったとなと。ルックスやMV、物語性、ライブ演出など総合芸術作品としての音楽が好きな自分からすると、彼らのアプローチやビジョンは好きなので、いつかライブ見たいなと強く思います。
 余談ですが、ツアー中ドラマーが椎間板ヘルニアで離脱してしまったらしく、代わりにベーシストのMichaelが叩いてツアー続行したとの事。元ドラマーとは言え、ここでもパワーを魅せつけてくるエピソードだなとw


#8『Darkbloom』/ We Came As Romans

 アメリカミシガン州出身のメタルコアバンド。前作『Cold Like War』から5年ぶり、6枚目となるアルバムを遂にリリース。2018年に亡くなったKyle Pavone(Vo/Syn)に捧げる1枚であると共に、バンドとして前進する為に完成させた至極の1枚でした。なお、新たなボーカルは追加せず、元々ツインボーカルだった為、引き続きDaveが1人でスクリーム、クリーン共に見事に歌いあげています。
 前半5曲に関しては、今では量産されているこの手のジャンルの中で、彼らなりの一つの完成形な気がしています。新鮮味より突き詰めた感の方が印象は大きくて、イマを象徴していると言っても過言ではないなと。先述した事情とか全く知らない人が聴いても、全然ハマれるんじゃないかなと思います。昨年に先行リリースされたのも頷ける。5曲全部好きですが、中でもWCARの新しい可能性を魅せたTr.4「Daggers」が好きです。ラップも入り、エッジ効きすぎだし、スクリームのみで攻撃力ステに全振り。
 後半5曲は正直評価がしづらいんですが、取り敢えず「よく書き上げてくれた。ありがとう」と言いたいです。特にTr.10「Primise You」。自分は当たり前ですが故Kyleの人柄だったり、バンドでの事だったり、全然知らない只悲しかったファンの一人です。それでもこうやってバンドを存続させ、追悼を共にできる様な楽曲を制作してくれた事に感謝です。
 あとは、Tr.9「Holding The Embers」がかなり好き。パートのメリハリと、WCARと言ったらやはり外せない歌メロが素晴らしい。アルバム新規曲の中ではイチバン存在感ありましたね。これからも彼らの活躍を陰ながら応援しております。フィジカルも無事手元に届いて大感謝。


#9『Glacier House』/ Burn Mona Lisa

 アメリカはワシントン州スポケーン出身のプログレッシヴ・ロックバンド。デビューシングルをリリース。
 クリーンボーカルの歌唱力と双対を成すテクニカルなギターが気に入りました。速さや強弱の付け方、曲構成が面白くて、滑らかに繋がっていくフレーズも非常に気持ちが良い。シンプルな様で緻密に計算されている感じに好感を持てます。今後も注目していきたいと思います。あと、全然関係ないけどボーカルの眉毛が特徴的で目が行くw


#10『Sweet Illusion』/ 電音部

 DJをテーマにした物語や、新進気鋭のクリエイターによる最先端で上質なクラブミュージックを展開しているメディアミックスプロジェクト電音部。今年2周年を迎え、昨年同様40週連続リリースを9月15日から始動中。その新曲として今回は、歌唱をアザブエリアの白金煌 (CV: 小宮有紗)が担当。楽曲を手掛けたのは幅広い層からの人気を獲得し海外でも活躍するトラックメイカー/DJ、プロデューサーのDE DE MOUSEさん。煌様は推しだし、デデさんも元々好きなので、好きと好きのコラボレーションでありがとう世界。
 もう最高に煌様らしいキラキラしたフューチャーファンクディスコでした。身体が勝手に揺れる。音作りも流石、音一つ一つが膨らみ弾けて拡がっていく様なサウンドスケープで2:23~とか発狂モノ。小宮有紗さんの表現力豊かな歌もステキでした。早くライブで手拍子しながら踊り狂いたいわ。あと、PONKOさんのアートワークも超可愛くて好き。


#11『Burdens』/ Traveller

 ドイツはカシュトロップ・ラウセル出身のメタルコアバンド。今年初となるシングルをリリース。昨年リリースされたEP『Distance Calls』は昨年の「メタルコアベストアルバム15選」記事でも選出した名盤でした。
 いやぁ…やっぱ大好きです、このバンド。最高に好み。プログレッシヴサウンドがかなり際立つ様になりましたね。イントロからもうタッピングフレーズ無限に気持ち良い。刻み込まれるソリッドなメタルコアリフも、複雑な展開ながらもドラマティックで聴きごたえ十分。そんでボーカルさんガタイ良くなりましたね…MV見た時別人かと思ったw でも寧ろ貫禄が出てイイかもしれません。余裕のあるスクリーム、クリーンも厚みが出た気がしますし◎ 


#12『Lost Dream feat.星名はる』/ Juggernaut.

 音ゲーや同人シーンではJuggerNoteRecordsを主宰するなど精力的に活動し、サイケ・ダブステ・UKハードコアを得意とするトラックメイカー、ジャガーノート。今年3枚目のシングルをリリース。ゲストにはハッピーハードコアを歌って踊るアイドル『アイロボ』のメンバーである星名はるさんが参加。7月リリースの「Superglide」から続きましたね。
 星名はるさんを迎えただけあって、ハッピーハードコアなんですが、ここまで歌メロを"泣き"に振ってくるとは。ガチで好き。泣きながら笑顔が零れた。ピアノの綺麗なメロディが切なさに拍車を掛けてますね。歌詞も。そんでジャガノさんのUKハードコアサウンドもやっぱカッコイイのよ。要はギャップがエグイ。ギャップはデカければデカイほど良いから(真理)。


#13『Cocoon for the Golden Future』/ Fear, and Loathing in Las Vegas

 国内ラウドロックシーンを唯一無二の音楽性で牽引する神戸発5人組ポストハードコアバンド。前作『HYPERTOUGHNESS』から約3年ぶり、7枚目となるアルバムをリリースしました。全11曲タイアップ曲も多めとの事。
 普通に良い新譜でした。名盤とまではいかないけれど、純粋にベガス好きとして、あの頃(1st~4thアルバム)の感覚が戻ってきた事が嬉しかったです、個人的には。MVにもなったTr.1「Get Back the Hope」も転調無しでコンパクトなのは珍しいのに、構成する各要素にベガスらしさを感じざるを得なくて…ベガス流の疾走感あるエモーショナル王道ソングと云うか。また、Vo/Key.Minamiに続いてVo.Soまでもがギターソロしてて驚きでした。欲張りで"何でもアリ"と云う言葉はこのバンドの為にあるなと思う程。Tr.9「Gas Will Blow You Away as Only Brakes is Borinig」も新しい切り口を魅せてんがらも、お得意のライブで騒げる最強ソングで良かったです。
 あと1stの頃から「Interlude」だけは毎度裏切らない…全部好き。そこから繋がるTr.7「Tear Down」は8月の記事でも紹介しましたが、やっぱコレが本作ではベストかなと。この曲、ハードコアテクノ系のトラックメイカーである"Kobaryo"(7月の記事でも紹介)の音楽を参考にしているらしく(真ん中Soが歌うサビとか)、個人的に嬉しかったです。好きが繋がったわ。
 それと、”アルバムラストの曲”=”ライブラストの曲”って図式がいつも絶対に成り立っているのもベガスの好きなトコです。ライブ中の光景が自然と目に浮かぶ楽曲は強いよ。ツアーも東京公演は抑えたので、楽しみです。


#14『Quarter Life Daydream』/ Crooked Royals

 ニュージーランドはオークランド出身のプログレッシヴ・メタルコアバンド。これまでEPはリリースしてきましたが、9曲入りアルバムを初リリース。シングルカットされた曲からの期待通りの素晴らしいアルバムでした。
 プログレッシヴ・メタルコアを体現するが如く、ヘヴィでテクいギターをプレイ。ドタイプです。本当に聴いていて楽しいし、時折心地よすぎて悠久の時すら感じる。一つ一つの音色が丁寧に作り込まれており、ドラムの牽引力も凄まじく、世界観をスムーズに確立。そして、ツインボーカルよ!クリーンが特に音域広すぎで、透明感ある美しさが好き。改めて完成度が高く、多才。程よいドライヴ感とリズム感も癖になる1枚でした。
 Tr.1「Grass Hands」が特にこのバンドを体現している気がしますが、他にもTr.3「Waypoint」のサビメロが凄い新鮮で好きだし、Tr.7「Paper Warrior」は超アグレッシブで駆け抜けるかと思いきや、落ち着くパート挟むのはズル。ラストTr.8「Between You and I」もバラードっぽくて、シンガロング必至の終幕に相応しいのよ、最高でした。


#15『Wastelands』/ Chiffre

 ドイツはオスナブリュック出身のモダンメタルコアバンド。こちらも待望のデビューアルバムをリリース。シングルカットされていた曲も3曲だけなので、残り9曲は新規曲。嬉しい!
 名盤です。バンドコンセプト通りノスタルジックな雰囲気をも醸し出す、エモーショナル且つ力強さのあるポストハードコアサウンドが魅力。それに加えて、ラップパートがあったり、シンセもふんだんに使ったりしてるのでこの時代に産み落とされたモダンな側面もあって良いですね。二刀流。Tr.6「One Hour」とかそうですが、この雰囲気でブレイクダウン入れてくんのかよクソが!(褒め言葉)って曲もある位です。ボーカルも暖かい柔らかい感じだけでなく、野太いグロウルまで出せるのえぐいて…。展開が読めないのに、まとまりが抜群に良いのは磨かれたセンスの賜物。てかもうメロディ単体だけで良すぎるんよな。好きなタイプの美メロ。
 サビへの流れ最高Tr.2「Astatos」, オシャレヘヴィなTr.3「Gaslights」, プログレしてるTr.5「Cipher」, ありがとう転調Tr.7「Strigoi」, 映画みたいなTr.10「Forevermore」, このバンドの名刺代わりになるTr.12「Neon」が特に好きです。でも聴く時はアルバム単位で1周よ。

 

#16『Love Song from the Water』/ 麻枝准×やなぎなぎ

 WFS×Keyが贈るスマホ向けアプリ、ヘブバンこと『ヘブンバーンズレッド』にて劇中を彩る全てのボーカル曲を収めたフルアルバムがKey Sounds Label(以降KSL)より遂にリリース。全曲作詞作曲は麻枝准さん、編曲はMANYOさん、歌唱は"やなぎなぎ"さんが手掛けています。
 ヘブバンも勿論プレイしているし、Keyオタクとして待望の作品でした。サントラとかもそうだけど、こうやってフル尺でゲーム"外"で聴くとまた違って聞こえるんです。全曲感想書きたいトコですが、以下4曲。
 一番初め2019年ゲーム制作決定時に公開されたTr.1「Before I Rise」は音の拡がり方が尋常じゃなく好き。目を瞑って聴きたくなる。壮大なスケールで紡がれるヘブバンの物語にピッタリだなと改めて思います。Tr.2「Burn My Universe」はキャッチーなメロディは勿論、歌詞が堪らん。本作屈指。麻枝さんには珍しく真っ直ぐで力強い歌詞がてんこ盛り。ラスサビの"ただ生きるんだ 前を向くんだ それだけが取り柄だから"ってだけで泣ける。圧倒的"泣き"バラードであるTr.11「Light Years」は、麻枝さんに調教されてるオタクだと聴くだけでガチで泣いちゃうので、聴き処を選ぶけど、その位には神曲。因みにこの曲は同じく彼が手掛けた「折れない翼」(『Love Song』収録)が原型なのでセルフカバー曲でもあります。聴き比べてみると面白いので是非。そして、Tr.13「White Spell」の完成度たるや…!音の配置、重ね方が絶妙すぎる…その音像を貫くなぎさんの歌声もまたヤバすぎ。どうしてこんなに柔らかいのに芯があるのか…。物語の曲あるあるですが、ゲームクリアしてると化けて、また違った聞こえ方もできるのも好き。
 KSLは頑なにサブスクを解禁しませんが、楽曲のクオリティは申し分ないので、是非多くの人に手に取って欲しいですね。この1枚から麻枝准の音楽、Keyの音楽にハマってみても全曲良いと思います。


#17『Wither』/ Horcrux

 カナダはオンタリオ州オタワ出身のメタルコアバンド。2年ぶり、今年初となる3曲入りシングルをリリース。このバンド相変わらず細々と活動し続けてるんよな…。しかも音楽性がブレない。
 今作も全体的にソリッドな仕上がりで、メタルコア好きなら嫌いな人はいないだろう音源。ブルータルな装飾、オーケストレーション、Djentなどなど少しずつブレンドされているのが魅了的。Tr.2「Wither」が一番好きですね、プログレッシヴで。全体的にダイナミックなサウンドで、ヘヴィリフ、ギターソロも大変心地よいです。ボーカルの激情的な歌い方も満点。


#18『Everlasting Magic』/ ラピスリライツ・スターズ

 「魔法」×「アイドル」をテーマとしたメディアミックスプロジェクト『ラピスリライツ ~この世界のアイドルは魔法が使える~』(以下、『ラピスリライツ』)のラストアルバム『Everlasting Magic』を10月26日にリリース。どうして、"ラスト"かと云うと同月31日15時00分を以てゲームがサービスを終了だからです。自分は楽曲だけ追ってた身で本作のプレイヤーでは無かったけれど、近年のソシャゲサ終ラッシュ自体には悲しさ、申し訳なさ含めやっぱ色々思うトコはあります…。
 全10曲収録なんですが、2020夏放送のTVアニメ『Lapis Re:LiGHTs』のOPED主題歌や伝説のユニット「Ray」の楽曲他、ユニットの未発表曲4曲が含まれてます。んで、この未発表曲がホントに良かった。特にこの花は乙女のTr.4「夕涼みの花影」が名曲。夏の音色に彩られるサビの泣きメロ天才。Tr.6「Vivid Cosmos」も強すぎた、ABメロとサビで徐々に表情を変えてきてオタク心を掴んで離してくれない。あと忘れてはならないTr.1「私たちのSTARTRAIL」もやはり名曲だなと改めて。サビの入り方は言わずもがな、圧倒的ラスサビ。ラピライは過去楽曲だと「RISE」,「Your, Lights」, 「アオノショウドウ」辺りがオススメですので是非楽曲だけでも(急な布教)。


#19『Rain or Shine』/ Sailing Before The Wind

 東京を拠点に活動するDjent/メロディアスメタルコアバンド。今年4枚目となるシングルをデジタルリリース。本当に紹介せざるを得ない名曲しかリリースしてこないので頭抱える(褒め言葉)。好きなバンドは数え切れない程いますが、SBTW含めて"信頼"できるバンドは数える程しかいないのよ。
 毎度お馴染みゲストですが、今回はテキサス州ダラスを拠点に活動するLost in SeparationVo.Milad Parsaをフィーチャー。好きなバンドなので嬉し。特徴的なハイピッチシャウトが最高に目立ってますね(1:13~)。前半のメロディックに猛進するメタルコアサウンド堪らん上に、フィーチャーリング以降の中盤はやっぱ聴いてると"無音"とか"余韻"の扱いでこのバンドの右に出る者はいないとガチで思います。常に美意識が高い。後半(2:31~)は安心と信頼のSBTW節、圧巻の情景パート。一筋の光が差し込む様なメロディが響き渡り胸を打ちます。リリックの「Breaking new ground as we follow this road(この道を行けば新しい境地が開ける)」もバンドの10年以上のキャリアに裏打ちされたスタンスや想いを感じざるを得なかったです。今月22日に行われた初ワンマンもソールドアウトで終えた彼ら。自分も参加しましたが本当に最高のライブでした。
 この新曲に関するエピソード等はまだあるので、是非このバンドのベーシストであるビトク先生のポッドキャストを要チェックです。


#20『Trinity』/ The Gloom In The Corner

 オーストラリアはメルボルン出身のメタルコアバンド。先月も紹介し、注目していた待望の3rdアルバムをリリース。Sharptone Recordsからは初。事前にシングルカットされた曲も多かったですが、新規曲も多く全13曲入り。
 曲順通りに全て聴き通したい名盤でした。それしか選択肢が無い。1枚通し聞きでしか味わえない音楽体験が間違いなく此処に在る。コンセプトアルバムでありながら、曲調はバラエティに富んでおり、13曲中9曲に及ぶフィーチャーリングゲスト達も超豪華。さながら物語の登場人物なのよ。リリックに込められたストーリー性だったり、映画に関する知識だったり、それらが全く解らなくとも楽しめるのが本当に素晴らしい。メタルコアに留まらず、デスコア、ニューメタルコア、Djent、ポストハードコアのニュアンスを織り交ぜ、バンドサウンド以外のアプローチも駆使し、これまでにない音楽劇を奏で、人間の本能に訴えかけてくるものがあります、これぞ"音楽"。
 開幕感溢れる序盤の引き込まれた方は異常、中盤だとTr.8「Behemoth」~Tr.9「Gravity」が最強すぎて好き。この2曲は逆にゲスト不在なのもあってか、全てを曝け出した"剝き出し感"がある(伝われ)。そして、ラストを飾るTr.13「Hail To The King」は8分15分…映像が視える程の圧巻の完成度。
 シアトリカル・メタルコアだと、Ice Nine KillsIMMINENCEなどを連想してますが、三者三葉と云うか、音楽性も雰囲気も影響を受けてる作品も違うんだろうなって解るので面白いです。



ーーー以上、10月の良かった曲20選でした。

 今月はアルバム10枚、シングル10枚を紹介。1月からこの記事を続けてきましたが、アルバム最多。本当に多かったです。特に10月14日はSpotify通知でアルバムだけでも10枚以上リリースあってヤバかった…。惜しくも選出外になったアルバムは下半期蔵出し記事で紹介できればなと思います。
 大分気温も寒くなってきて外に出るのが億劫になってきた今日ですが、ライブ会場に行くのだけは足取りが軽くなる。音楽体験をどう捉えているのか、聴く人によって千差万別だと思いますが、ライブだけは外せない派なので健康体でライブ参加できてる事に感謝する日々です。今月だと電音部のエリアミーティングが昼夜合わせて6時間のノンストップ音楽祭りで最高でした。身体ズタボロになったけど、幸せでしたね。本当に。
 とゆーことで、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。何かオススメ曲や要望等あれば何でもお気軽にコメントください。また、少しでも良かったと感じていただけたら、スキでの反応やTwitter等でシェアしていただけるとむっちゃ嬉しいです。よろしくお願いします!

 ではまた!

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