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13kg痩せて仕事の生産性も10倍になった男の話。

朝起きれない、仕事の集中力が続かなくて作業が進まない。怒りや不安がコントロールできずに人生が上手くいかない、つねに体調不良に襲われている、毎日の暮らしに張り合いがなく空虚な気持ちのまま暮らしている……など、日々の不調や不満に悩まされている人は多いもの。

そんな問題に【科学的根拠(エビデンス)】に基づくアプローチで立ち向かい、体重13kg減・体脂肪率19%減、仕事の生産性5~10倍増を達成したのが気鋭の科学ジャーナリスト・鈴木祐氏。

鈴木氏の著書『最高の体調』序章より、その体験談を抜粋してお届けします。

『最高の体調』で紹介するテクニックとアイデアは、すべて進化論をベースにしています。どれも科学者たちの地道な実験で効果が確認され、人類学者たちの丹念なフィールドワークによって妥当性が裏付けられてきたものばかり。細かいアップデートは続きながらも、進化論にもとづくヒトの理解については、今後も大きく変わらないでしょう。

が、古代ローマの碩学プリニウスも言うとおり、習得した知識を実践に移さずに保有することは難しいものです。筆者も本書の知識を実践しつづけ、その結果、人生を良い方向に変えてきました。

最初に手をつけたのは体調不良の改善です。

狩猟採集民の食事に近づくべくジャンクフードやスナック菓子のような加工食品をやめ、パンや白米といった精製穀物の量もできるだけ削減。代わりに野菜と魚の量を増やし、間食はゆで卵で代用し、食物繊維が豊富なサツマイモを主食にしました。

すると、2ヶ月ほどでビールと酒で肥えた腹は引き締まり、それまで昼過ぎには睡魔に襲われていたのが、夕方過ぎまで集中力が保つようになったから驚きです。生来のハウスダストアレルギーも改善し、QOLは大きく改善しました。

気を良くした私は、さらに運動を取り入れました。

1日に最低1時間は早歩きのウォーキングを始め、心肺機能が改善したたところで筋トレもスタート。現在は自然のなかで1日2〜3万歩のウォーキングを目標にしつつ、週3のペースで筋トレを続けています。

運動がもたらした変化も、また劇的でした。腹はうっすらと6つに割れ、いくら寝ても取れなかった疲労感が消え、血液検査ではコレステロールの改善が確認され、仕事の生産性も向上したのです。今では毎日平均15本の論文と3冊の本を読み、2〜4万字の原稿を執筆できています。

そして、続いて取り組んだのがメンタルの改善でした。

というのも、私は生まれつきの心配症で、頼みを断られるのが怖くて人に話しかけられなかったり、夜中に将来が不安になって眠れなくなったりと、まさに豆腐のようなメンタルだったからです。

ここでもまた、進化論の考え方が役に立ちました。ヒトの進化の観点から知識を編み直し、マインドフルネス、メタ認知、タスク管理などのテクニックを使い始めたのです。

効果はすぐに現れました。

詳しくは後述しますが、価値にもとづくプロジェクトで迷いを消し、インターバルとメタ認知で心配を減らし、もし不安に襲われても「観察モード」でやりすごす……。

やがて夜もぐっすり眠れるようになり、いままでの人生でもっともリラックスした時間を過ごせています。

実はそれまでも似たようなことはしていたものの、個々のテクニックは頭のなかにバラバラに存在していました。そのせいで何をやってもしっくりいかず、いろいろ試しては別の手法に手を出すサイクルのくり返しだったのです。

いま思えば、自分のなかに明確な土台がなかったため、テクニックの表層をつまみ食いするだけの状態だったのでしょう。ハンドルやブレーキの扱い方がわかっても、すべてをまとめて使えなければ車は動かないようなものです。

ところが、そこに進化論の背景が加わったおかげで、事態は好転しました。もしうまくいかないことがあっても、「ヒトはどう進化してきたのか?」と問いかければ迷子にならずにすむからです。

もちろん、これは個人的な体験であり、人により対策ごとの効果は異なると思います。

私のケースでも、実際は食事の改善だけで十分だったかもしれません。ただ確かなのは、科学の裏づけがあるアイデアを愚直に試した結果、人生が良くなったという事実です。

著者 鈴木祐(すずき・ゆう)
新進気鋭のサイエンスライター。1976年生まれ、慶應義塾大学SFC卒業後、出版社勤務を経て独立。10万本の科学論文の読破と600人を超える海外の学者や専門医へのインタビューを重ねながら、現在はヘルスケアや生産性向上をテーマとした書籍や雑誌の執筆を手がける。自身のブログ「パレオな男」で心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介し続け、月間250万PVを達成。近年はヘルスケア企業などを中心に、科学的なエビデンスの見分け方などを伝える講演なども行っている。著書に『最高の体調』『科学的な適職』(クロスメディア・パブリッシング)、『ヤバい集中力』(SBクリエイティブ)他多数。


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