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パワーワードとして見る「経口補水液」


序論 「経口補水液」というパワーワード

「パワーワード」という言葉がある。SNSでは、一瞬で人々の心を掴むための刺激の強い言葉が日々踊っている。

今日も新しい「パワーワード」が生まれ、インスタンスに人々の心を掴み、イイね👍が押され、スクロールされ流れていく。

さて「経口補水液」という飲み物ジャンルがある。字面に派手さはないけれども、私はこの言葉こそ「パワーワード」であると思っている。

本論 経口補水液という言葉は全飲料を包含する 水でさえ

「経口補水液」は主に脱水症状が現れた際に飲用するものだ。以前からも商品としては存在していたが、この昨今の時代にあって目立つ存在だ。

この「経口補水液」という言葉はすごくすごくて、日本語がおかしくなるくらい個人的には大好きだ。

口を経て水分を補う液体

それが「経口補水液」だ。

そして冷静に考えてほしい。あらゆる飲み物が「口を経て水分を補う液体」だということを。

「経口補水液」は水分の体内への適切な吸収に特化した飲料であることは論を俟たない。また点滴ではない摂取方法という意味合いもありそうだ。そうした専門性を有していることを否定はできない。

ところがその名前は、あらゆる飲み物を代表している。私たちは体調次第で当然「経口補水液」のお世話になるが、一事が万事「経口補水液」を飲んで暮らしているわけではない。

「経口補水液」とは別の、経口補水液を飲んで日々暮らしている。

朝は冷蔵庫で冷やしているペットボトルのお茶という名前の経口補水液でさっぱりして、午後は甘い食べ物と酸味のあるコーヒーという経口補水液で仕事の鋭気を養い、夜はハイボールという経口補水液で友人や家族との団欒を過ごす。

このように、私たちは生命維持のためにもまた文化的な生活のためにも、広義の意味での経口補水液を飲んで現代日本を生きている。

そして経口補水液という言葉は時空間を凌駕する。

そして縄文人とかも、例えばたんぽぽから取ったお茶とか、木の実を発酵させたお酒などその時代の経口補水液を飲んでいたことだろう。

「経口補水液」がない時代から、人類は経口補水液を飲んできたということが可能なのだ。

そして恐ろしいことに、水も経口補水液に他ならない。水は人類が摂取してきた代表的な経口補水液だ。

結論 経口補水液大好き

経口補水液。こんな強い言葉はあるだろうか。こういう日常に潜む、「Ctrl+A」みたいな言葉が大好きだ。


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