マガジンのカバー画像

ギターメンテナンス

60
運営しているクリエイター

#エレキギター

Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 2

Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 2

以前からジャンクギター再生で試してみたかったテーマの一つがモディフィケーションだった。ただ修理するのではなく、見た目や機能を大きく改造してみたいと考えていた。一方で、自分は既製品のギターは基本的にはデフォルトの状態がベストだと考えているので、もはや元の状態がわからないようななるべく状態の悪いジャンクギターを探していた。

今回のギターはパーツがほぼ欠損しており、新しくパーツを揃えないと復旧できない

もっとみる
Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 1

Fresher レスポールタイプのレストアとモディフィケーション 1

適度にコンディションの悪そうなFresherのレスポールタイプのギターを入手した。

Fresherというブランドは今まで馴染みがなかったのだが、共和商会が1970年代から80年代にかけて展開していたブランドらしい。Fresherのロゴは元々Fenderのロゴを模したようなデザインだったが、レスポールタイプのギターも販売していたようでこのギターについているロゴはFender感のないデザインになって

もっとみる
指板のアールを図るやつ

指板のアールを図るやつ

最近、二回目のリフレットに挑戦した。去年初めてのリフレットをした際に出てきた反省点の一つに、指板修正時のラジアス(アール)をしっかり整える、というのがあった。指板のカーブが綺麗に整ってないと、フレットを打った時に浮きが出てしまう。

任意のアールがついたサンディングブロックを使って指板修正をすれば、ある程度狙ったラジアスに形が近づくはずなのだが、前回はどうもここがちゃんと綺麗にアールを付けられてい

もっとみる
79年製Greco EG800 その2

79年製Greco EG800 その2

「美品」として売られていたGreco EG800だが、改めて分解してみると結構汚れている。ピックガードの下やブリッジ周辺など普段手入れがしにくい部分は特に汚れていた。

ポリ塗装の耐久性はすごく、ワックスでしばらく磨いたら何事もなかったかのように綺麗になった。汚れはすごかったが傷や打痕は少なく、そういう意味では確かに美品かもしれない。

ネックは調整されていたのか、全然問題のない状態だった。元のフ

もっとみる
最終的にフレットと指板の手入れはフレットバター+αがベターかもしれない

最終的にフレットと指板の手入れはフレットバター+αがベターかもしれない

フレット磨きと指板掃除は、見た目的にも機能的にも簡単で失敗のリスクが少なくそれでいて効果的なギターリペア作業の一つだ。自分もジャンクギター再生をする際にはほぼ必ずやっているし、ギターリペア/メンテナンスの第一歩としてまずおすすめしたい作業だ。

自分の場合は、まず指板をマスキングテープで覆ってコンパウンドを使ってフレットを磨いた後に、マスキングテープを取り除いて指板をオレンジオイル等で掃除・保湿す

もっとみる
79年製Greco EG800 その1

79年製Greco EG800 その1

長年試したいと思っていたギターの一つ、70年代末のGrecoを購入した。

今まで色々な年代のGrecoを試してきたが、70年代末から80年代のGrecoは近年値段が高騰していてなかなか手を出せずにいた。今回購入したEG-800も安くはなかったのだが、コンディションは悪くなさそうだったので思い切って購入してみることにした。

説明では「美品」とのことだったが、実物をよく見てみると色々汚れており、ポ

もっとみる
ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツを磨く

ゴールドパーツのメンテナンスは難しい。普段から小まめに乾拭きをしてくすみや錆の原因となる汚れを除去するのが大事なのは勿論だが、中古で購入したギターの場合すでにパーツにくすみや錆が発生していることがある。

最近購入したギターのゴールドパーツもかなり酷い状況になっていた。このような状態になってしまうと、乾拭きで元の輝きを取り戻すのは難しい。メッキ被膜の薄いゴールドパーツにはコンパウンドを使うわけにも

もっとみる
PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

PLAYTECH レスポールタイプのクリーニング

メンテナンスの練習用に中古のPlayTechのレスポールタイプのギターを購入した。

PLAYTECHのギターは結構時期によってスペックが変わるようで、2024年3月現在発売されているレスポールタイプのモデルはデタッチャブルネックだが、おそらく10年程度前に販売されたと思われるこの個体はセットネックだった。

指板も、現行のモデルはローズウッドのようだが、このモデルはおそらくテックウッドが使われて

もっとみる
メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

メーカー不明Les Paulタイプギターの修理

一年ほど前、普段通りオークションを見ていたら適度に状態が悪そうなギターが出品されており、値段も安かったのでリペアの練習用に購入した。

説明文には「特に問題なく使用できますので、ご安心ください」と書かれていたが、届いたギターを見てみると弦高は12フレットで1.0〜1.5cm(ミリではなくセンチ)ほどあり、リアのピックアップからの音も出ない状況だった。

弦高が異様に高い原因は、極端なネックの純反り

もっとみる
シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

シングルサイズハムが載った配線済みピックガード

PlayTechにSuhrのV63+とDiMarzio Tone Zoneを載せて遊んでいたのだが、結局この二つのピックアップはPlayTechから外すことにした。良いピックアップを載せれば良い音は出るのだが、先日改めて検証をしてみてやはり高いピックアップはそれなりに高いギターに載せてこそ真価を発揮できるものだということを実感したので、これらのピックアップは別のギターに載せることにした。

元のピ

もっとみる
欠けた指板のインレイをレジンで直す

欠けた指板のインレイをレジンで直す

リフレットのための指板修正をしている中で、数箇所インレイが欠けてしまった。

そのタイミングではどうやって修復するかアイデアがなかったので、一旦そのままリフレットの作業に進んでしまったのだが、いざリフレットが終わって弾き心地を確認してみると、インレイが欠けた部分が指に引っかかり演奏に支障があることがわかったので、今更だが修理することにした。

欠けてしまったインレイを丸ごと外して新しいインレイを埋

もっとみる
初めてのリフレット - 擦り合わせ編

初めてのリフレット - 擦り合わせ編

指板修正をしてストレートを出した上でフレットを打ち込んだはずだったが、改めて反り具合を確認してみるとすでに順反りが発生してしまっていた。フレットを打ち込むことによって多少指板が広がり逆反りが発生する可能性があるとは思っていたが、実際には逆に順反り状態になってしまった。

細かい凸凹もありそうだったので、擦り合わせをすることにした。

フレットの擦り合わせの前にフレットエッジの処理をする。この部分を

もっとみる
初めてのリフレット - フレット打ち編

初めてのリフレット - フレット打ち編

溝切りまでの作業から数週間、時間ができたのでいよいよフレットを打ち込んでみることにした。

まずは打ち込むフレットの購入から。工房やメーカー以外でフレットを購入する人なんてそんなに多くないだろうと思ったが、意外にもAmazonでもかなり多くの種類のフレットが販売されている。事前に調べていた情報から「ステンレスよりニッケルの方が難易度が低く、工具への負担も少ない」「フレットを適切な長さにカットしてタ

もっとみる
初めてのリフレット - 溝切り編

初めてのリフレット - 溝切り編

前回、反りが酷いネックに指板修正を施してなんとかストレートを出すことができたが、かなり指板を削ることになってしまったのでその分フレットの溝が大分浅くなってしまった。

指板を削った際の削りカスも大量に溝に詰まっている状態だったので、掃除も兼ねて溝切りをすることにした。

厄介なことにこのネックはバインディングがある。そのまま普通のノコギリで溝を切ろうとすると一緒にバインディングも切れてしまう。バイ

もっとみる