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大人になってからの成長ってなんだろう

こんにちは、表現アーツセラピストのゆうきです。

私は、どちらかというとお子さんのサポートよりは、大人の心理的サポートをすることの方が多いのですが、私自身も含めて、大人になっても人はどんどんと成長するものだなぁと感じています。

そこで成長とはなんだろう?と改めて考えてみました。

成長とは?

成長といえば子ども。子どもの成長といえば、「発達」という言葉もあります。皆さんは、子供の発達というと、どんなイメージが湧きますか? 私はどちらかというと、このような(↓)感じのイメージがあります。

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年齢に従って、身体の変化と脳の発達。それに伴いできる事が多くなり、様々な知識を得てゆく。1歳の子供と5歳の子供ではできることが全然違う。そして思春期になれば、また身体の変化と心の発達。反抗期だったり、様々な変化をくぐり抜け・・親から離れて自立。なんだか”右肩上がりな成長”というイメージを私は持っていました。

では、ある程度成長した後の、もう右に行った後の、大人になってからの私たちの成長イメージってどんなものなんだろう?

意外にも、大人になってからの成長のイメージが、子どもの成長のようには、パッと浮かばないなと思いました。

ではでは、大人になると成長しないのか?と言われれば、それは・・NO!

大人も、すご〜〜く成長してゆきます。いや成長というよりは変化です。

最初にあげた成長モデルを見ると、私たちの身体は、子どもから大人への成長期間とは違い、その機能だけを見れば、ある年齢からは、身体的には衰えてゆきます。それって右肩下がりなイメージ・・・ですよね・苦笑。なんだかいやだわ、このイメージ・笑。この視点で見ると「成長」とは程遠い感じがします。

「成長」を「変化」と捉える

「変化」と置き換えてみると、様々な成長のイメージがいっぱい湧いてきませんか?

一昔前までは、脳の発達もある程度の年齢からは変わらない(もしくは衰える)、なんていうことも言われていましたが、今はどんな歳でも、脳も変化する事はわかっています。(余談ですが、右脳・左脳と、その機能もくっきりはっきりと分かれているわけではないそうです。もちろん司る機能はありますが)

変化に必要なのは”リワイアリング(re-wireing) ”

近年心理学の、特にトラウマの治療でよく聞く言葉で ”リワイアリング(re-wireing) ”というのがあります。それは脳の回路を再構築する(ワイアーを繋ぎ直す)、という意味です。この回路の繋ぎ直しは、実は何歳になっても出来ると言われています。だからこそ、トラウマ治療には、この脳の仕組みを知ることって、とても大事なんです。

過去のショック、それに伴う脳から発せられた本能からの自分を守る命令、その命令に従って起こる身体的な反応。そのショックな出来事が過去であっても、現在(いま)その頃と似たような感覚を感じると、フラッシュバックが起こるのは、このような脳と身体でもって、自分を守る本能にあります。

脳と身体が覚えてしまったその反応を変化させるには、リワイアー、脳内回路の再構築と、それに伴う身体感覚(交感神経・副交感神経など神経回路)も重要な鍵を握っています。それは薬だけではなく、体験としての安心感を心の中に育てるプロセス、また人との繋がりだとか、もっと環境的、関係性の実体験の中でもこの回路を再構築することが大切で、そして、それは何歳になっても可能なんです。

そんなわけで、脳がどうのこうの・・ではあるものの、実は、その外側の影響も、かなり多いのです。ある程度の年齢までは与えられた環境の中で、その中で起こる体験を受けて育ちます。その中で回路だってワイヤーされちゃう。でもそれを変えたいならリワイヤー、再構築すれば良い。

ということでワイヤーを再構築したいならば、自分が意識的に人生を選択してゆくことが必要です。その視点!それが大人の成長・変化へ繋がってゆきます。そこに気がつけば、いつからでも変わることは可能です。

自分の枠が崩れる時こそ変化の時。

私たちは、生まれた国、生まれた家族、またそこで受ける教育によって、様々なものの見方や、文化、規範、常識やそれに伴う感情などを習得しながら、身体的にも精神的にも、ある程度決まった枠組みの中で成長します。その中に、自分のものでない物を随分と取り込んでいる、ということがあります。自分が良いと思っているのか?社会が、文化が、親が「良い」と刷り込んだのか? 前の世代からくる物の見方、価値観、文化、時には世代間に伝播しているトラウマもあるんです。

でもそれらは今の自分に本当に必要なもの?

そもそも自分に合うのだろうか?

自分に合わないもの、違うものは、必ず人生のどこかで「これどうなの?」という疑問が出てきます。時にはそれが「問題」としても出てくる時も。とても不快なのですが、でもそんな時、今まで自分が信じていた常識や、ものの見方が崩れることがよくあります。

大人になって成長する時って、これまで培ってきた「枠」が大きく崩れる時、もしくは、壊したい!と内からなんらかの衝動を感じる時だと思っています。

新しい生活環境での戸惑い、人間関係での難しさ、問題、思いも寄らないことが人生に起こった時、また身体の変化からくる辛さ、それに伴う心の変化などなど・・・何かしら疑問を感じ始めたり、時には気持ちが落ち込んだり、壁にぶち当たって、今までの自分にどこか限界を感じる事もあります。

そんなドラマチックでなくても、なんとなくつまらない日々、生きていない感覚、それらも変化の手前でくすぶっている感じがします。

そういう時自分について考える、見つめ直すキッカケになりますよね。大きな出来事や問題が起こった時は、嫌でもそうなります。逃げれば逃げるほど問題は大きくなってしまうから。

すごく見たくないけど、何かを変えたい気持ちになる。いや変わらなきゃいけないと思う時すらある。焦り?自分がこれで良いと思っていた事に、さほど魅力を感じなくなってたりも。

自分の人生には何が必要なのか?という問いが始まる。

そしてそれを選ぶことは可能なのか?それを選択して良いのか?

自分には選択する力も、選択肢もある

自分が信じていた今までの規範や常識、認識が揺らぐからこそ様々な葛藤が出てきます。その葛藤から始まる、再度選び直すプロセスは、まさしくリワイヤー脳の回路再構築プロセス。今まで刷り込まれた「枠」の下にあった、本音の自分に繋がってゆくプロセスです。より自分らしく、より自由になってゆく道、豊かさを感じる道だと思っています。

もちろん、見つめ直した結果、同じ価値観や道を選び直す、ということもあります。あれ?何も変わってないじゃん、と思いますが、何も別な道を選ぶことが変化というわけではありません。

大事なのは、意識して(納得して)選んだ、という自覚。

結果的に同じ道を選んでも、無意識に選んでいる場合と、自覚した上で再度選んだあとでは、その状況や環境を見る目も感覚も変わってきます。なので同じ道、同じ環境だけれど、それは意識して選ぶ前とは、全く違う景色になっているでしょう。そこに意味があります。

個人的な事ですが、私自身も、幾度も幾度もその節目というか、成長のチャンスがきました。最近では40前後です。まさにミッドライフクライシスです。それから6年がすぎましたが、私の価値観、考え、行動は大きく変化しました。そして現在も変化中です。

悩み・問題・疑問のポジティブな側面


人生の上で何か問題が起こったり、悩み始めたり、疑問に思ったりする出来事が起こる。そんな時、本当はどうしたいのだろう? と自分に問いかけが始まりますこのような問いは、人生を大きく広げて豊かにするためのキッカケだと思っています。

そのような視点でみると、問題も悩みも疑問も、実はとても貴重なものなのです。人生において湧いてくる疑問や、時にはネガティブな感情には、きっとあなたの心に繋がるメッセージがたくさん詰まってるはずです。そのきっかけは、様々ではありますが。

同じ道を意識的に選び直しても、また選択を変えて違う道を選んだとしても、結果的には豊かな人生へと続いていると思っています。

もう一度、自分にとって何が大事なのか?何が必要なのか?そんなことを人生に問われる。

そしてそこから再構築するプロセスが始まり、大人になってからの変化、大人になってからの成長が始まるのです。

今、あなたにとって何が必要ですか?

人生でもっとも大事なことはなんですか?




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