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#リクエスト
GMの憂鬱(未完)
「あっ、まだ集まってない……間に合うかな?」
マーダーミステリーにはまって数年、ゲームマスターもちょこちょこやるようになってもう半年。俺はちょっとした問題を抱えていた。
開催ギリギリにならないと募集定員にならないのだ。
「やっぱり都内まで出ないとなのかな~? それか…
その声に(未完)
その声に導かれて、ここまで来た。
その声に導かれて、遠い谷を越えた。空だって飛べた。
心も体もぼくの自由だ。
その声は、いつも、直接ぼくの心に届いてくる。
けれど、その声にはまだ名前を呼ばれたことがない。
まだ名前を呼んでくれない、その声に向かって、ぼくは旅を続けていく
Le verset bleu(未完)
世界には青が溢れている。この世に光が生まれた時、それは青い光だったのではないかと思うほどに。
でも僕は、まだ本当の青を知らない気がする。
青、蒼、碧、あお…
それは空の果なのだろうか、海の底なのだろうか。
本当の青を、そんな句を探し出してみたいのだ。
ぼくらと猿と春のうた(未完)
時折、夢を見る。ぼくたちが、まだ猿だった頃の夢。
普通なら、道具を手に入れて猿は進化した。前足を、手を使うことを覚えて、立ち上がった。
でも、夢の中のぼくには、最初から違うものがあった。音楽だ。自然の立てる音は、いつも歌となってぼくの頭の中に流れていた。
春の雪、溶けなくても(未完)
春の雪、という季語がある。俳句では、降ってもすぐに溶けてしまう、儚い淡い雪のこと、だそうだ。
こういう意味を季語に与えた人は本当の雪を知らないんだな、とあたしはいつも思ってしまう。
今日も溶けない春の雪道を掻いて、車を走らせる。納車したばかりの、新しい相棒だ。
ファインダーには牙がある(未完)
轟音が、遠くを滑り落ちていった。
「春雷? すごいね」
レンズの向こうには、今宵の獲物がポーズを変えながら不敵に笑っている。
古来から写真を撮ると魂を吸い取られると言われているが、あれは本当だ。
現にいま、私はこうして獲物の前でシャッターを切っている