見出し画像

地球温暖化が進むと日本はどうなる?異常気象の原因や対策を簡単に解説

「今年は秋が一瞬で終わってしまった…」そう感じている方も多いかと思います。

実際、地球温暖化の影響で2023年の7〜9月の平均気温は統計史上最高値を記録し、とんでもなく暑かったうえ、なかなか気温が下がらない日々が続きました。

ニュースでも、「春と秋がなくなり、日本の四季が“二季”になる」と報道されていたように、このままでは、本当に数十年後、日本の四季がなくなってしまうかもしれません。

四季がなくなると、四季折々の美しい姿を見せる日本の魅力が失われるだけでなく、今まで当たり前のように食べていた、旬の食べものが食べられなくなることも…。

今回はそんな、日本の異常気象を引き起こしている原因や、私たちにできる対策を詳しくお話しします。

地球温暖化が進むと日本はどうなる?

実際に、地球温暖化が進むと日本はどうなるのでしょうか?

以下で、詳しく解説します。

地球温暖化の原因

地球温暖化 原因

参照:地球温暖化の現状と原因、環境への影響|COOL CHOICE

そもそも地球温暖化とは、温室効果ガスが大気中に多くなりすぎてしまい、地球の気温が上がることを指します。

主な温室効果ガスは以下のとおりで、これらを総称して「温室効果ガス」と言います。

  • 二酸化炭素

  • メタン

  • 一酸化二窒素

  • フロン類

近年では、この温室効果ガスの量が増加しています。主な原因は、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の発生です。

大気中の二酸化炭素濃度は増えつづけている

大気中 二酸化炭素

参照:全大気中の月別二酸化炭素平均濃度 | 温室効果ガス観測技術衛星GOSAT[いぶき]

前述したとおり、温室効果ガスのなかでも特に二酸化酸素の増加が著しいです。

その理由は、化石燃料の燃焼や森林伐採など、近年の産業活動によるものが大きいです。

グラフでは2009年から2023年までのデータですが、大気中の二酸化炭素濃度は1750年以降から増えつづけています。

二酸化炭素濃度が高くなると、温室効果ガスの量が増加し、結果的に世界の気温上昇に繋がってしまいます。

地球温暖化によるさまざまな影響

地球温暖化は、自然の生態系にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。以下で具体的に解説します。

気温の上昇

2011年から2020年の世界平均気温は、産業革命以前の1850年から1900年と比べて、約1.09度上昇しています。

実際に、日本の真夏日(気温35℃以上の日)も、増加しつづけています。

異常気象

今年の10月末に東京都心で観測されたひょうを覚えていますか? 

このような異常気象は、気温の上昇や下降、大気中の水蒸気量の変動で起こります。そのため、地球温暖化により、気温が不安定な状態になると異常気象が起こりやすくなります。

異常気象になると、予測できない災害が起こり対策が遅れ、大きな被害をもたらす可能性があります。

例えば、2014年8月には、西日本から東日本にかけて記録的な大雨が発生し、全国で死者・行方不明者合わせて80人以上に上りました。

北極の海氷の減少

北極 海水 減少

参照:海氷域面積の長期変化傾向(北極域)|気象庁

北極の海氷は、1979年以降急速に減りつづけています。1年あたりの減少量が、北海道の面積に匹敵する年もあるほどです。

北極海の海氷が減ると、海水の温度が上昇します。雪は太陽光を10〜20%しか吸収しないのに対し、水は90%も吸収するためです。

北極の氷が完全に消失すれば、地球全体の温暖化は2倍のスピードで悪化するという報告もあります。

平均海面水位の上昇

平均海面水位は、1901年から2018年の間に約0.20m上昇しています。

平均海面水位が上昇すると、陸地が少なくなり国土が減少していきます。海面水位が1m上昇すると、島国である日本の砂浜は約9割消失するとも言われています。

地球温暖化による2100年の日本

地球温暖化が進むと日本はどうなる

地球温暖化は、現在も進行しつづけています。温室効果ガスの排出量も増えつづける一方です。

このままの状態が続くと、2100年の日本ではどのようなことが起こるのでしょうか。

気温は約1.4℃から4.5℃上昇

21世紀末の気温は、産業革命以前から約1.4〜4.5℃上昇すると予測されています。

日本で気温が上昇すると、猛暑日が増え、食料栽培や健康に異常をきたす可能性があります。今まで普通に食べていた料理が食べられなくなる…ということもあるかもしれません。

降水量の増加

地球温暖化により、降水量は増加すると予測されています。

特に、大雨や短時間強雨の発生頻度は上昇します。そのため、津波や土砂崩れといった二次災害のリスクも高まります。

積雪・降雪量の減少

積雪量と降雪量は減少すると予測されています。気温の上昇により、雪よりも雨が降るようになるからです。

一見、積雪量が減り、寒い日が少なくなるのは良いように思いますが、冬に育つ食べ物が食べられなくなり、輸入に頼らなければならない可能性もあります。また、スキーなどの産業も停滞するため、経済的な被害も考えられます。

台風の割合が増加

日本では、地理的要因により、台風の影響を受けることが多いです。台風で電車が止まり予定が狂った、学校が休校になってしまったなど、大なり小なり誰もが被災経験があるかと思います。

しかし、地球温暖化の影響により今後、さらに台風の発生数や脅威が増すと予測している研究者もいます。

台風の発生数や脅威が増すと、土砂崩れしやすい山間や、太平洋側に面している都市は住みにくくなるかもしれません。特に沖縄は台風の通り道になりやすいため、住みにくくなる可能性もあります。

海面水温は約1.14℃から3.58℃上昇

海面水温 上昇

参照:さんまの水揚量|  全国さんま棒受網漁業協同組合

21世紀末の日本近海の平均海面水温は、1.14〜3.58℃上昇すると予測されています。

海面水温が高くなると、水中の生物に異変が生じます。たとえば、秋が旬のサンマの漁獲量は年々減少し、サイズも2100年には2.5cmほどの小型になると言われています。

秋の味覚とも言われるサンマが、2100年には姿を消しているかもしれません…。

海面水位は約0.39mから0.71m上昇

海面水位 上昇

参照:JCCCA 全国地球温暖化防止活動推進センター

海面水位も2100年には、約0.39mから0.71m上昇すると予測されています。

上記の写真は、ツバルという国の浸水被害を撮影したものです。ツバルはもっとも高い標高でも海抜4.6mしかなく、海に沈む国として取り上げられています。

日本でも、沿岸の地域はツバルと同様、浸水の被害が出ると言われています。今のままでは、お台場が沈む日が来るかもしれません。

地球温暖化のために個人ができること

地球温暖化 個人 できること

地球温暖化は、今や世界的な課題となっています。地球温暖化を抑制するためには、温室効果ガスの排出量を削減しないといけません。以下で、私たち個人ができることについて解説していきます。

節電してエネルギー消費量を減らす

まず、電力の使用量を減らすことで、無駄なエネルギー消費を防ぐことが可能です。具体的には、以下の節電方法が挙げられます。

  • 照明をLED電気に切り替える

  • 省エネタイプの電化製品を使用する

  • 冷蔵庫やテレビなどの電化製品の使用時間を短くする

自動車の使用を控える

また、自動車を運転することでガソリンや軽油などの化石燃料が使われ、温室効果ガスが排出されてしまいます。

地球温暖化を抑制するためには、自動車の使用を控えることが重要です。自転車や徒歩は、エコと健康の観点で一石二鳥の効果が得られますよ! また、公共交通機関を利用することで、余計な化石燃料の消費も避けられるでしょう。

肉や乳製品を控え、野菜を多く摂る

実は肉や乳製品の生産では、家畜の飼育や加工などの過程で、大量の温室効果ガスが排出されるんです。

たとえば、牛肉1kgを生産するのに排出される温室効果ガスの量は、トマト1kgを生産するのに排出される温室効果ガスの量の約20倍にもなります。

急にお肉を食べなくなることは健康に悪影響を及ぼすため、まずは過剰な肉や乳製品の摂取を控えてみましょう。

飛行機の使用について考える

飛行機は、新幹線の約4倍のCO2を排出する移動手段です。飛行機で100キロ移動すると、新幹線で400キロ移動するのと同じ程度のCO2を排出することになります。

新幹線で移動できる範囲では、飛行機は使わないようにすると、少しでも地球のためになるかもしれません。

廃棄食品を減らす

廃棄食品は、埋め立て地で腐敗するとメタンガスを発生させます。メタンガスは、二酸化炭素よりも温室効果が高く、地球温暖化に大きな影響を与えるんです。

また、食品の輸送や梱包にも、大量のエネルギーが使われます。なるべく食品を廃棄させない工夫が必要ですね。

廃棄食品を減らすための「フードシェアリング」については、以下の記事もぜひご参照ください。

ソーラーパネルの設置を検討

ソーラーパネル 設置

風力や太陽光などの再生可能エネルギーは、化石燃料を使わないため、温室効果ガスの排出量を抑えられます。

ソーラーパネルの設置には、初期費用がかかりますが、長い目で見れば、電気代の節約にもなるでしょう。

再生エネルギーを使用したイベントも開催されており、注目されています。気になる方は、ぜひこちらの記事をご覧ください。

電気自動車に乗り換える

電気自動車は、ガソリン車やディーゼル車に比べて、走行時に排出される温室効果ガスの量が少ないです。

また、最近はガソリンの値上げが著しいですよね。電気自動車の方が燃料費が安いため、買い替える際はぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

中古品やリユース・リサイクル品を購入

新しいものを買うことは、製品の製造・輸送に大量のエネルギーを消費します。そのため、中古品やリユース・リサイクル品の購入が推奨されています。

リユースカップで累計80トンのCO2削減に成功した渡辺敬太さんの記事はとても参考になるでしょう。

また、古着系Youtuberゆーみんさんの記事もおすすめです。捨てられるはずだった服も、考え方ひとつで着てみたくなるはず。

温暖化対策に力を入れている企業の製品を購入

温暖化対策をしていても、どうしても新しく買わなければいけない商品もありますよね。温暖化対策に努めている企業から購入すると、環境に配慮して製造された商品を購入できます。

温暖化対策をされている企業の商品について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください!

また、地元でとれたものを地元で消費する「地産地消」にも注目が集まっています。輸送に必要なガソリンや段ボールの消費が抑えられ、CO2削減につながります。竹井淳平さんは、乾燥野菜を通して、環境課題に貢献しています。

近隣住民の経済を支えることにもなるため、ぜひ地産地消を心掛けてみてください。

発信する

地球温暖化の現状や対策について、多くの人に知ってもらうことが、地球温暖化の抑制につながります。

環境問題の発信することにハードルを感じる方は、YouTuberのがちゃんさんの記事をぜひ参考にしてみてください。

また、ゴミ拾いオフ会やエコグッズ作りなど、ファンと一緒に環境課題に向き合っている雪村花鈴さんの活動にも注目です!

地球温暖化のために企業ができること

地球温暖化 企業 できること

企業では、従業員一人ひとりが地球温暖化について理解することが求められます。企業にしかできないことは何でしょうか。

社内啓発

企業で社内啓発を行い、地球温暖化の原因、対策について理解してもらいましょう。セミナーや講演会を開催したり、社内掲示板を活用したりするなど、企業内で地球温暖化について知見を深めてみましょう。

省エネに関する取り組み

オフィスを構える企業が省エネに取り組めば、大きなエネルギー消費を抑えることができます。空調の温度設定を変更したり、照明のLED化を進めるだけでも、温暖化対策として十分と言えるでしょう。最近では、省エネ型の自販機の設置を行っている企業も多くなっています。

資源やゴミを削減

近年、ペーパーレス化をすすめている企業は多いですよね。会議資料や社内報など、電子化を進めていきましょう。

また、忘年会や新年会などのイベントでは、多くの食品が廃棄されています。

これに警鐘を鳴らすのが「3010運動」です。3010運動とは、最初の30分と最後の10分は自分の席で食事をし、食べ残しを減らす運動です。余計な廃棄食品を増やさないように、ぜひ会社で取り入れてみてください!

運転・移動に関する取り組み

通勤や仕事中に車を使用する場合もあるでしょう。低燃費で安全を考える運転として、エコドライブが推奨されています。

具体的な取り組みは以下のとおりです。

  • 無用なアイドリングをやめる(アイドリングストップ)

  • 不要な荷物を減らす

  • ふんわりアクセルを推奨する

参考:エコドライブ低燃費で安全を考えた運転|COOL CHOICE 未来のために

インフルエンサーや専門家の地球温暖化に対する意見

地球温暖化に対しての意見は、人によってさまざまです。今回は、CQでも紹介させていただいたインフルエンサーや専門家の意見を以下でご紹介します。

“ガマンしない”温暖化対策|江守正多さん

社会が動いていくためには、相当なエネルギーが使われますよね。東京大学 未来ビジョン研究センター教授である江守正多さんは、「やるべきは、社会の仕組み自体をCO2が出ないような形に変えること」と話されています。

温暖化対策のためのルール作りについてお話しされている江守さんの記事をぜひ読んでみてください!

次世代の旅の形|やよぴさん

環境や社会に優しい「サステナブル・ツーリズム」を知っていますか?

ホテル暮らしOLのやよぴさんと、「泊まるだけで地球に優しい」持続可能な観光を目指すためにできることを学べます。

やよぴさんが、旅暮らしを始めたルーツについても話されていますよ!

「CIRCLE CUP」開発者|中西理恵さん

環境問題に興味を持ったきっかけが「子育て」である中西理恵さん。何気ない日常の中でゴミを出している自分に気付いたそうです。

調べてみると、使い捨てカップは年間40億個捨てられていることが分かり、「負の使い捨てループ」を断ち切るために「CIRCLE CUP」を立ち上げ、テイクアウトカップのシェアリングサービスを行っています。

「CIRCLE CUP」についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ中西さんの記事を読んでみてくださいね!

身近なところから、地球温暖化対策をはじめよう

地球温暖化 身近

地球温暖化が進んでしまうと、環境的にも経済的にも、日本はかなり深刻な状態になるでしょう。そうならないためにも、個人が対策をしていかなければいけません。

一人ひとりの小さな行動が積み重なって大きな力になり、未来へと繋がっていきます。まずは節電をしたり、廃棄食品をなくしたり、身の回りからできることからはじめてみましょう。

高めよう 脱炭素指数!

CQは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、一人ひとりがライフスタイルについて考え、行動を変えていくことを目指すプロジェクト。イベント協賛やグッズ展開などを企画しています。

最新情報はTwitterを通じて発信中です。ぜひフォローをよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?