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痴人の愛/谷崎潤一郎

愛とは歪みの杖


小さな頃から本が好きで、お気に入りはいつも手元に置いてある。
なかなか本が捨てられないので本棚は「お気に入り」でいっぱいだ。
そんな中からまずはこの一冊。

「痴人」とは〝愚か者〟という意味合い

前にどこかで書いたけれど、改めて今思うことを追加しておく。

この本を初めて読んだのは二十歳頃だった。
そのときの感想は
「男ってアホだな」
この一言に集約された。
二十歳くらいの女性はその辺サッパリしているのだ。

そんな物語なのに、なぜこの本が好きなのか。
アホと思いつつ手放さない一冊。
痴人(愚か者)の愛とはいうけれど、愛の前では誰もが愚か者になるからだろうか。

ちなみに面白かった点の一つに、読後の感想が男女でかなり違っていることもある。
ネットで見てみると
「初めはバカな男だと思って読んでいたけど
 最後は正直笑えない・・・
 明日は我が身かもしれない・・」


という男性からの意見がいくつもあって
男性目線だとそういうものなのか、ということがわかった。

ねじれた愛を昇華させ、文藝作品として私たちに叩きつけた谷崎潤一郎。
時代を超えて私たち読者を平伏させる〝食えないおじさん〟谷崎潤一郎。


なんてことを考えていたらふと思い浮かんだのがこの曲のこの一節。

「愛とはゆがみのつえ」

なんでもっと/奥田民生

「愛とはゆがみのつえ」ってフレーズ、出てくる?
まだまだこの域には到達できない未熟者であります。


★勝手に空耳アワー★
あいとはゆがみのつえ
愛 so what?  you've got me not two yeah!
(愛 それはなに?二兎を追う者は一兎をも得ず!)

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