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苦手なこと、克服しますか?

みなさんは “苦手なこと“ ってありますか?
そして、それを「克服したい」と思ったことはありますか?

なぜ人は苦手なこと・不得意なことを
「克服しなきゃ」「できるようにならなきゃ 」と思うのでしょうか?
そしてそれはどんな心理状態から来るのか、ちょっとお話してみようと思います。


◆「克服したい」の本音

苦手なことがある→「克服したい」「できるようにならなきゃ」
というのは、きっと多くの人が思うこと。
・・・と言っても、苦手なことって人それぞれで多種多様です。

特に不安障害の方にとっては本当に悩ましい問題でもあります。怖いもの・苦手なものが多いからです。

ですが  “なぜ自分は克服したいのか?” と更に一歩踏み込んで思考する人は、なかなか居ないのではないでしょうか。
あなたは自分の苦手なことを、なぜ克服したいと思うのでしょうか?


その理由は、大きく分けて2つあります。

① 生活等に支障が出て困っている (表面的な問題)
② 苦手である自分を受け入れられない (本質的な問題)

【①】生活等に支障が出て困っている(表面的な問題)

●電車に乗らないと会社に行けない
●掃除をしないと部屋が汚れていく
●勉強ができないと進学できない
●人間関係が苦手だと職場で困ってしまう

普段行っている生活スタイルやルーティーンをスムーズに行えなかったり、滞ってしまうから、という理由。


②】苦手である自分を受け入れられない (本質的な問題)

自分が苦手なことを、周りの人が難なくこなしているのを目の当たりにしたり、皆ができることを自分ができないと知った時。
「自分にはできない」「周りと同じように出来ない」「自分はダメだ」と思い込み、落ち込んでしまう。

周りとの違いを受け入れられないということは、「苦手だっていいよ」「できなくたっていいよ」と、苦手である自分にOKを出せていない状態。
つまり、苦手であることを自分自身が許せていない状態なのです。


“自分を許せていない”というのは、「出来ないことはダメなことだ」「悪いことだ」と、自分自身を罰しているということでもあります。
そして自分自身から罰せられているので、自分の「苦手なこと」「できないこと」に罪悪感を持ってしまう。


この罪悪感が無かったらどんなに楽なんだろう、と思いますよね。
でもこの罪悪感、どこからやってきたのでしょうか?

なぜ私たちは、周りとの違いを受け入れられないような価値観になってしまったのでしょうか?


◆学校教育の落とし穴

この罪悪感が育ってしまったのは、子供の頃からの家庭環境や関わった人とのコミュニケーションなど、人それぞれ様々な背景があると思います。

ですが、やはり大きく影響しているのは学校教育。
日本の学校教育は “得意”や“不得意” 関係なく、大人が決めたカリキュラムをみんなが同じ方向を向き、同じようにこなしていきます。

●先生の言う事に素直に従う、周りと同じように出来ている=良い子
●意見を主張し素直に従わない、周りと同じようにできない=悪い子

どう考えても、ありのままの自分を表現して認めてもらえるシステムではないので、自己肯定感の形成からは程遠い気がしてしまいます。
周りと同調することは正しく、言う事を聞く子は良い子なのです。

そんな教育を受けてきた私たちは、大多数から外れてしまった瞬間に「自分が間違っているんだ」「自分がいけないんだ」と次第に罪悪感を感じるようになります。


「周りはできるのに、自分にはできない」
周りと同調できないとそれだけで大きな不安を抱えてしまうように、幼いころから教育されてきてしまっているのです。

このような教育を受けてきた私たちが「自分ができないこと、苦手なこと」をなかなか受け入れられないのは、ある意味仕方のないことなのかもしれません。

◆克服の“目的”を考える

苦手なものを「克服したい」と思った時、その目的を考えてみましょう。
周りを見て、何でも克服しなきゃと思うと、それだけで苦しいのです。

克服したい目的や動機が、自分のやりたいこと・目標に通じるプラスのものであれば、それは正しい方向です。
ですが、もしそれが人の目や、周りと足並みを揃えることが目的だったとしたら、「その努力って本当に必要?」と、今一度自分に問いかけてみても良いかもしれません。

どんな時も、目的が “他人に認められること” になってしまうと、いずれ苦しさが生まれます。
どんな行動でも、目的を明確化することはとても大事なのです。


次回は自己肯定感について書いてみようと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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