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【アンカーの思い出】(21)関西ローカル番組の行く末
関西は「東京」への対抗心や独立心というものが昔から根強くある土地柄である。たとえばわたしは一連のエントリで「たかじんのそこまで言って委員会」という番組を何度も引き合いに出しているが、あの番組は全国に放送エリアを拡大していく中にあって、首都圏では今なお放送されていない。その理由としては、首都圏で放送すればパネラーが自由な発言ができなくなり番組の魅力が減じるから、ということがひとつには言われている。た
もっとみる【アンカーの思い出】(20)スタッフの人たちへの評価
これはテレビに限った話ではないのだが、わたしはマスメディアの内部にいる人たちのインテリジェンスというものを基本的に信用していない。なぜなら彼らは情報収集のための経路を確保することや、情報調達のための技術を磨くことに余念がなく、集めてきた情報をどう活用するか、そこから何を引き出すかというインテリジェンスを重視しているようにはとても見えないからである。例えるなら素材を集めてくるのは上手いが、素材の質に
もっとみる【アンカーの思い出】(19)要約こぼれ話
実を言うと、有本氏の発言を要約するのは非常に簡単である。なぜなら一切手を加えずそのまま文字にするだけでも、十分理解しやすいものになるからである。前にも述べたように、有本氏の紹介する情報は不確かなものが少なく、話が良く整理されていて、論旨も明快である。また「事実と意見の区別」がしっかりと行われているので、文字にしたときに生じる違和感が非常に少ない。逆にこういう点がいい加減な場合、そのまま文字に直すと
もっとみる【アンカーの思い出】(18)有本香氏を分析する
「歯切れが良い」「ズバズバものを言う」―――。そのようなイメージを有本香氏に対して抱いている人は多いように思われる。たしかに有本氏の話は明快でわかりやすく、またところどころスパイスの効いた表現が織り交ぜられることもあって、そういう印象が生まれるのは自然なことだと思う。しかしわたしが1年あまりコメントの要約をしてきた感触で言うなら、有本氏はむしろ非常に慎重な人だと感じる。実際、口頭での説明というもの
もっとみる【アンカーの思い出】(17)有本香氏の印象
Wikipediaによれば、有本香氏がアンカーに出演を始めたのは2012年10月のようである。以前も書いたが、わたしが有本氏を初めて見たのが2013年5月だから、そこからさらに半年以上遡る計算になる。Wikipediaの出演番組一覧にはこれよりも古い履歴が見当たらないので、アンカーが有本氏にとっての「地上波デビュー」になるのかもしれない。また有本氏のいわゆる「言論活動」を軽く辿ってみると、大体20
もっとみる【アンカーの思い出】(16)要約のはじまり
Twitterで有本香氏をフォローしたわたしだったが、当時はアカウントを作ったばかりだったこともあり、方向をまったく決めていなかった。わたしは飽き性なので、三日坊主で終わっていた可能性は十分すぎるほどあっただろう。しかし偶然とは恐ろしいもので、ちょうど方向を模索していた頃、有本氏がアンカーに出演するという情報が流れてきた。そして2014年2月7日、わたしはアンカーを視聴した。有本氏を見るのは約8か
もっとみる【アンカーの思い出】(15)有本香氏との出会い
わたしが有本香氏の存在を知ったのは、実は比較的最近である。あれは今から遡ること2年前の2013年5月。その当時、大阪市長の橋下徹氏が「慰安婦」について発言したことが物議を醸していた。しかしテレビから流れてくる情報は「外交的にどんな問題があるか」というような話ばかりで、発言の意味を正面から解説している番組はまるで見当たらなかった。そもそもテレビ自体に期待を持っていたわけでもないので、いつものようにう
もっとみる【アンカーの思い出】(14)アンカーの終了を考える
アンカーが終わってしまった理由について、少し考えたい。と言ってもわたしは内部事情をまったく知らないので、詳しい原因はわからない。ただフジテレビの大規模な改編に関西テレビも対応せざるを得なかった、ということはまず容易に想像できる。また仄聞するところによれば、2012年にフジテレビと関西テレビの間の資本関係が微妙に変化したことが影響しているという話もあるようである。在京キー局との関係が影響しているとい
もっとみる【アンカーの思い出】(13)関西コメンテータ事情
他の地域でも一般的に言えるのかもしれないが、関西ローカルのテレビ番組には関西独自の色合いが求められる。色合いの出し方が特に難しいのは、報道番組と情報番組である。たとえばニュース番組の場合、全国的なニュースは在京キー局が配信しているため、話題としては地元関西のものが選択されることとなる。他方キャスターは関西出身者であっても、当然すべて標準語で原稿を読み上げる。しかしここが微妙なところなのだが、原稿に
もっとみる【アンカーの思い出】(12)岡安譲アナウンサー
アンカーでメインキャスターを長年勤めてきたのは「ヤマヒロ」こと山本浩之氏であったが、2013年9月をもって山本氏はアンカーを「卒業」した。そもそも同年4月に山本氏は関テレを退社しフリーアナウンサーになっていたが、アンカーには引き続き出演していた。ただ当初は2014年3月まで出演する契約だったそうなので、「卒業」が半年繰り上げられた形である。そして山本氏に代わってメインキャスターに就任したのが岡安譲
もっとみる【アンカーの思い出】(11)続・青山繁晴氏を分析する
*本エントリは青山繁晴氏のファンを不快にさせるおそれのある記述を含んでいます。ご注意ください。
前回に引き続き、わたしが青山繁晴氏に対して感じてきた「引っかかり」を分析していきたい。課題の3点目、これが最も重要であるが「事実と意見の区別が不明瞭」という点である。この「事実と意見の区別」というのはかなり一般的な原則であるとわたしは考えている。実際これはいわゆる「クリティカル・シンキング」(批判的思
【アンカーの思い出】(10)青山繁晴氏を分析する
*本エントリは青山繁晴氏のファンを不快にさせるおそれのある記述を含んでいます。ご注意ください。
わたしが青山氏に感じてきた「引っかかる」点について、これからわたしなりの分析を書いていきたい。なおわたしがそれなりに知っている青山氏の出演番組はアンカーだけなので、それ以外の場面に対してもこの観察が一般化できるかはよくわからない、ということはあらかじめ申し上げておく。
課題はいくつかあるのだが、ひと
【アンカーの思い出】(9)水曜アンカー実況勢
アンカーにおける青山繁晴氏の人気については前々から伝え聞いていたが、わたしはTwitterを始めてからその人気の強さに改めて圧倒された。実際Twitterにおけるアンカーの「実況」は、毎週水曜日になると活気づいた。その様子は、いむらや(TwitterID:reichi062)氏という方がTogetterで毎週公開していたまとめからも見て取ることができる。また前回にも書いたように、福島第一原発への取
もっとみる【アンカーの思い出】(8)青山繁晴氏の印象
アンカーのコメンテータの中で、最も有名なのはおそらく青山繁晴氏だろう。実際わたしはこの1年あまりTwitterでアンカーの「実況」に参加してきたが、アンカーについての投稿が一気に増えるのは、大体決まって青山氏の出演する水曜日である。視聴できないはずのエリアからアンカーについてツイートをしていると思しき人も見られ、青山氏の人気が全国的なものであることがうかがえる。しかし正直に告白するが、わたしは青山
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