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【連載小説】「くじらは神話を運んでくる(仮)」 | 第7話

賑わう街から離れ、閑散とした荒野にやってくるロプトとフレイ。
フレイは大声で楽しそうに話しかけているが、ロプトは耳を手で押さえ、鬱陶しそうに無視をする。
すると、荒野に似合わない異質な構造物が見えてくる。
「相変わらず、変な家だな、お前の家は」
ロプトは見慣れた光景なのか、異質なものを見ても、驚かず平然としている。
メタリックなドーム状の建物がロプト達の前に立ちはだかる。
よく見ると、唯の家ではなく、地面に半分程度埋まっているが、球型の宇宙船のような乗り物のようだ。
フレイは「我が家へようこそ」と笑顔で両手を目一杯広げ、紹介する。
「知ってるつうの。てか、早く開けろ、おれは疲れた」
「へいへい」
フレイはしょんぼりしながら、建物に側面に付いているモニターの前に行き、モニターに顔を近づける。
近づいて間もなく、モニターから赤い光線がフレイの顔全体に照射する。
照射が終わると、モニター画面に「認証成功」との文字が点滅する。
フレイは文字を確認し、直ぐ様五、六歩後退り、上を見上げる。
前触れ無く、地上からロプトの頭上より頭五個分程の高さに建物の扉が開く。
そして、折り畳まれた階段が地上に伸びてくる。
フレイは笑顔で扉の方へ右手を差し出す。
「さぁさぁ、どうぞ兄貴」
「相変わらず、ここだけ文明違うな」
ロプトは頭を掻き、階段を登る。

<続く>

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