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「コスモテック 2024年 年賀状 制作の裏側」

コスモテックの青木です。いよいよ 2024年のはじまりです!

「 皆さま、新年あけましておめでとうございます! 本年もどうぞよろしくお願いいたします! 」 今回は 2024年のはじまりとして、毎年恒例、箔押し印刷会社コスモテックの自社の年賀状をご紹介させていただきます。

前半は私青木よりコスモテックの年賀状企画についての説明を、後半はコスモテックの現場リーダー 前田瑠璃より 2024年の年賀状の仕様や加工についての解説をさせていただきます。どうぞお楽しみください。


◉ なんと約5時間で応募受付終了!

『 コスモテックの年賀状ちょうだいな2024年 』( 送料無料 )

「 コスモテックの箔押しや紙加工に興味がある人、集まれ! 」
の試みでスタートしたコスモテックの年賀状お届け企画は 2017年にスタートしてから年々規模が大きくなり、2020年・2021年 年賀状ではそれぞれ全国各地 約1000名、2022年・2023年 年賀状はそれぞれ約1500名ものご応募をいただく大人気企画となりました。

2023年8月6日4:47 満員御礼 [ コスモテック X( 旧Twitter ) ] より


2024年の応募受付数は 2022年・2023年と同じく1500名様。

2023年7月に 『 出没!アド街ック天国 』 でコスモテックが取り上げられたこともあり( 第6位! 記事は こちら応募受付開始からなんと約5時間程で定員を満たし、応募受付を締切らせていただきました。

◉ 2013年から2023年の集積と継続

2024年の年賀状をご紹介させていただく前に、まずは過去に製作したコスモテックの年賀状を紐解いていきます。

下の動画内では 2013年~2021年 の年賀状をご覧いただけます。 また、 note の記事として 2020年~2023年 の年賀状の仕様や加工についてご紹介しております。

◆ コスモテック 2023年 年賀状

( 年賀状は 1500名様へお送りさせていただきました )

◆ コスモテック 2022年 年賀状

( 年賀状は 1500名様へお送りさせていただきました ) 

◆ コスモテック 2021年 年賀状

( 年賀状は 1000名様へお送りさせていただきました ) 

◆ コスモテック 2020年 年賀状

( 年賀状は 1000名様へお送りさせていただきました ) 

「 コスモテックの箔押しや紙加工に興味がある人、集まれ! 」
の試みから、年賀状の応募企画を正式に開始したのは 2017年からなのですが、実は今から約10年ほど前、2013年( デザインは 佐々木陽介氏によるもの )に製作したコスモテックの年賀状が大きなキッカケ・転機となり、2017年から今も続けている年賀状企画へと繋がっているのです。

「 巳 」( 平成二十五年 ) の文字がきらり
デザインは佐々木陽介氏によるもの


気づけば時は平成から令和へと移り変わりましたが、2013年に幸運にも佐々木陽介氏にコスモテックの年賀状デザインをご依頼できたこと、そして、この年賀状企画を考え、今なお継続し、サービスや加工技術を積み重ねていく試みを実践させていただけていることに、私はコスモテックを慕ってくださっているお客様の大きな応援の力を感じずにはいられません。

◉ 新しい箔押し機、コスモテックに導入

ウェブショップ 『 コスモテックサンプル直売所 』 の売り上げ金( コスモテックではお客様からの支援金と捉えています )をもとに、2023年12月2日、コスモテックの箔押しの現場へ4台目の新しい箔押し機を導入させていただきました。

2024年のコスモテックの年賀状の一部の加工( 工程 )では、この導入したばかり、入れたてほやほやの箔押し機を稼働させて、箔押し加工しました。

2023年年末、12月2日にコスモテックの箔押しの現場へ
新台箔押し機を導入!


2024年のはじまりに、「 お客様からいただいたチャンス・めでたい機会を、新しい箔押し機を稼働させて、技術を箔押し年賀状に込めてお届けしたい 」 そんなコスモテックの社員全員の思いも込めました。

新しい箔押し機を用いて、年賀状の加工の調整をする現場リーダー前田瑠璃


『 みなさんの 2024年が素晴らしい一年でありますように 』
という願掛けの意味も込めた年賀状
がコスモテック 2024年の年賀状なのです。さて、それでは気になる仕様や加工についてはコスモテックの現場リーダー 前田瑠璃に語っていただきます!( 下記より )

◉ 2024年は箔押し機が図案の年賀状

新年あけましておめでとうございます。コスモテックの現場の前田です。

2024年コスモテックの年賀状の図案はズバリ 『 箔押し機 』 です。
デザインは S_D さまによるものです。 S_D さまとコスモテックの関係については下記の note の記事をご覧ください。

年賀状の図案の 『 箔押し機 』 は 「 デザインのひきだし50 」 に掲載いただいたコスモテックの箔押し付録( もちろんデザインは S_D さま )の年賀状バージョンになります。

この 『 箔押し機 』 の図案のモデルとなっている箔押し機は今回 2023年の年末に購入した4台目の新しい箔押し機ではなく、数年ほど前にコスモテックサンプル直売所の売り上げ金をもとにコスモテックの現場へ導入させていただいた箔押し機です。

その箔押し機をベースとして、 S_D さまがデザインしてくださった図案を 2024年のコスモテックの年賀状にしました。2024年の幕開けにぴったりの年賀状制作・企画が誕生したのです!

◉ 紙 × 箔お任せ名刺を彷彿させる年賀状

お客様とコスモテックでつくる、大人気のサービス 『 紙と箔、完全お任せ名刺作成 』 から着想し、なんと今回の 2024年の年賀状は全43パターンもの箔押し加工で年賀状を製作しております。

応募者枠が1500名様なので、1パターンにつき存在する組み合わせは約35枚ほどです。年始から 「 一体どのパターンが届くのか未知数 」 「 わくわく・どきどきを年始からお届けしたい! 」 と構想を練り上げ、年賀状の加工の設計を考えました。

使用している紙は表面が適度な硬さで触り心地の良いディープマットを使用。選定したカラーバリエーションは14色にも及びます。

また、紙色 × 箔色の組み合わせはコスモテックの現場メンバーでそれぞれ担当を設けて考えたものなので、こちらも現場のメンバーそれぞれのセンスがきらりと光るものになっているので、応募者の皆さまにきっとお楽しみいただけることと思います!

紙は平和紙業株式会社のディープマットを使用
ディープマットは 2024年現在17色展開 内14色を年賀状作成で使用
写真は年賀状の1工程目の箔押しを終えたところ

【 年賀状で使用したディープマットの紙色 】
01 ミストグレー | 02 スコールグレー | 03 ローストナッツ
04 チャコール | 05 カカオ | 06 コルク
07 バーミリオン | 08 ルージュ | 09 ボルドー
10 ストロー | 11 オリーブ | 12 アッシュ
13 インディゴ | 14 マルベリー

◉ 箔押し・エンボスのオンパレードで魅せる!

2024年のコスモテックの年賀状は全5回の加工を経て製作しております。 『 箔押し機 』 のグラフィック面には3色( 3色の内1色は彩光腐食版を使用。彩光腐食版については下記掲載の note の記事をご覧ください )の箔押しとエンボス( 浮き出し )加工を。そして、宛名面には1色の箔押しをして仕上げました。

こちらが彩光腐食版
金属版の中に特徴ある繊細な文様が見て取れる
今回一つの年賀状を仕上げるために5つの工程を踏む
そのため5つの金属版を順番に使用して加工


紙色1色に対して約3パターンの 箔 × 箔 × 箔 の組み合わせを考え、紙色14色 全43パターンのコスモテックの年賀状をつくりました。使用している箔材は国内外のものをミックスしており、さまざまです。

ある程度の狙いを付けて臨むもなかなか思い通りにいかないもの
写真は 紙色 × 箔色 の設計図 現場メンバー各人が記載していく


「 この紙色にはこの箔が似合いそう! 」 と事前に当たりをつけて加工をしてみるものの、「 うーん、ちょっとイメージと違うかもしれない。 」 ということは度々起こりました。

その時は 臨機応変にその場で箔色を変更しては、仕上がりイメージに合う箔色選びを柔軟に展開させ加工しました。

最終の5工程目がエンボス( 浮き出し )加工
よーく見ると金色で盛り上がっている部分がある


前述のとおり年賀状のデザイン面では3色箔押しプラス、エンボス( 浮き出し )加工がとてもシビアな見当合わせ( 位置合わせ )になっています。箔押し3色の位置合わせもピッタリと合うように、1色ずつ金属版を付け替えるたびに微調整を繰り返して位置を合わせていきます。

特にエンボス( 浮き出し )加工の位置合わせが今回難しいポイントです。

紙色 × 箔色 の組み合わせが変わるごとに与える印象もガラリと変化
要所に見受けられる ほのかに感じる マニアックな箔の組み合わせ


エンボス加工で箔押し部分をぐっと盛り上げると加工位置のズレが目立ち易いこともあり、慎重に特に目視で確認しながら加工にあたりました。

エンボスの盛り上がり具合いは年賀状が届いた方にしっかり盛り上がりを感じていただけるよう、試行錯誤を繰り返してつくり出しました。あまりに強すぎる圧を加えてしまうと紙が破けてしまうため、破けない上限ギリギリの力加減を狙って加工しております。

また、エンボス( 浮き出し )加工が最終工程ということもあり、最後に位置合わせでミスを起こしてしまうと全てが台無しになってしまうことから、慎重の上に慎重を期する気持ちで加工に臨みました。

メタリック箔、顔料箔、ホログラム箔、透明系の箔など…
使用した箔色( 種類 )は多岐にわたる


「 やはり押してみないとわからないことばかり。 」
日々の仕事の箔押し加工の経験がありながらも、図案と紙色、箔色・箔の接着剤の適正をマッチさせること、完成を予測する・イメージすることの難しさを改めてコスモテックの現場メンバー一同痛感する瞬間もありました。
 
また、コスモテックの現場メンバーそれぞれが選ぶ組み合わせには、毎日顔を突き合わせて仕事している間柄ではあっても私が思いつかないような選球眼もたくさんあり、メンバー同士 製作過程ではお互いたくさんの刺激があったのです。

5工程まで終え、一つ、また一つとパターンが完成していく
少しずつ加工のゴールが見えてくると気持ちがあがる ここまでの緊張感が半端ない!

◆ 気がつけば箔77( 種 )使用!?

最終パターンを押し終え、2024年コスモテック年賀状の製作現場にはとてもカラフルで多種多様な箔材が溢れんばかり満ちていました。私は加工の大変さを物語っているこの様子を見て、安堵の気持ちと同時に早くお客様のもとに届けたい気持ちでいっぱいでした。

興奮冷めやらぬ中でふと 「 私たちは一体何色の箔を使ったのかな? 」 と疑問に思いました。一つずつ数えてみて仰天しました。

なんと、最終的に77種の箔材を使用していたのでした。
77 で偶然 縁起の良い数字になったのにも驚きましたが、こんなにもたくさんの種類の箔材を用いたことは経験上今までなかったことなのでした。

また今回のように箔の種類も増えれば、種類によって紙への定着具合いもそれぞれ異なるため、箔色を変えるごとに箔が綺麗に定着するよう箔押し機の温度や圧力などの調整をその都度おこなって仕上げております。現場のメンバーにとっても非常に素晴らしい経験・訓練になったと感じています。

◉ 届いた年賀状を自身でアップすることの楽しみ

「 届いた年賀状をぜひ SNS で公開してください! 」
「 お!こんな組み合わせもあるのか! 」 と驚くこと間違いなしです。

写真は42パターンの年賀状がずらり揃い踏み
もう1パターン( 通称 マル秘バージョン )が実は存在する


1パターンが約35枚なので、1500枚の年賀状の中で、自分に届いた年賀状が同じ方を見つけるのも面白いかもしれません。 『 アップして楽しい・共有して楽しい 』 は 2022年に加工でお手伝いさせていただいた 「 デザインのひきだし46 」 の箔押し表紙 1000パターンからヒントをいただきました。

「 私が入手した表紙はこちら! 」
「 おお、このような色の組み合わせもあるのですね! 」 など……

一時 SNS 上で大騒ぎとなり、そこから生まれた言葉が通称 『 箔押しガチャ 』 です。 この時の驚きと感動は表紙の箔押しに携わらせていただいた身としても、未だに忘れることができない体験となって、今も私の大きな励みになっております。

◆ [ 動画 ] 紙12色 × 箔77色( 種 )からつくる 42パターン

コスモテックの 2024年年賀状をデザインしていただいた S_D さま、あらためて素敵な図案を本当にありがとうございました!

皆さまの 2024年が素晴らしい1年でありますように。
そして、本年もコスモテックをどうぞよろしくお願いいたします! 


【 箔押し加工 】

有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

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