写真_2020-01-17_16_28_43

「網点4色重ね押しによる写真表現」

2020年も2ヶ月が経ちました。

少し時季外れとなってしまいまいたが、コスモテック2020年の年賀状 / 寒中見舞いについてご紹介したいと思います。

写真 2020-01-17 16 29 56


2020年の年賀状 / 寒中見舞いは、コスモテックの現場リーダーである前田瑠璃のアートワークである『 深海魚(※) 』の写真を使用して製作しました。

※ 『 深海魚 』とは、シール印刷の現場から排出されるシールの廃材に着目し、前田が使い捨てカメラを用いて撮影しているフォトアートです。


前田が撮影した『 深海魚 』の写真から一枚を選び、CMYKの4色に分解して、箔押し用の金属版を4版作成しました。

金属版は全て網点です。

画像1
画像2


C版、M版、Y版、K版の各版を箔色に置き換えて、網点を重ね合わせることによって、『 深海魚 』 の写真を箔押しで表現したのが、2020年のコスモテックの年賀状 / 寒中見舞いの全貌です。

網点と網点のズレが大きくなってしまうと写真をうまく表現できなくなってしまうので、高い精度の見当合わせが必要とされます。見た目以上に難易度の高い表現です。


■ 年賀状について

今回も年賀状のお送り先は、2019年の年末、TwitterをはじめとするSNSを中心に募集させて頂きました。


全国各地の約1000名もの方からご応募を頂き、全員に年賀状をお送りさせて頂きました。
私たちのような小さな箔押し印刷会社に約1000名もの方から「 コスモテックの年賀状が欲しい! 」 という応募があるなんて、本当にありがたいことです。

画像3


実は、今回の年賀状は2種類あります。

1種類は、半透明箔をふんだんに使用したチャレンジングな仕様です。

1工程目にホロシルバー、2工程目に半透明箔のLUMAFIN YELLOW、3工程目に半透明箔のLUMAFIN 742 BLUE、4工程目に半透明箔のLUMAFIN PINKの順に4色の箔を順番に重ねて押しています。

画像4
画像9


2種類目は、あえて位置を少しずらして重ねられている順番がわかるように押しています。1工程目にホロシルバー、2工程目にフレッシュウォーター、3工程目にキウイグリーン、4工程目にサンセットオレンジ。それぞれの箔の陰からちらりと別の色がのぞいていて、これもとてもおもしろい仕上がりとなりました。

■ 寒中見舞いについて

寒中見舞いは、年賀状で用いた『 深海魚 』の写真と同じ写真がモチーフですが、仕上がりサイズはどどん!と超拡大A4サイズバージョン!

こちらは日頃からお世話になっているデザイン事務所、加工所の皆さんにお送りさせて頂きました。

写真 2020-01-17 16 32 56


寒中見舞いはA4サイズの紙に、1工程目に金消しNo.108、2工程目にシルキーピンク、3工程目にフレッシュウォーター、4工程目にLUXOR377の黒銀箔の順に重ねて押しています。

写真 2020-01-17 16 24 03
写真 2020-01-17 16 36 25


今回の『 深海魚 』 箔押し写真表現では、使用する箔や、重ねる順番によって印象が変わります。さらには重ねてみないと最終形態がわからないというドキドキ感がありました。

箔押しには一般的には下地を隠蔽する特性があります( LUMAFINのような半透明の箔を除く )それ故、CMYKと4回網点を重ね合わせて行った時、一番最後( 4回目 )に乗せた箔色の印象が一番色濃く出ます。

それを再確認した年賀状でもありました。

画像10
写真 2020-01-17 16 34 40


コスモテックは、これからもお客様や技術と真摯に向かい合って、より良い製品・作品づくりに挑戦していきます。2020年はどんなお客様、どんなデザイン、そしてどんな箔押しに出会えるのか、とても楽しみです。

また、今回の年賀状がきっかけで前田瑠璃のアートワーク『 深海魚 』を「 はじめて知った! 」「 『 深海魚 』 の写真集を手に入れたい! 」というありがたいお声も多数いただきました。

是非、今後の前田の活動も楽しみにしていて下さい。

画像12

2019年 『 深海魚 』
TOKYO ART BOOK FAIR 2019 出店
・ 『 深海魚 』 SHIBUYA TSUTAYA に登場


皆様にとってビックリ仰天な箔押しと出会える一年でありますように。


【 連絡先 】

ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/

有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?