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思考Ⅰ

何もなかった
まだ何も生まれてなかった
脳が独自に思考を始める前に
まず学ばなければならなかった

この世界は何でできているのか
なぜわたしは存在しているのか
そしてわたしは何者なのか
しかしわたしは思考の術を保ち得ていない

だからまず学ばなければならなかった
目にするもの、聞こえてくるもの
触れるもの、体内に取り入れるもの
すべてが学びの対象だ

やがて言葉を覚え、思考の術を得た
そして発することができるようになった
次に意思を疎通することが
できるようになり、脳内に何かが生まれた

だがそれで終わりではなかった
本当の意味で始まりだった
その意味を生涯かけて問うことに気づいた
思考するとはそういうことだ


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