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沈む秋が託するもの

秋が地面に沈んで 
落ち葉が羽布団のように
覆いかぶさるとき
冬は空から降りてくる

羽布団より軽い重みに
首をすくめるひとたちが
背を丸めて足早に家路につく

色づいた落ち葉は
地面で朽ちていき
やがては土に還り
土は栄養をたくわえていく

季節は循環するいのち
眠りに入る冬に
豊潤な土壌になっていく

その上で降りてきた空は
風をたずさえて
きつくあたるけれど
ひともじっくりと
いのちを温め合う


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