五月雨

梅雨に入ったと思ったらもう蛙が鳴き始めた。
四国の梅雨入りは平年より21日早く
統計開始以来最も早いらしい。
梅雨明け予想が7月17日ごろというから
これから2ヶ月は梅雨ということになる。
あ〜ぁ、うっとうしい。

だけど、言葉とは不思議なもので、
五月雨といえばうっとうしさはかなり消え、
趣さえ感じるものだ。
五月雨は梅雨どきの雨のことを指し、
早苗を育む慈雨ともいう。
ちょうど田植えの時期だし、
夏野菜を育てる恵みの雨としてはしっくりくる。

それに「五月雨」は詩歌によく詠まれる。
俳句だと
 五月雨を集めて早し最上川(芭蕉)

 ※この句、最初は「涼し」だったのを
  後に「早し」と推敲した。

唱歌「夏は来ぬ」にも
 ・・・五月雨のそそぐ山田に・・・♪

また、村下孝蔵の「初恋」には冒頭
 五月雨は緑色 悲しくさせたよ一人の午後は♪

と歌われている。(大好きな曲なのです)

どの詩歌も「梅雨」では趣が削がれ、
情感も違ってきますね。

情緒のある言葉は
心象風景を一変させる力を持っていると思う。
いつもそれを思っている。


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