女心と秋の空
34歳
秋桜の綺麗な季節
自宅のベットの中で触るスマホの画面がにじむ。
ベットの中でスマホを触っている時間が急激に増えた。
自由になりたい
そんなエゴイストな自分が時々現れる。彼の前で気持ちが爆発した。
仕事と彼を同時に失うことになった
ひとりになった
とてつもない喪失感。
家の前の公園で行われている幼稚園の運動会。懐かしい音楽と子供達の騒ぎ声が響く。
孤独を感じる瞬間
涙は止まらなかった。
泣いている理由は自分でもわからない。
大好きだった彼と別の人生を歩む選択をしたこと、自分で頑張ると決めた仕事を貫いて続けることが出来なかった事、どちらも自ら選んだ道なのに、なぜ泣く。
34歳の大人にもなり、そんな自分が情けない。
夏に一緒に行った海を思い出す日焼けの跡、薔薇でいっぱいのスマホの待受を見るたびに誕生日にサプライズで貰った薔薇の花束を思い出し、胸に小さなトゲが刺さる。
2ヶ月前までは昼間は歯科で働き、仕事が終わった後に週4で夜の9時から12時までカフェでアルバイト。日曜日の休日はハウスメーカーで受付とお茶出しのアルバイトをするトリプルworkerだった。
唯一お休みの木曜日は彼とデートか友達とランチ。毎日楽しく、充実しすぎた日々を送っていた。
こんな孤独な日が来ることも知らずに。
コロナのせいにはしたくないが、全てをコロナのせいだと思いたい。
いい歳した女が、過去を思い出し、馬鹿みたいに泣いている。失恋とはいくつになってもつらいもの。何度しても苦しいもの。
今までの経験上、時間が解決してくれる事は、わかっている。
楽しい恋をさせてくれたことに感謝。ありがとう。
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