ブロックとは―スピリチュアルと心理療法

ブロック、という言葉、なかなか流行っていますね。

ああ、私の記事でブロックというと、誘導ブロック(点字ブロック)も良く出てきますが、今回の記事は心理の方です。
日本は随分スピリチュアルが流行り広まったので、恐らくそこでこの「ブロック」という表現が生まれ、広まったのかなという印象があります。定かではありません、私個人、この語源は知りませんので、そこはわかりません、あくまで印象です。

ただ、日本でよく言われる「スピリチュアル」という領域自体は、実はもとは催眠療法に端を発しています。
以前、催眠療法の歴史をかいつまんで記事としたことがありますが、昔は催眠現象や催眠現象による心身の癒しなどがなぜ、どうして起こるのか、原理原則がわからずにやっていたがために、表面的な「行動」に囚われました。
つまり、本当に昔、中世以前は、催眠療法を、「手を翳す」「手でなでる」などの、いわゆる「手当て」という表面的方法を通して行っていた時代がありました。
また、楽聖モーツァルトの時代やフランス革命前後には、「動物磁気」「メスメリズム」という言葉が世界中で大流行りしました。これはどういう考え方かというと、催眠や潜在意識という概念や言語表現がまだなかった時、催眠現象がなぜ起こるのか、催眠現象やそれによる心身の癒しをどう説明していいかわからなかったため、”人間の身体にそういう力が巡っているのだ”という考え方をしたのです。動物磁気、という、磁力のようなものが流れていて、これが施術者の身体から出て患者に分け与えられるのだ、というような考え方をしたのでした。

そして、外国では、その後どんどん、催眠現象は実は暗示(言葉)によって引き起こされているだけの本人の身体の当たり前の(毎日普通に生活していてもしょっちゅう出たり入ったりしている)現象であり、自身の魂を解放する力、自身を治癒させる力、無限の可能性は実は本人にあるのだ、ということがわかってきたのですが…

日本に催眠療法が入ってきたのは、遅れに遅れて明治時代の文明開化の頃、しかも他の膨大な外国の情報と一緒にちらっと入ってきたそれは、どうやら「メスメリズム(動物磁気)」の考え方として入ってきたようなのです。
明治維新の文明開化でとにかく一気に外国を取り入れ真似しようとしましたから、最先端どころでなくとにかく何でもいいからどばっと入れた中に、そんなものがあったのでしょうね。

そして、それが、日本で日本語で発達していって、「レイキヒーリング」という表現、表面的手法となったと言われています。
原理原則はともかく「レイキ」を「レイキ」として学び手法を使っておられる人たちもおられますと同時に、催眠療法士も、レイキヒーリングを行うことができるわけです。原理原則をちゃんとわかっている催眠療法士は(催眠療法士の中にも、催眠技法は催眠技法としてだけ、表面的テンプレート的に学びその方法、形、でしかできない人もいますからね)
敢えて悪い言い方にも聞こえるかもしれませんが、「魂を癒す」方法として、そして癒されたい・問題を解消したいクライアントさんに対して、表面的に目に見える形としてどういう「パフォーマンスを使うか」
レイキヒーリングのように見えるパフォーマンスを使うか、心理療法的に見えるパフォーマンスを使うか、という違い、ともいえるのです。
大事なのは表面的に見えることではなく、原理原則を如何に理解し利用しているかと、クライアントさんが本当の意味で癒されること、この2つだけなのです。

また、日本のスピリチュアルでは占いやリーディングなども代表的手法として流行っていますね。
私の師が面白いことを言っていました。
交流分析の人生脚本分析がちゃんとできる人ほど、占い師より占い師として大成できる。
これは、決して本業占い師さんを批判しているわけではありません。
真髄、本質、原理原則が一緒なのです。
占い師さんは、ご自身の「感覚」を以て人生脚本分析(一部)をしておられます。
かくいう私も幼い頃からそうでした。
私は、私の特にエリクソン催眠関係の記事をお読みいただければわかりますが、私自身、幼い頃からまるで魔法がコントロールできず暴走しているような状態でした。
潜在意識で潜在意識と対話し、相手のトラウマを引き出してしまっては解除し、相手の言動行動を見て、その言動行動に至るまでの潜在意識で起こっている計算式が瞬時に見えてしまい…。
本能的に、後年知ったら催眠療法の高等技法と同じようなことを、行ってしまっていました。

しかしながら、人間同士というのは、必ず「顕在意識」同士で交流をしています。
つまり、潜在意識(本能的)な手法だけでは、相手の顕在意識の影響によるトラップに引っかかってしまったり、顕在意識・潜在意識両方の原理原則を理解して利用し癒しへ持っていくということが、できないもしくは遠回りになる場合が多く出てきます。
そうでなくとも、自分自身も実は「顕在意識」で物を考えているわけですから、自分の本能から出てきているものだけでは、コントロールしきれない時がありますよね。また、わからなかったり、悩んだり。
だからこそ、「顕在意識から」も顕在意識のやり方でも原理原則を学び、いわば上からと下から、双方から繋げて双方から裏付けておくことがとても重要である、と、私自身もこの身で痛感しました。

先程の占いを例にとるならば、潜在意識の感覚で相手の人生脚本を視る、ことと、交流分析や深い催眠療法(顕在・潜在意識の原理原則)、あらゆる深い心理学の素地のある上でのあなたが人生脚本分析をすること、を、同時に行うわけです。
本当に潜在意識の本能的にもちゃんと研ぎ澄まされていれば(つまり、それこそ人生脚本のブロック・パターンに実は支配されていて真の感覚ではない部分で占ってしまっているのでなければ)、両者の見(視)立ては、一致します。お互いにお互いを裏付けます。

そして…更には、その潜在意識で視えた「見立て」を、ほとんどの占い師さんは、そこで「自分(施術者)」の視えた見え方のまま、ダイレクトに伝えてしまいます。
これが、非常に惜しいところです(いや、心理のカウンセラーなどにもたくさんいますが)。
これが、顕在意識(言葉)の罠です。

せっかく、素晴らしい、相手の潜在意識(個人的無意識)の部分を視えているのに、
そうしたらその占い師さん、それを何のためにクライアントさんに伝えるのですか。
私はこんなに過去も未来も視えるのよすごいでしょう!ということを独りよがりに誇示するためではないでしょう?(そういう人も恐らくたくさんおられる…というよりそのパターン・ブロックが組み込まれているがゆえに占い師やスピリチュアルヒーラーをやっておられる方も非常に多いですが)

クライアントさんが、その視立てを使って人生を生きやすく、より良いものとしていく「癒し」や「自己実現」のためではないのですか?

もしそうならば、せっかく視立てたのなら、その視立てを「伝える方法」も学ばなければ非常にもったいない話です。自分の視立てを、伝えた途端に無意味に自分でぶち壊してしまいます。
なぜなら、潜在意識で潜在意識を視て(読んで)も、クライアントと対話し交流するのはあなたとクライアントの顕在意識(言語)同士であるからです。

クライアントさんの言語パターンや、解釈パターンは、施術者(占い師)とは違います。
占い師やヒーラー側の言語パターンでそれを一方的に伝えたところで、クライアントさんの持っているブロックやパターン(私の最近の記事の言い方だと「魔法陣」)によっては、せっかく伝える施術者の視立てが、真逆に伝わってしまったり全く実はクライアントさんの潜在意識の狡猾な負のパターンによって、捻じ曲げられ、今後の人生を本人の不利に使って行くための受け取り方をしてしまう場合が非常に多いという現実があります。

人生脚本分析は、潜在意識も顕在意識も同時に読みます。
伝え方も、セラピスト側の世界の押し付けではなく、クライアントさんが本当にそれを本人のやり方でわかる方法で伝えます。
時には、セラピストが「白」と視えたことでも、だからといってクライアントさんに「白」と伝えても、そのクライアントさんには「黒」と言われたように伝わってしまうことがあります。いや、そういう場合の方が実は圧倒的に多い。
そこで大事なことは、”セラピストが「白」と視えたこと””それ(私こそ)が正しい”ではありません。”クライアントさん本人が気付き真髄への道を掴むこと””クライアントさんの魂が本当に癒され解放され本来の状態に戻る、自由と人生を取り戻すこと”ですから、クライアントさんに「ちゃんと白と伝わるため」には、現段階では敢えて「オレンジ」と伝えたりするようなこともあります。
これは、クライアントさんが今持っているブロックやパターンを総て組み合わせた現段階で、こう伝えることこそが、クライアントさんの真実の「白」に気付く道に入ることができる方法であるためです。
これを読むには、どうしてもクライアントさんの潜在意識・顕在意識すべて併せた、クライアントさんの「意識のメカニズム」、言い換えればプログラムパターンやブロックなどを読む必要があります。

交流分析の人生脚本分析は、決してテンプレートに当て嵌めてタイプ分析などをしているわけではありません。
同時に、交流分析と併せて催眠(潜在意識と顕在意識の原理原則)を深く知ると、本当の意味での人生脚本分析(潜在意識を通じすべてを通じた占い)ができるようになります。


レイキヒーリングや、リーディング、占い、現在いろいろな方法に分岐しているスピリチュアルヒーリングというのは、実は、催眠(潜在意識の原理原則理論)に端を発するのです。
実は、催眠療法のごく一部を、輪切りにして分業制にして行っているようなものが、日本のスピリチュアルである、とも言えます。
ちなみにイメージで潜在意識の物を見聞きしたり、何か顕在意識が理解できる名称の事物に例えたり、そしてそれを実際に見たり聞いたり感じたり書き換えたり大きくしたり小さくしたりいろいろなことをするスピリチュアルヒーリングは、すべて、催眠療法のパーツセラピーのごくごく一部を切り取って行っているものともいえます。
ですので、催眠療法で深く原理原則まで到達しているセラピストは、スピリチュアル系統のセッションを見ると、すべて原理原則がわかります。


そして、だからこそ、本当に真髄に到達したい、または真髄に到達する人を広めていきたい、のであれば、これはスピリチュアルヒーラーも科学的視点のセラピストもみんなそうですが、まずは自分自身の魔法陣(自分はどんな魔法陣―人生脚本プログラム―に包まれているのか)を知り、癒し、「筒」にしていくこと、が、第一に重要となるのです。

でないと、人を癒したい、癒される人をひとりでも多く、と思いながら施術をしているつもりが、知らず知らずに逆に危険なパターンを呼び起こし掘り起こしたり、それによって自分自身をどんでん返しのように傷つける大きなパターンの渦中にいたり……しかねません。


さて。実はこの記事のテーマは、「ブロック」でした。
実は催眠療法士でも、「ブロック」という言い方をする人はいます。恐らくスピリチュアルブームで日本人の流行り語のようにこの言葉が広まっているため、わかりやすいと思って使うのかもしれません。

ブロック、というのは、結局何かというと、これまた私の言葉で説明してしまうと、今まで何度か記事で説明している「魔法陣」の構成要素です。
魔法陣とは、心理学用語で言えば人生脚本のプログラムパターン。それを構成しているブロック……交流分析的に言えば「禁止令」だとか「ドライバー」、催眠療法的に言えばセルフトークだとかビリーフ(信念)。認知行動療法的に言えば「不適応的認知」。

そのため、ブロックというのは、「私にはお金のブロックがあって~」などと仰る方も多いのですが、実は、ご自身の中に数えきれないほどあります。
外界というものをこう受け取りこう解釈する、というフィルター(私は実は「色眼鏡」という言い方をしたりもする)、潜在認識、認知パターン、外界に対する生き方戦術。その中でもあなたの人生をあなたが運営していくにあたり不利になる戦術、つまり不適応な認知を、ブロック、という言い方をしたりするわけですが、このブロックは、言ってみれば「単体」で存在しているわけではなく、常に他の「ブロック」に影響され合っています。
つまり、ひとつのブロックを解除するにあたっては、そのクライアントさんの他のブロックもしっかりと見抜き見据えた上で、取り掛かる必要がある、ということ。
また、それによって、そのブロックへのアプローチの仕方、施術方法は、100人いれば100通り違うというほどに別の手法が必要となります。

催眠療法士でも言われます…いや、少なくとも私の師は言っておられました。
「私(セラピスト)はこの手法しか使えません、この手法が得意ですのでこの方法でやりますね、あなたが合わせて下さい」というセラピストでは、クライアントは楽にならないどころか、危険に陥れる、と。

切実に、相手の潜在意識を扱う(アプローチする)セラピストならば、自分の潜在意識と本当にしっかりと裏表のない付き合いと結びつきを持ち、まず自分の脚本分析ができ、自己セラピーができ、その上で相手の潜在意識と顕在意識両方と忌憚なく対話を交わして相手の人生脚本(いわば取扱説明書)に応じて縦横無尽に、手法を使い分けることができる必要があるのです。
また、そうすると、相手の潜在意識の偉大なる医師(自己治癒力)からの声を、指示を、聞くことができるようになります。
そうすると、私はただただその医師に平伏し、その医師の指示のままに…そして「筒」であるこの身体もそのようにセラピーを進めることとなります。そうするともはやいつの間にか、クライアントは私を使って勝手に癒されていってくれます。私としてはこの状態が一番楽です。ただただ言われるとおりにしているだけですから。

ただ、この”医師”の言葉を本当にちゃんと受け取りその通りにするためには、顕在意識が邪魔しないよう、顕在意識でもちゃんと自分の潜在意識についていけるだけの素地を学び染み込むまで身につけ、そして自分自身をまず極力「筒」に近い状態まできれいにする、癒し不要な魔法陣を取り去り美しい魔法陣に変える、ということが、大前提として必要となるのだと、私自身、痛感してきました。


そして、そこに到達するための方法を、共有するためにはどうしたら良いかと考えてきた中で、
私の研究所(スクール)を開設いたしました。
催眠、潜在意識、顕在意識というのは、ヒトやヒトの営みの総てのベースとして脈づきとてつもなく大きな影響を与えているものですから、そこからあらゆる領域に活かすことができますし、逆にどこまでも根源・真髄に向かっていくこともできます。

学びたい人が、学びたいことを、学びたいだけ、学び、一緒に研究していくこともできるよう、考え抜いて開設したシステムです。

まずは、入り口となる講座(基礎講座)、3月9日(土)より始まります。
催眠療法に関しては米国の信頼される代表的な催眠療法協会の資格を得ることもできます。
また、その人の受け皿に応じて、そしてその個々の受け皿自体を深く育てることも併せて、グループ講座だけではなくマンツーマンであなたに合わせた形であなたの学びたいものをサポートする、個別受講も可能としております。
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