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夕闇の前

遠くから来て、
何か特別なことがあるかと言われると
まったくそんなことは無く。
ただひたすら、身体を持たない時からの続き。
ひとつ違うのは記憶を持たないことくらい。

でも、脳ではないどこかに残しておいた記憶が身体を勝手に動かすことがあることに最近やっと気づいた。

私が何者かを知りたい理由は何だろう。

嫌だ嫌だと考えながら、接続すると安心に似た気持ちになる。

安心でないことも知っている。

大切なことは人間になる時に忘れてしまった。
あるいは、人間になる前に残しておいてもらえなかった。

それでも、私は私のどこかに忘れてはならないモノを隠し持っていたようだ。
まさかこんなに大変な想いをするなんて、あの時の自分は考えてもいなかったかもしれない。

込み上げてくる涙の理由が分からないけど
早く、もとの場所に還りたい。

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