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第2回THE NEW COOL NOTER賞~小説部門対談(葵ちゃん)

 第2回THE NEW COOL NOTER賞へご参加のみなさま。
 先日、コンテストの審査委員会議室において、小説部門スタッフに抜擢された期待の新人である葵ちゃんとお母様のchihayaさんをお招きして、みこちゃん司会のもと、対談を行いました。

 若干中学生でありながら、大人顔負けの小説論・世界観をしっかりと持っている葵ちゃんと、それを見出したみこちゃんのやり取り。

 みこちゃんコンテストの精神でもある「批評宣言」を彷彿とさせるような刺激的なやり取りが実現しました。

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 この度は、年末のお忙しい中、お集まりいただきまして本当に、ありがとうございます。

 座談会の主役は、天才中学生葵ちゃんであります!

 葵ちゃんは早熟ということもあり、学校でも相談役になることが多く、自分の考えを対等に聞いてくれる大人との付き合いを求めているということです。

 一方でまた、わたしたちも、早熟ではあるにせよ瑞々しい感性を持った中学生と語り合うという機会など、自分の子供を別にすればめったにないことだと思います。

 また、自分のお子様が小学校や中学校であったとしても、へえ、葵ちゃんはそんな風に考えるんだあ…と新鮮な気持ちで、またお子様たちとのコミュニケーションのきっかけがつかめるのではないかなと思う次第でございます。

参加者一覧はこのような方々となっています。
Chihaya Aoiさん
洋介さん
けんたさん
一奥さん
司会みこちゃん


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よろしくお願いいたします。

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挨拶とともに、いきなり洋介委員長から謎の画像が…( U_U)投下された…

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 まずわたしたちの共通の思いとして、驚きというものがあります。大人顔負け、みこちゃん顔負けどころか、すでに考え方の成熟度が、我々大人たちと同一目線に自然とあります。

 そして、それが決して若者にありがちな大人をなめた傲慢な態度ではない、そんなものが微塵も感じられない。かわいい普通の中学生なんだけど、でもすごい。

 Chihayaさんによれば、生まれたときから特別な感じがしたということでありますが、一方でわたしたち大人メンバーが「葵ちゃんすごいね」と声をかけると、とっても もじもじ(きゃわいい)しているとのことです。

 いったいどのようにして、葵ちゃんはそんなに魅力的な葵ちゃんになったのかな…。

 小説の対談、葵ちゃんのいろんな思いにふれる中で、審査委員一同、最終的にはそこがしりたいな、そんな思いを持っています。

 Chihayaさん、葵ちゃん、よろしくお願いいたします。

 おや洋介委員長、いきなりこの美女軍団はなんでしょうか(笑)。彼女ですか?(^▽^)


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 よろしくお願い致します!

 洋介委員長、
 ホントだ、すごい綺麗な人ばかりですけど
 どういったお写真ですか


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 野球部の仲間が芸能プロダクションをやっています。「あんちゃん」の江口洋介の妹役だった酒井法子主演の「うんちゃん」という劇の一コマです。受ければいいかと。
 潤滑油です(笑)なんとなく。あかいので
反対のあおいさんにかけました
😅
すいません!失礼致しましたm(_ _)m


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えー委員長から、昭和のオヤジギャグが出まして、一気に和んだ感じがありますね(笑)。

 最初は葵ちゃんを盗撮したのかと(^^;)疑ってしまいました(爆)。


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 こんばんは、葵です
 なんだか知らないうちに 面白いことになっていた…!
 よろしくお願いします


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 わあ、葵ちゃんキター!
 みこおねえちゃんでござーる(^~^)。


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 洋介といいます。
 よろしくお願いいたしマンモス


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 またもや洋介パパがオヤジモード全開になっております!
 対談に先立ちまして、実は葵ちゃんにみこちゃんから質問していました。

 いわゆる純文学は何歳くらいから好きになったんですか。
純文学が好きになった、そのきっかけになった作品も憶えていたら教えて!
(^-^)
 このように聞いてみたのです。

 お母様経由で、このようにありました。

純文学、明治期以降の日本文学をじっくりと読んだのは去年、13歳のクリスマスに、本人からのリクエストで
夏目漱石『こころ』『吾輩は猫である』、三島由紀夫『春の雪』、谷崎潤一郎『細雪』をプレゼントされたのが最初です。作品選びには、太宰治、川端康成、芥川龍之介あたりも候補にあげて、本人が選びました。(chihayaの好みも入っているかも)


中学の授業で『こころ』の内容を知り、興味を持ったようです。

小学低学年から小説「ハリーポッター」シリーズを好きになり、今も繰り返し読んでいます。『指輪物語』『ナルニア国物語』『ゲド戦記』から最新のシリーズまで海外の長編ファンタジーは相当読破しています。
小学4年で親の本棚から村上春樹『1Q84』を読んでいた時には、内容が大人過ぎたんじゃ?とちょっと心配になりました。


中学受験(進学せず、今は地区の公立です)を経験しており、国語の出題で小学生が読まないような評論や学術的な文にあたったこと、出題者の意図を読む訓練を積んだことが、本人の読み解く力や書く力をつけることに役立ったのではないか、と思います。

うそをつかない、無邪気で本当にいい子です。親以外の大人の前では、もじもじしてます。
素敵な大人の皆さんとお友達になれて、とても喜んでいます

 葵ちゃんは、この中で一番のお気に入りの小説はどれですか?
 一つ選ぶのがむずかしければ、もちろん複数でもかまいません。
 どこが好き、そのあたりも教えてほしいなあ…。


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おつかれさまです
いつもなにかと良くして下さり ありがとうございます☆
文章のやりとりなら気楽でいいなあ
本当に世の中筆談ならなあ
…なんてね

そうですね…
やっぱりハリーポッターですかね
一番付き合いが長いので:)


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そうですねえ、そういう気楽さも欲しいですね!

ハリポタは映画も観ましたか?


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全部、DVDで観ました
ロードオブザ・リングも全部見てます


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 葵ちゃんは、映画と小説の違いというか、もちろんどっちも好きだと思うけど、小説でしか表現できないこと、映画でしか表現できないこととか、考えたことがあれば、教えて下さい。

 というのも、漱石の遺稿シリーズは本当に驚きで、小説というものをよく知っているなあと、心底思ったのです。


 だから、こんなことを聞いてみたくなりました。


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 映画にしか出来ないこと
 小説にしか出来ないこと

 当たり前ですが、臨場感は、映画が圧倒的にまさっている
 でも彼らは待ってくれません
 私の見方が悪いだけかもしれないけど

 一方 小説は読み手に何度でも訴えかけてくれる
 流れを作るのは読み手なんですね

 出会うはずのないことばが出会っている
 それはなぜだろう

 この時あの人は何を思っていたのだろう
 何度でも、本は読み手に考えさせてくれます

 世界の丸みを見せてくれます
 そういうところが好きだなあ…


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 なるほどぉ。
 さすが葵ちゃん(^-^)/

 みこちゃんもそう思います。
 小説は自分のペースで、作品に参加できますよね。

 なんというか、自分で内省して自分が成長しながら自分のペースで読むことができますね。

 映画は一旦は映画の作品の時間の流れに身を委ねることになりますよね。

 小説では衝撃的な一行に栞を挟んで、これはいったい何なんだ…と自分の言葉を探す。こうやってより積極的に作品に参加することができる。

 映像のインパクトは葵ちゃんが言うように、小説を凌駕するでしょう。

 仲の良いお友達にハリウッド俳優がいます。
 彼いわく…

「俳優の仕事のメインは演技をすることではない。
台本をきちんと読むことだ。それが日常の大部分を占める仕事で、撮影のしごとは僅かなものだ」

 こう言っていました。

 読む、読むことによって、それを表現に変える。
文芸批評も、映画俳優の仕事も実は似ているのかもしれませんね。


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 一奥です。

 前にみこちゃんの講評記事紹介でもお話しましたが、葵ちゃんまるで自分の中学生の頃見ているようなんですよね
 本当に自分と趣味がかぶっている

 ハリー・ポッターは小説も映画も、リアルで、ハリーと同い年として追いかけていた世代です……。

 ロード・オブ・ザ・リングや、ゲド戦記も同じ

 葵ちゃんに、2点質問です。


1 ハリー・ポッターで一番好きな名言はなんでしょうか
自分は、ハグリッドがハリーに告げた「来るもんは来る。来た時に受けて立てばいい」です

2 和製ファンタジーで好きなものはありますか?
まだ読んだことがなければ、是非、上橋菜穂子さんの各シリーズをおすすめします


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いちおさん
葵ちゃんに、今1の質問をしたら、
真っ先に同じセリフが思い浮かんだらしいですよ!


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 ハリーポッターで一番好きな名言ですか…
 迷います 私も「来るもんは来る…」は好きです

 もう一つあげるなら、ダンブルドアが言い放った
「わしが本当にホグワーツから去るのは、わしに忠実な者が一人もいなくなった時じゃよ」
ですかね

 格好いいじゃないですか
 人は本当に死ぬことはないんだと
 だからこそ恥ずかしくない生き方をしなければならないと

 ハリーポッターの裏テーマは「死」だと言いますけど、
 多分ここまで含んだ「死」なのだと思います

 和製ファンタジーはあまり読まないですね
 おすすめの本 読んでみます! 葵


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 あれはとても素敵な言葉ですね。初めて読んだ時から倍近い年月が経っても、今でも心に残っている言葉です。


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 みこちゃんが「学校で」の講評の中で
「自己実現や自己表現を小説でやると最悪」
と書いておられたのが印象的で

 葵ちゃんも…

 先生や大人に言われたことを、
 後から「こんな風に言い返したかった〜!」と
 書くだけでは子どもの憂さ晴らし。←ここまでは
 頭の中でも時々思い浮かべるんだそうです。

 この小説の最後の一文
「何事も勝負としてしか捉えられなかった中学時代の自分の、
何と幼かったことよ」
 が思い浮かんだ時初めて、
 これ、小説になるなあと思った、と言っていました。


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 書くだけでは子どもの憂さ晴らし。
 すでに大人なんですよ、葵ちゃんは。

 話のきっかけ、そして、葵ちゃんがどのような小説に興味を持っているのか知りたくて、皆さんに知ってもらいたくて読んできた本について質問しました。

 でも、丸山健二などは、小説を一回も読んだことがないのに処女作で芥川賞を取りました。

 天才なんだねと言ってしまえばそれっきりで、つまらないですね。

 小説で自己を語ろうとしなかったから、自己実現、自己表現で憂さ晴らしをしなかったからに他なりません。

 葵ちゃんよりも年齢も上で小説も遥かにたくさん読んでいる人でも、あまり小説を書くのが上手ではない人はたくさんいます。

 というか葵ちゃんレベルの小説を書ける人の方が少ないですよ、お世辞ではなくね。

「何事も勝負としてしか捉えられなかった中学時代の自分の、何と幼かったことよ」
が思い浮かんだ時初めて、これ、小説になるなあと思った、と言っていました。


 あえて末尾については、この間は言及しませんでした。

 こう思っていたことが明白だったからです。

 小説というものをよく知っている。
 自己実現、自己表現になっていない。
 驚きとともにそう確信しました。

 エッセイというのもそうなんですね。

 この自己実現でない、自己表現でない、自分の正当化ではないエッセイについては、エッセイ部門の審査委員でもある洋介さんが、とことんよく知ってらっしゃいます。

 洋介さんとみこちゃんは、まったく同じ考えです。

 忙しいと思うので、エッセイ部門でやっている鼎談は覗く程度でいいと思いますが、ご招待しますので、ぜひ覗いてみてね!

(鼎談は終了していますので後日公開いたします 一奥)

 広告代理店で数十年に渡って素敵な文章を書き、勤務する会社の下請けのコピーライターさん、エッセイストさんの文章を吟味してきたヒロさんと三人で鼎談してるんだよ!

 こちらも交流が深まるといいな。


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 以前、夏目漱石の「草枕」をみこちゃんと僕が好きなグレン・グールドというピアニストの愛読書だったというお話をしましたが、彼が読んだ英訳版のタイトルは「Three Cornered World」と言います。

 最初は原題のまま「KUSAMAKURA」とするつもりだったみたいですが、意味が通じないと思い、原文の中にある「芸術家も全く浮世を離れるわけにはいかない。

 ただ四角四面の世の中の一角を削ぎ落として、三角の世界を見せてくれることによって芸術は尊い」と言った意味のことから名付けたんだそうです。
葵さんが「世界の丸み」という表現をなさったことで、このことを想起しました。


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  みくりや審査委員も葵ちゃんの小説大絶賛ですね!

 あおいちゃん、この方はお母様がやっているnoteという
アカウント数6000万のSNSで10本の指に入る著名人なんだよ!
(^~^)


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 本当ですね。コメント欄に何を書くか
 考えあぐねてコメント入れてません。


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 洋介パパ

 そうなんですよねぇ…
 ヘタなことコメントで書けないというか、書く方がなんか逆に試されているみたいな(笑)。

 いやはや、すごいお嬢ちゃんを発見してしまったものです。
(^~^)


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 みこちゃん始め、
THE COOL NOTER賞の運営に関わっておられる全ての
方々に
改めて御礼申し上げます。
貴重で素晴らしい機会をありがとうございます!
この経験は必ず本人の宝物になっていきます!


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 Chihayaさん
 お気遣いありがとうございます。


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 葵ちゃん、
「みこちゃんのおかげで、すごい人たちに芋づる式に会えて!」
とニコニコしていました。

 本当にありがとうございます!


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 葵ちゃんの実力だよん(^▽^)


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 素晴らしい出会いに大感謝です


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 縁はやおら為して現実を創ります。
 おもしろいものですね。
 縁をありがとうございます。


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一 奥も葵ちゃんぐらいの年齢の頃、背伸びして、小説家志望のサイトみたいなところに出入りしていたことがあります
 その時に交流していた方達が、今思えば、今ぐらいの自分の年齢のおじさんお姉さん達だったのだろうな、と

人 生のある時期で、そういう、枠を飛び越えた薫陶はどこかで後々活きていく。
 葵ちゃんの場合は、chihayaさんがその部分も含めてしっかりと見守っており、とても素敵だなぁとつくづく思います

 どうぞ、善き年末年始を


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 さてでは、お話も尽きませんが、葵ちゃんの神秘のヴェールがひとつ剥がされた(笑)ところで、今回の座談会はいったん終了とさせていただきます。
 漱石については、けんたさんにまた次回話を振って頂く感じで、再度葵ちゃんの漱石観など聞いてみたいですね!

 みなさま、ありがとうございました(^▽^)/

 葵ちゃん、塾の宿題忙しいところありがとう!

 あ、みこお姉ちゃんね…。
 学校のお勉強割とできたので、お勉強でわからないところあったら、聞いてくれていいよ(笑)。

 葵ちゃんはこのコンテストの宝だよ!
 大人に混じってまったく違和感がない。

 今後ともよろしくお願いいたします。
(_ _)


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 なんだかまたもの凄いご馳走を並べて貰っている…
 葵は感動している!
 ありがとうございます 本当に
 せっかくのこの機会に是非とも 美味しいご馳走をたんまりいただきますね!

 よろしくお願い致します(葵ちゃん発言)


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 この度は素晴らしいご縁をいただきまして
感激しております。
葵ちゃんの一生の宝物になっていく
と確信しています

 来年も
どうぞよろしくお願い致します(お母様発言)

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第2回THE NEW COOL NOTER賞への、みなさまのエントリーをこころからお待ちしております。

■募集期間  ―― 令和2年12月1日~令和3年1月15日まで
■応募方法

#第2回THE_NEW_COOL_NOTER賞 」のハッシュタグをつけてください。
特定の部門へのエントリを希望する場合は、さらに「 #第2回THE_NEW_COOL_NOTER賞 ○○部門」を付けてくだされば、各審査委員が拝見します(必須ではありません)。
※希望する場合は複数の部門への応募が可能です。

また、お一人様何作品応募いただいても構いませんが、授賞対象は1作品までとさせていただきます。
なお、過去作品でも応募可能です。その場合も、同様にハッシュタグをつけていただけるだけでエントリとなります。

よろしくお願いいたします。

参加者同士の交流の場所を設けてございます。
お気軽にご参加ください。

*なお講評は分担制にしているため、必ずしも応募順に講評結果が発表されるわけではございません。よろしくお願いいたします。

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